つきつけろ、太陽の紋章!
本屋を繁盛させようと三日目、四日目とずっと頑張って来たけど、現状は変わらずに最後の日になっちゃったんだ。
残されている手は多くない。
来るべき時を待って、ついにお友達がやってきたの。
グリフやシャーン達、アリアやウォームラビット、リーズやカリンが知り合いや友達を連れてこの場所に来てくれたんだ。
そして観念したシノブから太陽の紋章を貰うことに成功したんだよ!
「母さん、太陽の紋章を持って参りました!」
ラヴィーナがバンと開けたのはお母さんの部屋だよ。
見張りは扉の外に居るから中は一人だけなんだ。
「持ってきたよー!」
(ちょっと大変だったよね)
そこで太陽の紋章を見せつけたの。
「それが太陽の紋章ですか。なるほど、本屋の店主から頂いたのですね」
やっぱりお母さんは色々知っているみたい。
グリフから聞いたのかな?
「そうですよ、苦労して取って来たんですからちゃんと認めてくださるんですよね!?」
と、やりとげたラヴィーナが詰め寄って行くの。
「いいでしょう。出場するのは認めてあげます。ですが、あなたはこの国の王女なのですから、勝手に国を出ることは許しません!」
「はああああ、ずる過ぎませんか!?」
でも、国から出られなきゃ出場できないよね?
「元々自由に外出する許可を与えた覚えはありませんよ。町中ならばともかく、他国に行くなどあってはなりません!」
「ならまた勝手に出て行くだけですよ!」
「母は心配して言っているのですよ? あなたの身にもしものことがあればとても悲しいのですから」
お母さんはとても悲しそうな表情をしているの。
たぶん本心からなんじゃないかな。
「それは分かっています。奴隷の身から助けてくれたことはとても感謝しています。ですが私は母さんにずっと助けられ続けるのは嫌なのです。私は独り立ちして自分の力で生きていきたい!」
「……あなたの想いは理解しました。そこまで云うのなら、もう一度チャンスを与えましょう。ブレイズバトルには選りすぐりの選手が出場すると聞きます。もし彼を倒せなければ出場してもウィーディアの名を汚すだけ。この国の猛者を倒さずして出場など片腹痛いのですよ。出て来なさいベノム」
「うぃっす!」
お母さんに呼ばれて窓がバッと開いた。
そこから隠れていたベノムが出て来たんだ。
「ラヴィーナを倒して自らの実力を示すのです!」
「あー、ラヴィーナ様と戦うのはとても心苦しいですけど、王の願いというならここで叩き潰してやりますよ!」
「ベノム、誰が叩き潰せといいましたか? ラヴィーナに大怪我をさせたらどうなるか分かっていますよね?」
お母さんは中々冷たい目でベノムを見ているよ。
「御意! 超気をつけます!」
多少は手加減してくれる感じ?
「ベノムが相手ですか。良いでしょう、ボコボコにしてやりますよ! モモ師匠、そこで見ていてください。この私が勝利するところをね!」
「うん、応援しているよ!」
(ラヴィーナ、頑張って!)
私と御主人は近くで応援することにしたんだ。
「それでは始めなさい!」
お母さんから号令がかかり、
「さあ、ベノム行きますよ!」
「どんどんかかって来てくださいよ。俺には敵わないって教えてやりますからねぇ!」
二人の戦いが始まったの。
ラヴィーナは素手、ベノムも素手、武器や防具に優劣はないんだ。
何度か共闘してベノムの強さは知っているけど、素手の戦いってどうだったっけ?
うーん、まだ見た事ないのかも?
どうなるかなぁって見学していると、二人がガッチリぶつかったんだ。
吹き飛んだのは……ベノムの方だ。
ラヴィーナの技術にいなされて投げ飛ばされちゃった。
でもそれだけじゃ終わらないよ。
「思ったよりもやりますねぇ。だったらもうちょっと力を出しますよ!」
「ベノム、来い!」
ベノムはグルんと空中で回転して天井に足をついてもう一回突進してくるの。
スピード的にはとっても速いけど、ほぼ一直線だから簡単に躱されちゃった。
もしかして、ベノムって格闘は弱い?
これならラヴィーナが勝っちゃうかも。
「だったらこういうのはどうですかねぇ!」
「くっ、これは!?」
でも今度は壁や天井を蹴りまくって移動を繰り返しているの。
どこから来るのかを分からなくしている感じ。
ラヴィーナはそれに対処するために体を反転させたりしているよ。
それから暫くして、
「ここだあああ!」
ベノムが一瞬の隙をついたんだ。
ラヴィーナの斜め後ろ、大きく広げた手がガッチリ肩を掴んだよ。
そのまま押さえこもうとしたけれど、地面に寝ていたのはベノムの方だったんだ。
「ふっ、未熟。このぐらいで猛者を名乗るとは大笑いお腹大激痛ですよ。首をコスコスあらって出直してきてください!」
「ラヴィーナ様、そこまで云われちゃぁもうちょっと本気を出さざるを得ないようですね。こうなったらもうちょっとだけヒィヒィ云わせてあげますよ!」
流石に云われっぱなしでちょっと怒ったみたい。
「出来るものならやってみなさい!」
「やってやらぁ!」
圧倒的速さで迫るベノム。
バンバン手を突き出しているの。
ラヴィーナでも流石に今度は避けきれず少しずつ食らっているけど、ダメージを散らしながら頑張っているよ。
それでも体には無数の痣が出来たりして痛そうなんだ。
「ラヴィーナ!?」
お母さんが心配そうにしているけど、
「黙っていて、今から逆転するんですから!」
ラヴィーナはまだまだやる気だよ。
私達も頑張れーって応援したんだ!
「行くぞおおおおお!」
その気持ちが通じたのか、それともベノムの攻撃を見切り始めたのか、ちょっとずつ反撃を始めたの。
ほんのりかすり、傷をつけ、タイミングを見計らってガツンと一発。
「うげぇ!?」
ベノムのみぞおちにクリーンヒットだよ。
しかも怯んだ一瞬に詰め寄り、容赦なく顔面にもう一発。
この戦いの中でも成長しているなんて、やっぱり格闘の才能があるのかも。
「どうだ!?」
「ぐふぅ、めちゃめちゃ効きましたわ。効き過ぎてちょっと頭に来ちまいましたよ! ラヴィーナ様、行きますぜ。今度こそ本気の本気の本気の本気だあああ!」
と、ベノムが息巻いているけど、
「ベノム、それさっきも云っていたよねー?」
(ねー!)
もしかしたら、このまま負けちゃうんじゃないかな?
「うるさい、見学人は黙ってやがれ! これから逆転するんだからよぉ!」
「そんなの出来ませんとも!」
なんか次で決着がつきそうな雰囲気。
「どぅおりゃあああああ!」
気合と共に全速力で前に出るベノムと、それを静かに待ち構えるラヴィーナ。
もう見えないぐらいに速いけど、きちんと見極め手首をそっと掴んで引き付けると、逆の腕が顎元に。
「ぐべぇ!」
と、舞い上がったのはベノムの方だ。
眼が揺れている感じでパッタリ床に倒れちゃったよ。
ラヴィーナはそれでも油断せずに顔面に拳を落とそうとしているけど、
「そこまで! あなたの勝ちですラヴィーナ」
勝利宣言をされてギリギリで止まったよ。
「それじゃあ認めてくださるのですね!?」
「……ええ、認めましょう。しかし一人で行くことは認めません。行くならばウィーディアの王女としてそれなりの護衛を連れて行きなさい。これが最大限の譲歩です。これが聞けないのであればやはり出場は認められません。ラヴィーナ、それでいいですか?」
「こちらも多少の譲歩はしなければならないということですね。良いでしょう、それを受け入れますとも。一応お礼を言っておきます、お母さん!」
これでラヴィーナのブレイズバトル参戦が決まったのかな。
「さてモモさん、本当ならばあなたにはブレイズバトル参戦は自分の意思で決めてもらいたかったのですが、こうなった以上はラヴィーナの護衛として同行してもらわざるを得なくなりました。いいですね?」
「うん、いいよー!」
(ラヴィーナの命は僕達が護るよ!)
「ついでと言ってはなんですが、選手としてもウィーディアの力を見せつけてくださいね」
「はーい!」
それと私も参加するみたい。
どんな大会なのかちょっと楽しみだよ。
「モモ師匠、今ならばあなたにも勝てる自信があるのです。是非一戦勝負をお願いします!」
「うん、いいよー!」
色々終わったからなのか、私にも勝負を挑んできたの。
だからね、頷いて返事をすると直ぐにシュバーって倒してあげたんだ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




