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僕はお姉様に会いたい!!  作者: ながれぬい
2/2

運命の出会い2

僕のお姉様がそこにいた―


やばい、やばい、ヤバい。動悸が止まらない。

脈打つ心臓、こんな感情の昂りは経験したことがない。


神々しい純白の髪と、深紅に輝く気品に満ちたドレス。まるで天使のように見紛うほどの輝きが、お姉様を特別な存在だと当然のように形作っている。彼女の姿は、まるで神話から抜け出したように美しく、胸元の黄金のネックレスが彼女の気品を一層引き立てていた。眩いばかりの輝きが、僕に彼女の優雅さと神秘さを漂わせていた。あぁ神よここにいたので…


「待って、待って!まず初めましてよね?」


神もといお姉様に僕の思考は遮られた


そういえば挨拶は一応玄関でしていたが、直接はまだしていなかった


「初めまして、神いや、お姉様。唐突ですが僕のお姉様になって下さい」


「本当に唐突ね。しかも嘘偽りなく本心だわこの子…」


「何を言うんですか、嘘なんかつきませんよ!!」


ってあれ?

なんで嘘じゃないとか

そもそも僕が言葉を発する前から困惑していたな

何か引っ掛かる。でもお美しいなお姉様


「だから、お姉様じゃないってば!何なのこの子」


んん??あっれっれー??おっかしいぞお???

とりあえず会話を続けてみてみるか


「僕ですか?僕はちょっと嫌なことがあって、不貞腐れて歩いていたらここ辿り着きました」


そこで運命の人に出会いました

そう!一目惚れ⭐︎(ウィスパーボイス)


「いやまあ、その想ってくれるのはありがたいのだけど」


やはりこれは…

お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!


「ちょっとやめてよ!!!」


「僕は何も言ってませんが。」


「あ」


「まさかとは思いますが、心読んでます?」


「ナンノコトデスカ?」


ジトーーーーーーーーーーーー

しらばっくれるなら、お姉様RUSHに突入します


お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!

お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!

お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!お姉様!


「お願いだからやめて!!……まあそういうことね。ほんと、何なの君」


「よく変わってると言われます」


「でしょうね。そうだ、勝手に入ってきて!ダメじゃない!ちゃんと外に書いてたでしょ?」


書いてたかな?

ああ、そういえば門のところの蔦の中にそれっぽいのがあったような


「え?蔦に隠れてた?嘘、ちょっと前に掃除したのに…」


「結構荒れてましたよ?」


「そんな10年ぐらい前にしたのに」


「めちゃくちゃ前ですやん!」

お姉様ボケもできるの!?

思わずコテコテのツッコミしちゃったよ!


「…ボケ?本当にそれぐらい最近のはずよ?」


「えーと、天然お嬢様系お姉様ですか?」


「言ってる意味がわからないわ」


んん?また謎が深まったな。

10年前って僕まだ2歳とかだぞ?


「あら、君若いと思ってたけど、まだ12歳なのね赤ん坊じゃない」


「お姉様にバブバブもとい甘えたいとは思いますが、僕もそこまで小さくはありません。

もうれっきとした小学6年生です」


なんでい、そんなに小さくないやい!


「ふふ、かわいいところもあるのね」


「むぅ」


なんだかお姉様は思ったよりも時間の感覚がアレな方なのかもしれない

心が読めるといい、この感覚のズレといい

なんだかミステリアスだな


「だがそこもいい!さすがお姉様!」


「なんだがバカにしてない?」


「してません!本当に思っていますよ!わかるでしょ?」


「まあいいわ。であなたはどこの誰なの?」


「それは読めないのですか?」


「記憶を読み取るわけじゃないからね。」


なるほど、それもそうか


「失礼しました。僕は常道(ジョウドウ) (ミツル)です。気軽にミッくんと呼んでください」


「ミツル君ね。私はフウカよ」


おっとミッくんは華麗なスルー。さすがだぜ、お姉様はよぉ。


「さっきからお姉様、お姉様って本当に何なの?名前も教えたでしょ?」


「これは失礼しました。フウカお姉様」


「だからあなたのお姉様じゃないわ、もう」


お姉様がぷくっと膨らませたほっぺた。

危うく昇天しかけたぜ。これはいくつ命があっても足りないかもしれない。


「…あなたぐらいよ、そんなこと思うのは。とにかく注意書きが見えなかったのはこちらに非があるとしても、勝手に人様の家に入ってきたらだめじゃない」


全くその通りだ。返す言葉もない

普通に考えて不法侵入だよな。僕はなんてことをしてしまったんだ、最悪だ。どう償えばいいのだ。


「ごめんなさい」


「そ、そこまで思い詰めなくてもいいわよ!」


「しかし、これは立派な犯罪です」


「家主がいいなら、いいんじゃない?」


「いいんのですか?僕を煮くなり、焼くなり好きに」


「私はそこまで外道じゃないわ!!なんだと思ってるの!!」


プンプンしている、お姉様かわいすぎる

これはあるいみ処刑かもしれない

あぁここが天国。天の使いのお姉様


「埒があかないわね…それに私をあんな奴らと一緒にしないで」


「あんな奴ら?」


「天使だ、神だのさっきからずっと言ってるじゃない」


これは本気のやつだ

控えなければ、人の嫌がることをしないそれがどんな些細なことであれ。それが僕のモットーだ


「いい心がけね。とにかくもう外も暗いしお家に帰らないと大変じゃない??」


お姉様フィーバータイムがおわりを告げた

しかし、僕は…


「帰りたくないの?」


無言で俯く僕

それはお姉様と別れが惜しいと思うと同時に、ここまで来た理由でもある


「…そうね。なら今晩だけここに居ればいいわ」


「ほへ?」


僕はこの時、この瞬間を生涯忘れることはないだろう

これがお姉様と僕の運命の出会いだったのだから


(またわけのわからないことを…早まったかしら?)



つづく

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