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英雄譚と悪役ごっこ  作者: 藍庸善
一人ぼっちのナルちゃん編
9/9

7 毒は飲んじゃダメ、絶対

鑑定!鑑定!鑑定!鑑定!かんてーい!


≪スキル『鑑定LV4』から『鑑定LV5』になりました。≫


やったぜ!

レベルが上がったぜ!

獲得してからずっと使い続けて、鑑定はめでたくLV5になりましたー!

わーい!パチパチパチパチ!

ではでは早速、自分に鑑定!


『人型キメラ  名前 ナル  LV6

魔力:1500/1500  体力:54/54(狼:320/320)  精神力:我が道を行く

攻撃力:55(狼:328)

防御力:33(狼:252)』


!!

基本的な情報が見られるようになった!

スキルはまだ見られないか。残念!

それにしても………。

色々おかしくない?

狼の時の情報も見られるのは良いんだけどさ、人の体の時と能力の差激しくない?

それを言ったら狼になれる時点で既におかしいかもしれないけど。

おかしいのがそれだけなら良いなだけどさー。

気のせいじゃないよね?

魔力が異常に見えるんだけど。

体力54で魔力が1500?

桁が2つも違うんだけど。

水魔法使った時に魔力切れ起こさなかった理由がわかった気がする……。

………無視したい項目がもう一つある。

精神力?我が道を行く?

なんじゃこりゃ?

私の知ってる鑑定ではこんなもん出てこない。

鑑定で何でこんなもんが出てくるんだよ!

他は数字で評価されてるのに何で文字で表されているんだよ!

我が道を往くという評価はあながち間違いではないけどさー!

そもそもこの項目って必要!?

絶対いらないだろ!

こんなもん表示するなら、他の項目表示しろ!

はあ、はあ、はあ………。

まさか鑑定をしただけでこんなにツッコミどころがあるとは思わなかった……。

とりあえず現状を確認しよ。


1 、私は魔力が多い

2、戦闘の時は狼の姿の方がいい

3、精神力は我が道を行くレベルらしい


3は要らないか。

あー、精神力の項目を見ていると鑑定が役に立つのか怪しくなってきた。

役に立てば良いなー。

そう言えばこの前のウサギも『ちょっと強目かも』とかいうふざけた表示だったな。

1は有難いな。いや、ひっじょーに有難い。

正直、この幼児の体で森で生活するのはきつい。

狼の姿になるのもいいけど、使うのを控えるとなったらどうしても普段は幼児の姿にならなきゃならないしね。

いくら身体強化で年よりも速く走れるとは言え、魔物の方が足が速いことがほとんどだ。

その時に魔法という存在は有難い。

言わば、燃料がギリギリで走る車にガソリン!餓死寸前の子供に重湯!登校の時にないと遅刻する男子生徒に自転車!

そう、大体これくらい大事!

だから、1は生命線とも言えるだろう。

これからは魔法を中心に鍛えるぞー。

あー、魔力はこの幼児には希望の光やー。

ありがたや、ありがたやー。







ちょっと気づいた事がある。

蜘蛛の能力があるなら、糸だけじゃなくて毒も使えんじゃね?

そう思ったら、早速実行!


「毒、生成」


出来た!

目の前に毒々しい色をした水球があらわれた!

…………。

これって何の毒?

多分毒だと思う。

けど、これはどんな効果がある毒?

流石にこれは自分で飲みたくないな。

すると、ちょうど良い具合に頭からツノが生えたこの前と同じ特攻ウサギを見つけた。

チャーンス!

この兎に毒を飲ませてみよう!

こちらに気付かない特攻ウサギを背後から最近LV4になった『繰糸』で捕まえる。

ふっふっふ。

LV4になって、自由に動ける度合いが大きくなったのだ!

因みに今回は指から出した糸で兎をグルグル巻きにした。

そう!指から出す糸でこの技術力!

実はハンカチ程度の大きさの布なら1時間で作れる。

けど技術力が足りないから、まだ暫く服は狼の毛皮の貫頭衣だね。

さて、こんな事を考えている間に現在指から出した糸で兎を宙吊りにしちゃいました。

ずいぶん元気だなー。流石特攻ウサギ。

縛られているってのにメチャクチャ暴れてる。

では、この兎を実験台として毒の効果を調べていきましょー!


皮膚にかける

飲ます

匂いを嗅がせる    ←


「キィー!」


ウサギは必死に逃げようとしているようだ。


皮膚にかける     ←

飲ます

匂いを嗅がせる


「キィー!!」


ウサギは暴れているようだ。


皮膚にかける

飲ます        ←

匂いを嗅がせる


「キィーー!!!」


ウサギは苦しさで、激しくもがいているようだ。


「…………。」


ウサギはウサギの死骸にと変わった。


…………。

よく分かった。

これは飲んじゃダメな毒だ。

自分が飲む前で良かった。

ありがとう、ウサギさん。

君の犠牲は無駄にしない。

……………。

あっ!

そうだ!鑑定使えば良いんじゃん!

うっわー!やっちゃった!

お肉1食分無駄にしちゃった。

あーあ。

すまんな、ウサギさん。

君の犠牲は無駄になりそうだ。

では気を取り直して鑑定!


『蜘蛛毒 効果:触ると激痛が走り、火傷の様に皮膚が溶けてアザになる。口に含むと最悪死に至る。』


何これ………。

私の知ってる蜘蛛の毒はこんなに強力じゃ無かった気がする。

何でこんな強力なのさ…………。


≪現在、個体名ナルは種族:人型キメラです。潜在能力が解放され、遺伝子に存在している生物の能力が最大限利用可能な状態となっております。≫


うおっ!

いきなりですか、アナウンスさん!

びっくりしたー。

えーっと?

今のアナウンスさんの言葉が本当なら、現在の私は潜在能力が解放されている。

その影響で、私の体の中に存在する色んな遺伝子の生物の能力を最大限利用できると。

何ということでしょう!

じゃあ、狼の姿の時は既にかなり利用できているってことか!

やったね!

ん?

でも、蜘蛛の糸はまだまだ成長中で、ハンカチを作るのも一苦労しているのだが。

これいかに?

え?マジで何で?

遺伝子に存在している能力を最大限利用できるなら、繰糸はLVMaxになっているはずだよね?

うーん。謎だ。

………………あっ!

もしかして武器と同じとか?

刀でも一流の剣士が使うのと、初心者が使うのでは全く違う。

ペンでも、有名作家と無名作家では出来る作品が違う。

これと同じか?

この例えなら色々納得いく。

もうしそうなら、狼の姿の時も鍛えればもっと強くなるはず!

よっしゃー!

そうと決まれば、この森で生きて強くなるぞー!



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