3 初めての狩 旨し!
大きい。白い。
それが目の前にいる狼に対しての感想。
こちらが2Mくらいなのに対し、向こうは3Mくらいある。
oh、ジーザス。
試しに鑑定してみる。
≪強そうな狼≫
………………。
鑑定って役に立つのだろうか……。
まあいい。
多分ここで逃せば、食事にはしばらくありつけない。
そして体力はそろそろ限界。
ならばやることは一つ!
奇襲で食らいつく!
草の陰で身を屈め、風下でタイミングを見計らう。
今だ!
草の陰から飛び出し、相手の喉笛に噛み付く。
奇襲は成功。
しかし相手は暴れて、こちらを外そうとする。
ぐっ、強いな!
体力の差でどうしても向こうのほうが力が強い。
ならば!
さらに顎に力を入れる。
は・や・く・た・お・れ・ろーー!!
私には既に何もなくすものがないので捨て身で行ける!
ぬおー!負けるもんかー!
やがて、相手はだんだんと力尽き、ドスンと倒れた。
こちらもかなり体力が削られて力尽きる寸前だった。
危なかったー。
何とかかったぜ。
さーて、では!いただきます!
ふう、ご馳走様ー。
いやー、美味かったー!
この体になってから初めての獲物だね!
で、ちょっと予想外の報酬があったんですよ!
なんと、毛皮が手に入りましたー!
イェーイ!パチパチパチパチ!
持ってきていた鋭い石できちんと解体して、肉は生で食べました。
勿論、狼の姿でですよ。
何で生かというと、単純に火の魔法が使えなかったからです!
まあ、ちょっと勿体なかったけどね。
それで毛皮なんですけど、糸がないので貫頭衣みたいにしましたー。
これで怪我は少なくなるね!
あと、一つ確認をしなくては!
そう!鑑定だー!
どうなったかな?
鑑定ー、ON!
『人型キメラ 名前:ルナ LV3』
鑑定のレベルが上がったのかな?
人族(魔物混合種)から、人型キメラに表示が変わってる。
ん?
キメラ?
キメラってあの!?
『キメラとは、同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ細胞が混ざっている状態や、そのような状態のこと。by ウィキ』
Noooooo!?
私、やっぱり人外!?
何となく前々からそうじゃないかと思ってたけど確定しちゃった!
鑑定が誤作動じゃないかと疑っちゃう。
ないわー。
まあでも、狼になれる時点でそうだよね。
うん、もう仕方ない。
生き残る術が増えたと喜ぼう。
さて、現在の所持ポイントはいくつかな?
≪現在所持ポイントは500です。≫
うおっ!
凄い!
狼一匹倒して500とか凄いな!
ポイント500で、何か魔法系スキルゲット出来ないかなー。
≪スキルポイント500以下で獲得可能なスキルは『水魔法LV1』『火魔法LV1』『風魔法LV1』『土魔法LV1』『草魔法LV1』『金属魔法LV1』『闇魔法LV1』『光魔法LV1』がポイント300で獲得可能なスキル、『重力魔法LV1』『知覚強化LV1』がポイント500で獲得可能なスキルです。≫
おおー!
結構あるじゃん!
ど、れ、に、し、よ、う、か、なー?
魔法は有難い。
今まで物理攻撃だけしかなかったからね。
でも、知覚強化は今の体に必要だと思うんだよなー。
でーもー、魔法もなー、捨て難いよなー。
うーん。
よし!決めた!
水魔法を獲得しよう!
これがあれば飲み水には困らない!
体も洗える!
水魔法獲得しまーす。
≪ポイント300使用して『水魔法LV1』を獲得しました。残り所持ポイント200です。≫
やったー!
魔法ついに手に入れたぞー!
これで、魔法が使える!
楽しみだなー。