表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

ハァンさんは、やっと私を愛してくれる。

作者: 国後旺

「はぁん。あなた、どこに目をつけて歩いてるの?」

ハァンさんは私に言った。私がソファで座っていたときに言われた。私はなにかをしたのだ。私は答える。

「ハァンさん、あなたの目があたしの目ですよ」

「はぁん?」

ほら見てくださいよと、私はおろしていた前髪をあげた。

「ほらぁ、ぽっかり空いてるでしょ、目玉の部分。この前貸したあたしの目玉、そろそろ返して下さいよ」

「はぁん、ごめんごめん。あ。でも待って」

「なんですか?」

「はぁん? はん、はん。はぁあん。あなた、目がない方が可愛いわね」

「え、そうですか?」

「はぁん」

「え、なんですか?」

「はぁん?」

「え、どっちですか」

「はぁん」

どっちですか。

「はぁん、可愛いわ」

そうですか。

「はぁん、顔赤いわよ?」

「そうですか? 可愛いなんて言われると恥ずかしいからですかね」

「はぁん、たぶん違うわね」

え?

「はぁん、あなた、ずっと目玉が無いから、血が止まってないのよ。顔も服も真っ赤なのよ」

そうですか?

「はぁん、そうよ。そうなのよ。ほらぁ、あなたの目、中身くり貫いて電球にしてみたのよ。見てちょうだい」

ハァンさん、見れません。

「はぁん?」

ハァンさん、見れません。

「はぁん」

ハァンさん、だって私には目玉がありません。

「はぁん、はん、はん?」

ハァンさん、私はあなたを信じています。

そうなの。

「あ、はぁん。そうなの」

私が生きてるあいだ、あなたはとても私に対して冷たくて、だけど、私が冷たくなって、いや、あなたが私を冷たくして、から、あなたは熱く、熱く、私を愛しはじめた。そんな私を信じてます。はぁん。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 猟奇的なお人形び。 そんなイメージで読みました。 しっとりとした空気感、かなり好きです。 ソフトに漫画変換すると、「CLAMP」の作品。 リアルに変換すると、 「田島昭宇」の作品。 ハ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ