表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アソビガの少女たち  作者: 鈴本恭一
プロローグ
1/19

序:嵐の夏。争いの海辺。彼女の敗北

 その夏。

 嵐に狂う砂浜で、(きよ)はミッカに組み伏せられ、自由を奪われていた。

 仰向けになる汐へ覆い被ったミッカは、


「さんがむりや」


 と呟き、そして11歳になる従姉妹の唇を無理やり奪う。

 見開く汐の両眼。

 黒々とした曇天に、異形の生き物たちが泳いでいる。汐とミッカの戦いを遠巻きに眺めていた、人の目には見えない生き物たち。

 その生き物と同じ物が、(きよ)の体に入り込む。ミッカの唇を通して。


「―――――!!」


 (きよ)の両眼から涙が流れる。

 それも暴力的な豪雨にかき消される。彼女の叫びもろとも。





********





 (きよ)は尋ねた。"でいだら"に。


「この呪いを解いてくれるなら、私はあなたと契約する」


 汐は言った。


「私は、"でいだら"の巫女になる」


 あの夏から2年が経って。

 人ではないものへ、(きよ)は願った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ