ナスカの同期の友人達と
本文中に入れると微妙な感じになりそうなので、ここでお久しぶりキャラの説明
犬耳男子のケイト、猫耳女子のアンナ、クマ耳男子のウォルフ、うさぎ耳女子のフィデス
アキトと同じ時期にGランク冒険者をしていた4人パーティ
道場内に入ると、ケイトとウォルフ、アンナとフィデスが模擬戦をしていた。
奥の方でその模擬戦を見つめていたジョルシュさんはこちらに気がついたが、皆が模擬戦に集中しているので、シィーってされた。
4人共、俺が道場に来ているのにも気づかずに模擬戦を続けている。
アンナとフィデスは基本に忠実な動きではあるが、どちらも真剣で攻撃にも躊躇がない。
もう一方の模擬戦は、素早い動きで何度も攻撃を繰り返すケイトに対して、ウォルフがそれをしっかりとさばきつつカウンター返しているがケイトもそれをちゃんと避けている。
うん、2人とも元々近接戦闘が得意ではあったが、俺がナスカを離れている間でかなり実力が上がっているのが分かるな。
少しの間、その模擬戦を見学していると、
「はい、それじゃ今日はここまでにしておきましょう。
皆さんもよくご存知なお客様がいらっしゃるようですしね」
ジョルシュさんがそう言って、模擬戦を止めるとケイト達は初めて俺に気がついた。
「あーー!アキトだ!アキト、ナスカに帰って来たの?」
アンナが俺を見つけると、一気に駆け寄って来た。
他の皆もその後ろに付いてきた。
「久しぶりだね、アンナ。魔術学園の長期休みになったから一旦ね。ジョルシュさんもご無沙汰しています」
「えぇ、アキト君、お久しぶりです。お元気そうで何よりです」
「皆も久しぶり。模擬戦をちょっと見学をしていたけど、しっかりと実力が上がっているみたいじゃないか」
「アキトに比べたら、僕達なんかまだまだだよ。なぁ、ヴォルフ」
「た、確かに。ケイトの言う通り、おいら達なんて、まだまだなんだな」
「でも、もう何も出来ないのは嫌だから、前衛じゃない私とアンナもここの道場で頑張っている」
「そうそう。私とフィデスもゴブリンくらいなら、近接戦闘でも倒せるくらいにはなって来たんだよ」
うん、4人が頑張って来たことは、今の模擬戦で十分に分かった。
ジョルシュさんも領主で忙しいだろうに、4人によく指導をしてくれているんだな。
「アキト君。僕はこの後は領主の仕事があるから、夜には時間空いているかな?
ちょうど、今晩はデニスと会う予定になっているから、その時に色々王都での話を聞かせてくれないか?」
「さっき、デニスさんのところにも寄って、その話は聞きました。
ローラさんも一緒に連れてくるってことなので、夜にまた来ますね」
「ローラも来るんだね。了解した。
じゃあ、僕はこれから仕事だから、君達は何処かでアキト君と話をしてくると良いよ」
「はい、分かりました。じゃあ、アキト。早速行こう!」
そう言って、アンナが俺の手を引いて、道場の出口に向かった。
俺はアンナに引っ張られながら、また来ますとジョルシュさんに伝え、道場を後にした。
アンナが案内をしてくれたのは、一軒の家だった。
どっかの食堂のようにも見えないけど、何処なんだろうな。
アンナに続いて、その家に入る。
「私達の家にようこそ。いらっしゃいませ~」
アンナがおどけた調子で言ったが、ここがアンナ達の家なのか。
「まぁ、家といっても借りているだけさ。
宿でも良いんだけど、4人分だと結構な値段がするからね。
それだったら、家を借りてしまおうってことになって、ここにしたのさ」
ケイトが説明をしてくれた。
4人はGランクを卒業してギルドの相部屋も出ることになって共同で家を借りたようだ。
宿代も4人分となれば結構な金額をするし、家を借りれば自炊も気軽に出来るので食費も浮きそうだな。
「そういえば、昼食はまだだっただろ?模擬戦終わりでお腹が空いたんじゃないか?」
「あ!お腹空いた~。アキトが来てくれたので、すっかり忘れてた!
今日のお昼ってどうしようか?」
「もう食材も切れそうだったから、道場の帰りに買い物をするか、食堂に寄って帰ろうって話をしていただろう。
だけど、アンナがアキトを連れてどんどん行くから、どっちも寄れなかったんだよ」
「えぇ~、ケイトが気づいたなら、途中で教えてくれても良いじゃん!」
アンナとケイトのやり取りも相変わらずだな。
「それじゃ、俺からお土産があるから、それでお昼にしようよ」
アイテムボックスから魚介類を取り出した。
うん、アイテムボックスに入れていたから、未だに新鮮そのものだね。
「アキト。貴方、アイテムボックスなんて使えたの?」
フィデスが驚いた顔をして聞いてくる。
いや、フィデスだけじゃない、他の3人も俺がアイテムボックスから魚介類を取り出した様子を見て驚いている。
そういえば、この4人には俺の能力とか、諸々のことをほとんど教えてなかったかも。
ということで、魚介類で昼食を用意しながら、俺が異世界から来て特盛のスキルを持っていることを伝えた。
元々4人のことは信頼をしているし、伝えても良いと思っていたのだが、最悪バレても対処出来るだけの実力をつけてからって思っていたら、タイミングを逸していた。
「うーん、美味しい!アキトが持って来てくれた魚介類はどれも最高だね!」
「確かに、こんなに魚介類たっぷりのスープなんて食べたことないよ。
色々な魚介類から味が染み出しているんだろうけど、それが本当に美味しい」
「お、おいらも、川の魚は食べたことがあるけど、海の魚は匂いも少なくて美味しいんだな」
「この大きな海老が一番美味しい。プリプリで最高。これこそ至高の味」
皆、俺が持ってきた魚介類を美味しそうに食べている。
喜んでもらえて何よりである。
食事も終わって、皆でゆっくりとお茶を楽しんでいる。
「しかし、美味しい食事で忘れてしまいそうになっていたけど、アキトが異世界から来て神様からスキルを貰っていたなんて。
一時期、アキトに嫉妬していたのに、そんな理由があったなんて、僕が馬鹿みたいだな」
「ケイト、そんな気持ちになっていたんだ。
でも、アキトの実力まではいかなくても、あたしももっともっと強くなりたいよね。
しかも、今は魔術学園で属性魔術とかも学んでいるんでしょ。いいなぁ」
ケイトやアンナだけではなく、ウォルフもフィデスも同じ気持ちのようだ。
ジョルシュさんの道場での模擬戦を俺が魔術学園で担当をしている近接戦闘の授業と比べてみれば、前衛のケイトとウォルフの実力は1年のBクラスに届きそうな感じだ。
アンナやフィデスは本来後衛だから、近接戦闘だけだと1年Cクラスってところだけど、アンナは火の属性魔術、フィデスは回復魔術の使い手だ。
4人共、今から鍛えていけば魔術学園に通えるくらいにはなるんじゃないか?
「もし、良かったらだけど、俺と一緒に鍛えてみないか?実は・・・」
どうせ、既にダキニとはダンジョンで一緒に訓練をしているし、今後は他のSクラスのメンバーも合流するのは、ほぼ確定だ。
それならば、俺が異世界で最初に友人になったケイト達も参加させて良いだろう。
近接戦闘はスケルトン達が教えられるし、魔力の回復が早く設定したダンジョンならば、属性魔術も回復魔術も練習し放題だ。
今は、Sクラスのクラスメイト達とは実力の差があるけど、きっと埋めてくれるだろう。
俺の提案に全員が賛成。アンナなんかは、今からでも行きたいと言い出したが、俺もナスカで他にも挨拶をしておきたい人がいるので、後日にして貰った。
代表してケイトにコアの複製を渡しておいたので、連絡も自由に取ることが出来る。
ケイト達に見送られて、家をあとにする。
さて、それじゃ夜のジョルシュさん達との間に出来るだけ回っておきたいな。
それに、デニスさんが魚介類を楽しみにしていたから、少し早めに持っていって調理して貰わないとな。
ダンジョン訓練に4人も参加になりました。
アキトは勿論、Sクラスとも実力差はあるのですが、そこは頑張って頂いてw




