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海鮮バーベキュー

海で散々遊んでいたのだが、皆から離れて1人で先に砂浜に上がってきた。

せっかく海に来たので、やりたいことがあるのだ。

まぁ、ダキニが猛烈に泳いでいるが、他の皆は基本的に膝丈くらいの浅瀬で遊んでいるので、危険もないだろう。

念の為、コアの管理している小さい魔物を1人に1体担当させて遠距離から監視をさせているそうだ。

本当に優秀な執事である。


さて、俺はアナベラさんへ声をかけた。


「どうでしょう?お願いしていた用意って出来ましたか?」


「えぇ、アキト様の指示通りにこの近海で取れる魚介類は多く用意しております。

でも、本当にアキト様におまかせしてしまって良いのでしょうか?

アキト様はジェフリー殿下の御友人で、ここへ招待されたお方。

その人に料理をおまかせしてしまうなんて」


「俺がやりたいって言ったんですから構いませんよ。

それじゃ、俺の方も準備をしますか」


俺がアイテムボックスから取り出したのは、バーベキュー用のコンロに炭と着火剤である。

そう、せっかく海があって、誰にも邪魔をされないプライベートビーチまであるのだから、ここでバーベキューをしないわけにはいかないだろう。

基本、地球ではインドア派だった俺だけどバーベキューは好きで友人に連れていって貰ったものだ。

俺は鍋奉行ならぬ、バーベキュー奉行だったので、友人達には結構重宝されていた自負がある。


まずは、しっかりとコンロの足を安定させたら、コンロの中の一番下に着火剤を入れる。

着火剤は固形タイプで、炭にも火が付くように燃焼時間は長めのものを用意した。

その上に炭を少しセットして、火の魔術で着火剤に火を付ける。

着火剤に火がついたら、様子を見ながら炭を追加していく。

炭にも火がついたのならば、炭の多い場所と少ない場所を作る。

これは、火力の違いを出して出来上がった物が焦げないようにする為だ。


ちょうど、コンロの準備が完了したタイミングで、1人の男性がバーベキューの食材を持って現れた。


「アナベラ様、アキト様。ご希望の魚介類をお持ちしました。

指示通り、下準備はこちらで完了させて頂きました」


そう、この人は王家から派遣をされて、期間限定の別荘専属の料理人である。

普段は、王城の料理人の1人で、国内の料理人の超エリートなのである。

そんな人に、バーベキューの下ごしらえをさせるなんてと思わなくもないが、俺も海で遊びたかったし、量も結構あるのでおまかせをしてしまった。


魚はエラや内蔵の処理も完璧に出来ているし、イカも胴体とゲソをちゃんと分けている。

この分だと、貝類の砂抜きなんかもちゃんと済ませているのだろうな。

あ、イカはあるけど、タコはないんだな。

地球でもタコを食べる地域は限られているから、もしかしたら、取れても捨ててしまっているのかも知れない。

これは、後で調査をしなければ。


「あの、アキト様。

大変不躾なのですが、どうか料理の最中にお側にいてもよろしいでしょうか。

私も王城からジェフリー殿下のここでのご滞在中の料理を任されております。

アキト様が毒を入れるとは思いませんが、何かあってはいけないので、どうかお願いします」


食材を運んできた料理人が、頭を深々と下げてお願いをしてきた。

アナベラさんなんかは、俺とジェフリーの関係をよく分かっているから、なんてことを言い出すのだと料理人に注意しようとしたが、アイコンタクトでそれを止めた。


「分かりました。

あなたのその職務に忠実な姿勢は素晴らしいですね。

是非、一緒によろしくお願いします」


うん、別に目くじらを立てるような話でもない。

この人は職務に忠実であろうとしているだけなので、それを止める必要もないでしょう。


「そうだ、下ごしらえの時に味付けってしちゃいましたか?」


「いえ、特に味付け等は何もしておりません」


じゃあ、先に魚やイカ、エビには軽く下味をつけておこう。

アイテムボックスから、シーズニングスパイスを取り出して、軽く振りかける。

あまり、かけすぎて味が濃くならないように注意だな。


「アキト様、それはいったい何なのでしょうか?」


料理人が気になって声をかけてきた。

まぁ、得体の知れない物をジェフリーに食べさせるわけにはいかないからな。


「これはシーズニングスパイスっていって、塩や砂糖に様々なスパイスとハーブを混ぜ合わせた調味料ですよ。

これ一つで十分美味しくなるので、重宝します」


そう言って、小皿にちょっとシーズニングスパイスを振って、料理人に渡した。

料理人がペロッと一口舐めてみると、


「ん、確かにアキト様の言うとおり、単なる塩味だけじゃなくて、スパイスやハーブの味もする、これは便利な調味料ですね」


「あと、貝類には仕上げにこれをかけるつもりなので、先に味見をしておきますか?」


次に料理人に渡したのは、醤油である。

貝といったら、やっぱ最後に醤油をちょろりである。


「この黒い液体ですか。

単なる塩味だけじゃなくて、独特の風味と味わいがありますね。

ここより遠く離れた国に魚醤という調味料があって、それを少し頂いたことがありますが、それに少し似ていますね。

ただ、あれは匂いがきつくて好まない人が多いのですが、こちらの方が万人受けしそうですね」


へぇ、魚醤は異世界にも存在をするのか。

ちょっと、いつかこっちの魚醤も味わってみたいものだ。


さて、味付けした魚やいか、エビと貝類をコンロに並べる。

実際の調理工程なんて、味付けと焼くだけのシンプルなものだ。


それと、もう1つ。

アイテムボックスから、おせんべいなどを入れて売られている四角いブリキ缶を出して、そこに貝やエビを入れていく。

そうしたら、日本酒をたっぷりかけて、蓋をしてコンロの上にのせておく。


「アキト様、それは貝やエビをその箱の中で、酒を使って蒸し上げる料理ですか?」


「えぇ、ガンガン焼きって言って、豪快に見えるけど、貝とか柔らかく仕上がって、普通に焼くだけとは違った味わいになりますよ」


料理人さんに日本酒を少しグラスに注いで渡すと、それを呑んで驚いていた。

まぁ、俺のスキルで魔力さえあればいくらでも出せるから、ちょっと良い料理で使うには勿体ない日本酒だしな。


さて、ガンガン焼きを準備している間に貝類もいい感じになって来た。

ここにさっき用意をした、醤油をちょろりとかける。

うん、いい感じ醤油の匂いが香ってきた。



バーベキューもそろそろ完成するので、アナベラさんに頼んで、ジェフリー達を呼んできて貰った。


「皆、お腹が空いたでしょう。ここにあるのは、どれもオススメだから、食べたいのを取り分けるよ」


そう言うと、皆がコンロの周りに集まって、あれこれと注文が入った。

皆にあれこれと取り分けてあげると、海で遊んで本当にお腹が空いていたのだろう。

皆、ガッツリと食べ始めた。

異世界の素材と地球の調味料とのマリアージュだったが、皆どんどん美味しそうに食べているので、成功だったのだろう。

うん、ダキニよ。早く食べたいのは分かるが、エビの殻はむいてから食べてくれ。


さて、俺も大きなはまぐりに似た貝を一つ食べてみる。

うん、旨みたっぷりで風味も良い。醤油とも相性抜群だな。

これは飲まないわけにはいかない。

日本酒を出して、一杯くいっといく。

はぁ、美味い。やっぱ海鮮には日本酒だよな。


そんなことを始めていたら、ジェフリーが自分にも寄越せって顔をしていた。

ジェフリーにも日本酒を、女性陣にも軽めのお酒を用意した。

あ、リリスちゃんには、勿論ジュースをあげましたよ。


浜辺での海鮮バーベキューを皆で思いっきり堪能することが出来た。


水着回の後は飯回だ!

そして、これを書き上げた後、自分で飯テロされて海鮮居酒屋へGOしちゃったw

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 63話で火の魔術のスキル取ってなかったっけ?
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