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エルフの里がある森の前で

まぁ、転移をしたからと言って、一気にエルフの里へ行けるわけではないけどさ。


とりあえず、王都の外へは転移で出てしまったので、ここからは地図を見ながら、縮地を繰り返して、エルフの里を目指して行く。


いくつかの街を超えると、地図なんかよりも巨大な樹が見えてきたので、それを目指して縮地を繰り返している。

こりゃ、遠くでも目立っているわ。

しかも、地球みたいに高層ビルが立っているわけじゃないから、余計に目立つ。

昔の東京タワーもこんな感じだったのだろうな。


というわけで、世界樹のある森の手前まで来た。

この森の中にエルフの里があるはずだ。

さて、それじゃ、一度学園に戻りますか。

ちなみに、ちゃんと魔力回復用として、目立たない場所も確保しているから、そこ経由で転移して学園に戻っていく。


魔術学園の教室に戻ってくると、もう誰もいなかった。

思ったよりも時間がかかっているから、寮に帰ってしまったのかと思ったら、置き手紙があり、食堂でお茶をしているから帰ってきたら食堂に来てと書かれていた。

仕方ないので、食堂へ向かった。


「おぉ、アキトお帰り。首尾は上々か?」


ジェフリーがお茶を飲みながら、声をかけてきた。

他のSクラスの友人達も一緒にいる。


「まぁ、大丈夫だけど、多分世界樹だと思う大きな樹が見えたから、間違いないはず。

念の為、ユーリアにも確認をお願いしたいのだけど、今から良いかな?」


「あの、それは構わないのですが、本当にエルフの里がある森まで行って来たのですか?

いや、先ほど教室で消えてしまったのを目にしましたし、ダキニさんから転移の話も聞きましたけど、本当にエルフの里まで今から行けるのでしょうか?」


「大丈夫だよ。まぁ、一発では魔力が持たないから、途中でいくつか休憩を入れるけど、それでも寮の門限には間に合うはずだよ」


「ユーリア気をつけるのだ。

前に私と転移したときには、帰りの転移のことを忘れて、寮の門限を過ぎて怒られてしまったのだ」


ダキニが初めてナスカのダンジョンへ連れていった時の話をしている。

いや、あれはダキニが楽しそうに獣化を繰り返して模擬戦をしていたのも原因の一つだと思うぞ。


「あの、アキトさん本当に大丈夫ですか?」


「大丈夫だよ。今回はそこがエルフの里がある森か確認しておくだけで、実際にエルフの里に入らないで、すぐに帰ってくれば良いでしょ。

それとも、ユーリアがエルフの里に用事があるなら、それはそれで構わないけど」


「里長への報告はありますが、それは長期休みに入ってからなので、今のところは大丈夫です」


「じゃあ、ちょっと確認の為に頼むよ」


ユーリアの手を掴んで転移をしようとすると、


「あ、僕達はもう解散してしまうから、ユーリアをちゃんと寮まで送ってくれよ」


「はいよ。じゃあ行ってくるわ。”転移”」




「間違いないです。ここがエルフの里がある森です。本当にこんな短時間で来てしまうとは」


「いやぁ、間違ってなくて良かったよ。

じゃあ、長期休みが始まったら、一度ユーリアはここに送って、数日したら迎えに来るから、ジェフリーの言っていた海沿いの街に行こうか」


「えぇ、それで良いですわ。本当に楽しみです。

ただ、良いのですか、多分私のこの行動を見れば、アキト様の能力がおおやけになってしまいますわよ」


「まぁ、別に公言していくつもりはないけど、せっかくの能力を隠して利用しないなんてことはしたくないから。

それに、俺がお世話になっているブレアフル辺境伯にも王家や王国関係者への口止めはしていない。

その辺は、信頼感かな。ユーリアや他のSクラスの友人達になら、教えてしまっても問題ないと思っているから」


「そういうことなのですね。

それでしたら、私もアキトさんの信頼に応えるべく気をつけますわ」


「その辺の判断は任せるし、そこから変な連中にバレてもなんとかするさ。

さて、そろそろ学園に戻ろうか?」


「はい。帰りもよろしくお願いします」


魔術学園に戻るために、ユーリアの手を握ると声が聞こえてきた。


「あぁーーー、ユーリア姉だ!」


声が聞こえた方を向くと、森の中から、ユーリアによく似た子どものエルフが走って来た。

さらに、その後ろには、こちらもユーリアに似た少し大人びた女性のエルフがゆっくりと歩きながら出来てきた。


「あ、あれは・・・」


うん、やはりユーリアの知り合いだろうか。

というか、これだけ似ていれば家族なのだろうな。走って来ている子供が妹で、後ろから来るのはお姉さんかな。

そんなことを考えていると、子供のエルフがユーリアに抱きついた。


「ユーリア姉。お帰りなさいです。どうして、ここにいるの?

あ、しかも男の人と手を繋いでいるよ。ユーリア姉の彼氏さんですか?」


そう言われて、お互いにパッと手を離した。

別に転移をする為に手を繋いでいただけで、意識をしていたわけではないが、言われると照れてしまう。


「リリス、これは全然全く違うのですよ。たまたま、手を繋いでいただけで、この人は単なる同級生で友人なのですよ」


うん、別に事実なんだけどさ。

そこまで、きっぱりと否定をしなくても良いのではないのだろうか。

ちょっと寂しくなってくる。


「こらこら、リリス。ダメですよ。

これから、仲を詰めて行く関係かもしれないのですから、焦らせてしまってはいけませんよ」


そう言って、ユーリアの少し歳上の女性がこちらに近づいて来た。

うん、ユーリアが本当に混乱をしてしまっているようだった。


「ユーリア。多分、ご家族の方だよね。紹介をして貰えるかな?」


この場はユーリアに収めて貰えないと話が進まないので、声をかけて正気に戻す。


「アキトさん、失礼しました。

えっと、まずこの子がリリス。私の妹です。

それに、こっちが母のローザです」


おぅ、妹さんは合っていたが、後から来た女性は母親か。

そういえば、エルフは長寿である程度の大人に成長をしたら、その後はほとんど老化が進まないらしい。

それを考えると、母親が姉のような見た目でもおかしくないな。

地球の美魔女もびっくりだ。


「はじめまして、ユーリアと同じ魔術学園のSクラスに所属しているアキトと申します。

よろしくお願いしいます」


「こんにちは。ユーリア姉の妹のリリスです。

アキト兄はどうして、ここにいるのですか?

やっぱり、愛の逃避行ってやつなのですか?」


うん、俺は君のお兄さんじゃないから、それに逃避行もしないからさ。


「ほら、リリス。ダメだって言っているでしょ。

あんまり、周りが突きすぎると、本当のお義兄さんになってくれないかもしれないわよ」


うん、全くそういう考えはまだないので、本当に止めて欲しいです。

ユーリアなんて、顔を真っ赤にしてフリーズをしてしまっている。


「はじめまして、アキトさん。ユーリアの母のローザ・ルサールカと申します。

いつも、娘がお世話になっていますね。

それで、魔術学園の長期休みにはもう少し時間があると思っていたけど、どうして2人はここにいるのですか?」


まぁ、ユーリアの家族にならば、話をしても良いだろう。

それに、転移について、スキルとしての存在は確認されている。

ただ、非常に数が少ないという類いの魔法であるってだけだ。

勿論、ユーリアを正気に戻して、会話に参加させた。


「あらら、転移持ちなんて本当に珍しいスキルを持っていらっしゃるのね。

でも、良いわね。長期休みに旅行なんて、私が学園に通っていた時なんて、そんなこと出来なかったわ」


「良いな良いな。リリスも行きたーい」


そんな話をしていたら、そろそろ寮の門限を考えると帰らないといけない時間になって来た。


「すいません。そろそろ時間なので、今日のところはここでおいとまさせて頂きます。

また、長期休みになりましたら、必ずユーリアをここまで送り届けますから」


「リリスに母さん。長期休みになったらまた来るから、行ってくるね」


「ユーリアもアキトさんも気をつけて。

長期休みのときには、是非アキトさんもエルフの里に寄って行ってください。

里長の許可は私の方で押さえて起きますので」


「ユーリア姉、アキト兄またね。今度はエルフの里で遊ぼうね。」


帰り際、こんなことを言われてしまった。これは、エルフの里へ行くのは確定かな。

そんなこんなで無事に魔術学園へ帰って来た。

ちなみに、今回は間違いなく、寮の門限に間に合った。前のときとは違うのだよ。


ユーリアの家族参上。

父母姉妹の4人家族です。

姉は一時的な留学扱いですが、父は学園長なのでほぼ単身赴任扱いです。

まぁ、長寿のエルフなので、ちょっと長めの出張って感覚です。


注:ユーリアの母親の名前が他のキャラと同一なのに気がついて、ローザへと変更されました。

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