表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/106

長期休みの予定

「はぁ、ダキニ、流石に絞め殺されそうだったぞ」


「すまないのだ。でも、獣化の制御が出来るようになって、本当に嬉しかったのだ!

後は九尾に至る方法を探すだけなのだ!」


「まぁ、その気持ちは分かるけどさ。

そう言えば、獣化の制御を探していた時に、九尾に至る過程を見つけたぞ」


ダキニに獣化のスキルを鑑定して分かった、九尾に至る方法を教えた。

獣化の制御が出来るようになった、ダキニならば、きっと九尾に至ることが出来るだろう。


「それで、九尾になるのかぁ。よし、獣化の制御も出来るようになったから、学園の授業でも出来るだけ使っていくのだ!」


「うん、ダキニなら、きっと九尾まで到達することが出来るから頑張って」


「あの、アキトにお願いがあるのだ。

アキトがここで訓練するときで良いので、私も一緒にここで訓練をさせて欲しいのだ。

ここなら、魔力の回復が早いので、獣化をしてもすぐに回復して、また獣化を繰り返すことが出来るのだ。

そうすれば、九尾に至るまでの時間を短くすることが出来ると思うのだ」


「そういうことか。それならば、全然大丈夫だよ。

ここは王都から離れたナスカって街の近くだから、ダンジョンだから俺と一緒に転移じゃないと中々来られないから、その時に一緒に来よう」


「やったのだ。アキトのおかげで、きっと九尾に至るのだ。

じゃあ、早速また獣化での模擬戦を頼むのだ」


こうして、寮の門限ギリギリまで、ダキニとの模擬戦を繰り返した。

そう、転移一発で帰れないことをすっかり忘れていて、途中の魔力回復の時間もあって、寮の門限を過ぎてしまい、それぞれの寮の管理人に起こられてしまった。




「アキトは、長期休みの期間はどうするつもりなんだい?」


授業終わりに、王子様のジェフリーからそんなことを聞かれた。

魔術学園には、年に2回の長期休みが存在する。

学園の寮自体は空いているし、学園の施設も空いているので、学園に残る生徒も多いようだ。


「そうだなぁ。ナスカに冒険者で知り合った友人やお世話になった人達がいるので、その人達に会いにでもいこうかな」


「そうかぁ、ナスカじゃ往復を考えたら、長期休みのほとんどを使ってしまうな」


ジェフリーが、残念そうな顔をしている。


「ジェフリーには、話をしていただろ。俺の能力についてもさ」


「あぁ、そういえば転移の能力もあるのか。

もしかして、ナスカまで転移で移動できるのか?」


「流石に一発では難しいけど、魔力を回復させながら数十分で移動できるぞ。

実際にたまに、ナスカへ行っていて、そのダンジョンの奥深くでジャンヌ達と模擬戦をしている」


「あ、たまに放課後いないことが多いと思ったら、そんなことをしていたのか。

それならば、別に長期休みの時期にナスカへ行かなくても良いのではないか?」


「俺の能力を知っている人は流石に限られているから、学園が長期休みじゃない時にナスカでブラブラしていたら、何も知らない人からは不自然だろ?」


「それはそうだよな。うーむ、ではどうしようかな」


「どうしたんだ。何か予定を考えていたのか?」


「いやなに、前に海に面した地域に行こうと話をしていただろ。

今度の長期休みにSクラスの面々と一緒に行けたらと思っていたのだよ」


「良いじゃないか、海で取れた海鮮や海水浴も楽しめそうだ。俺は参加したい。」


「でも、良いのかい。ナスカに行かなくても?」


「別にその海の近くの街にから転移でナスカに移動すれば良いさ。

ナスカで少し過ごしたら、またその街に帰って来るからさ」


「そうか!じゃあ、一緒に行こうじゃないか」


「あぁ、楽しみにしているよ。俺以外の皆は参加できそうなのか?」


「それは、今から確認をするところだ」


「じゃあ、俺も一緒に確認に行こう」


ちょうど、女子3人組が教室で話をしていたので、ジェフリーが声をかける。


「皆、ちょっと、良いかな?」


「あら、ジェフリーさんにアキトさん。どうかなさいましたか?」


ユーリアが反応をしてくれた。


「実は、アキトは既に誘ったのだけど、今度の長期休みに海沿いの街へ行こうかって思っていて、もし良ければSクラスの皆で行けたらと思っているのだが、皆はどうだろうか?」


「アキトも行くのか?だったら、私は参加するのだ!

今回は国へは戻らないで、獣化での訓練を繰り返すつもりだったのだ。

アキトが一緒なら、道中も訓練が出来るかもしれないのだ」


獣化が制御できて、しかも獣化を使えば使うほど九尾に近づくと知ったダキニはすっかり戦闘狂のような模擬戦漬けの毎日になっている。

まぁ、とにかくダキニは参加が決定した。


「あの、私も参加はしたいのですが、正直、あまり金銭的な余裕がないのです。

それに、長期休みの期間は冒険者の活動をしてお金を稼ぎたいので」


あら、シーラは不参加になってしまうのか。


「じゃあ、長期休みの前に俺と一緒に冒険者の依頼を受けて、一気に稼がないか?

そうすれば、一緒に海にも行けるんじゃないか?」


「アキトさんと冒険者の活動をすれば、一気に稼げるのは分かりますが、そこまで甘えて良いのでしょうか?」


「俺が良いって言っているんだから、良いんだよ。だから、一緒に海にいかないか?」


「分かりました。それでは、よろしくお願いします」


「シーラにアキト!冒険者で活動する時は私も一緒に参加したいのだ!」


シーラも無事に参加決定。

ついでに、シーラとの冒険者活動にダキニも参加することが決まったようだ。


最後に、ユーリアだが、


「ジェフリーさん、申し訳ありません。

私も皆さんと一緒に参加をしたいのですけど、長期休みの間に、エルフの里へ里帰りをしなければならないので、今回の参加は見送らせてください」


ありゃ、ユーリアは参加が厳しいようだ。

でも、せっかくならユーリアにも参加をして欲しいな。


「それって、エルフの里で何かしないといけないことがあるの?」


「いえ、里長に学業の進捗状況等をお伝えしなければいけないだけなのですが、距離が遠いので、往復の時間だけで長期休みの大半を使ってしまいますの」


「なるほど、そういうことだったら、俺に任せてくれたら、なんとかなると思うぞ」


「え?どういう意味ですか?」


ユーリアは戸惑っているが、ここは一気に解決してしまおう。


「ジェフリー、この国の地図って学園にあるかな?可能な限り、正確な奴」


「たく、正確な地図は軍事物資の一つで取り扱いが厳重なんだぞ。

まぁ、私の立場を使えば、学園にある正確な地図を持って来ることは可能だろう。

ちょっと待っていろよ」


そう言って、ジェフリーは部屋を出ていった。


「ユーリア、エルフの里って何か目印のようなものはあるか?」


「えっと、里は森の中にあって、エルフ以外の者を排除するような結界が張られています。

ただ、エルフの里には必ず世界樹の樹という、特別な樹があって、それは森の他の木々よりも一際大きく、ひと目見れば分かるかと思います」


ふむ、じゃあその世界樹っていうのを目印にすれば良いわけだな。


「あの、アキトさんはいったい何をしようとしているのですか?

全く想像ができないのに、何か恐ろしいことが起こりそうで少し怖いのですが」


ユーリアが少し心配そうにしている。すると、


「ユーリア、大丈夫なのだ。アキトに任せれば全て解決してしまうのだ」


「ユーリアさん大丈夫です。アキトさんは非常識な方法ではありますが、きっと解決してくれますよ」


ダキニとシーラがユーリアを安心させようとする。

しかし、シーラよ。非常識な方法って何だよ。普通に俺の持っているスキルだぞ。


そんなこんなで、ジェフリーが地図を持って帰って来た。

それをテーブルに広げる。


「ユーリア、エルフの里ってどの辺りか分かるか?」


「えっと、この街道を通って、この街を経由して来ましたから、ここですね。

この辺りの森の中にあります。森まで入ればすぐのところにあります」


「うん、分かった。じゃあ森の手前までいけば良いかな。

ジェフリー、ちょっとの間、この地図を借りてくから、よろしく。」


「おぅ、流石に無くされたり破損されたりすると僕の立場が厳しくなるから注意してくれよ」


「分かったよ。じゃあちょっくら行ってくる。”転移”」


さて、一度エルフの里へ行って来ますか。


ダキニ編は今回の前半部分でひとまず。

ユーリアについては、長期休み編に絡めてかな。

ジェフリーは、結構出てるから、適当にwww

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ