Gランク冒険者との食事会
そんなこんなで、スキル創造をタブレットで確認をしていたら、もう良い時間ではないですか。
夕食を頂きに、ギルド併設の酒場へ行くと既にGランクの人達はパーティごとに集まって、食事を始めています。
これは、ぼっち飯確定っぽいですね。
まぁ、異世界にぼっちで来たんですから仕方ありませんし、元々地球でもぼっち気味だったので、何も問題ありません。
酒場のカウンター越しにいる女性にギルドカードを見せながら話しかけます。
「すいません。今日からGランクで冒険者に登録したのですが、夕飯を頂けますか?」
「はいはい。あんたがアキトだね。話は聞いてるけど、中々に可愛い坊やじゃないか。私はここの酒場を仕切ってる、ローラってもんだよ。今、準備するから、そこで待ってな。」
そう言って、女性ことローラさんは食事の準備をしてくれます。
酒場の主人ってよりも、食堂のおばちゃんって貫禄があります
実際に酒場って言われ方してますが、実情は食堂を兼ねているのでしょうね。
「ほら、あんたはまだまだ身体が出来上がる前だからね、少し多めにしておいたから、しっかり食べるんだよ」
そう言って、山盛りのシチューとサラダ、それに大きな黒いパンがのったトレイを渡されました。
「ありがとうございます。」
受け取ったトレイを持って、他のGランクの人達とは離れた場所で食べようと移動してると
「おーい、あなた今日Gランクになった人だよね。一緒に夕飯を食べようよ」
と大きな声をかけられました。
そちらに目を向けると、猫耳と猫しっぽが特徴的な可愛らしい女の子が手を振っています。
「あの、自分で合ってますか?」
正直、可愛い子に声をかけられるなんて、地球でも経験がないので、戸惑ってしまいます。
「勿論、ほらあたしの隣の席が空いてるから、おいでおいで」
その子の周りを見てみると、他に男の子が2人、女の子が1人いますが、一緒で大丈夫なのでしょうか?
まぁ、このままだと目立ってしまうので、そちらの方へ近づきます。
「あの、他の皆様はご一緒でも大丈夫なのですか?」
指定された席にトレイを置きながらも他の人達に確認をとる。
「えぇ、こいつがこんな感じの時は絶対に折れないので、僕らも諦めてますよ。」
猫耳少女の目の前に座る、犬耳の男の子が答えてくれた。
「あ、ケイトそんなこと言うんだ。まるで、あたしが悪いみたいじゃない。」
「いや、お前が悪いだろ。その人だって一人で夕飯を食べたかったかもしれないのに、あんな大きな声をかけて」
と、そんな感じで2人は、肝心の自分を置いておいて、言い合いを始めてしまった。
同じテーブルについている、犬耳の男の子の隣に座る身体が大きい熊耳の男の子はあたふたしながら、2人を止めようとしているが、止められないでいる。
もう一人、猫耳少女の自分と反対側に座っている、うさぎ耳の少女は我関せずって感じで食事を続けている。
自分もせっかくのシチューが冷める前に食事を始めたいので、ここは自分が納めることにしよう。
「あの、ご一緒に食事しますので、ここ座ってもいいですかね?」
「どうぞどうぞ、こっちが誘ったんだし。ほら、一緒に食事してくれるじゃん」
猫耳少女は犬耳少年にドヤ顔で胸を張っていた。
「すいません。気を使って貰って、どうぞ騒がしい席ですがお座りください」
犬耳少年が疲れた顔で答えてくれた。
猫耳少女の隣に座ると、早速食事をしたいので、
「あの、皆さんも食事の最中でしたし、自分もシチューが冷める前に頂きたいので、食事が終わったら、改めて自己紹介をさせて頂いても良いですかね?」
「ええ、それで構いません。アンナも良いよな。」
犬耳少年が答えてくれて、
「は~い」
と猫耳少女は食事を再開していた
では、自分も
「いただきます」
まずは、シチューだが多少バタバタしていたが、まだまだ温かくて美味い。
地球の本格的なビーフシチューとは違うが、肉と野菜のうまみが溶け出して深いコクを感じさせる。
ごろっと大きな肉が入っているが、一体何の肉なのだろうか。
街中の串焼きがオークの肉だったから、この肉も魔物の類いの肉なのだろうか?
サラダのドレッシングはシンプルに油と酢と塩って感じだが、野菜の味が濃いからだろうか、シンプルな味付けで十分に美味い。
黒いパンは正直そのままでは固くて食べにくいのだが、シチューにつけて柔らかくして食べるとシチューの味をよく吸って、非常に美味なパンになった。
こうやって食べるのが正解のパンなんだな。
「ごちそうさまでした」
しっかりと食事を食べ終えると、皆も食べ終わったのでのんびりとしていた。
「それじゃ、自己紹介をしましょう!
まずはあたしから、名前はアンナ!ここの皆と同じ村出身で、皆で冒険者になろうって出てきたの!
一応、魔術系のスキルを持っていて、火の魔術なら初級くらいなら、扱えるんだよ。」
猫耳少女が元気に自己紹介をしてくれた。
そういえば、異世界に来て魔術が使えるって人に初めて会ったな。
魔術関係はスキル創造で必要な魔力量がどれもが高いからな。
是非、魔術について教えて貰いたいな。
「こら、冒険者は安易にスキルのことを教えちゃいけないって言われているだろ」
犬耳少年がアンナ嬢に注意をしてる。
なるほど、冒険者のスキルはそのまま商売道具だからな。
手持ちの手段をおおっぴらにし過ぎない方が良いわけだ。
「えぇ~、別に戦闘になればわかることだし良いじゃん。」
「はぁ、本当に気をつけてくれよ。
それでは改めて。僕は、ケイトと言います。主に剣や槍を使った戦闘をしています」
犬耳少年が自己紹介をした。
続いて、熊耳の少年が
「お、おいらはウォルフって言うんだな。
力は皆よりは強いと思うから、盾とかで皆を守りたいんだな。」
大きな身体でオドオドしながら、話をしてくれた。
最後のうさぎ耳の少女は
「私はフィデス。回復魔法が得意、以上」
この子は、人馴れしていないようで、ぶっきらぼうに話をしていた。
「では、こちらも、自分はアキトと言います。
皆さんみたいに、特に何かが得意ってものがあるわけではないですが、体力には少々自信があります。
そういえば、皆さん先ほど得意分野をおっしゃってましたが、ギルドで訓練を受ける前に何かをやっていたのですか?」
「そうですね。僕たち全員がそれぞれ大人になったら村を出て生活をする必要があったので、昔から冒険者を目指そうと話をしていました。
それで、僕とウォルフは村の猟師で元冒険者の人に訓練をしてもらって、アンナは村にたまに訪れる親戚の魔術師から、フィデスは村の教会のシスターからそれぞれ指導を受けていました。」
「へぇ~、でも今日は皆さん剣術の指導を受けていましたね。それぞれの分野で訓練とかないのですか?」
「それはね。Gランクの訓練は冒険者でも基礎中の基礎、主に自分の身を守る為の護身術的な近接戦闘や魔物に関する知識等々、様々な武器の扱いとかがメインなんだって。
一応、魔術を教えてくれる人もいたんだけど、この前亡くなってしまったらしいから、あたしなんかは、あんまり意味ないんだよね~」
なるほど、自分は途中からの参加だったから、そういう部分ははぶかれてしまったんだな。
しかし、魔術に関してはタイミングが悪いこと・・・
スキル創造のリストには色んな魔術関連のスキルも多いのに、しばらくはお蔵入りかもな。
ここはまずは剣術系のスキルを狙っていくしかないな。
そんなことを考えつつ、皆と雑談をしてから解散となった。
短編のアクセス数がバク上がりでビビっていますw
悪役令嬢に転生したので、国外追放回避の為ヒロインに優しく接したいが、ヒロインが鈍臭くてボケボケなので厳しく接してツッコミまくっていたら、案の定卒業パーティーで婚約者である王子から断罪されている最中です
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こっちも、短編ぐらい色んな人に読んで頂けるように頑張ります。
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