表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/106

属性魔術の授業、実技編

ジェフリーと飲み会から数日が経った。


まぁ、酒というか地球の商品を売る店を作れば良いんだろうけど、そもそも店の構え方が分からなければ、俺が毎回商品を納品する手間を省く方法も分からない。

とりあえずは、俺が卒業までに店を構えれば良いのだから、急ぐ必要もないだろう。


さて、今日は属性魔術の実技の授業の日だ。

うん、しっかりダンジョン最奥で予習復習したから大丈夫だろう。

予習復習というか、あれはもう授業と関係ないと思うが・・・


属性魔術の授業はほとんどの新入生が受けているので、実技に関しては全員一緒におこなうのは厳しく、クラス毎に分けられている。

Sクラスは5人しかいないので、Aクラスと合同の授業になる。


「さて、これからSクラスとAクラスの属性魔術の実技の授業を始める。

君達は上位のクラスなので、既に属性魔術を使える生徒が多いと思うが、その中でも基礎を今一度確認をして、さらに精度を高めることに力点を置いて欲しい。

それと、逆に属性魔術が出来ない生徒は、しっかりと挑戦をしてみましょう。

最終的に属性魔術の適性がない人もいますが、授業で属性魔術を使う相手と相対することで、学ぶことも多いと思う。

はっきりと言っておく。属性魔術が使えようが使えまいが、この魔術学園にSやAで入学出来ているならば、魔術や魔力の扱いでかなりの可能性を持っているはずだ。

属性魔術だけで自分の評価を決めつけないようにしなさい。

よく勘違いをする新入生が多いですが、魔術学園は属性魔術だけではなく、幅広く魔術・魔力を扱うことを学んでいく学園です。

属性魔術をメインで扱う者を魔術士と呼んでいるので、このような勘違いがなされますが、身体強化の魔術の使い手や回復魔術の使い手、ダンジョン等で探索系魔術を専門とする者、他にも様々な魔術を扱う者達を全てひっくるめて、広義の意味で魔術士と呼びます。

そんな広義の意味での魔術士を育てるのが魔術学園ということを忘れないで頂きたい。

話はそれましたが、それでは実際に属性魔術の実技に入る」


属性魔術の担当をしているゲルトさんが訓練場で実技に入る前に説明があった。

そういえば、同じ様な説明をナスカのブレアフル邸でエクベルトさんからされたな。

俺も魔術士っていえば、属性魔術で遠距離からバンバン魔術を放つイメージがあった。

そういう意味では、元々身体強化や武器強化を使って魔物を狩っていた俺も魔術士の1人なんだよな。


「それでは、属性魔術が使えるものと、まだ使えないものに別れてもらう。

使えるものは私のところに、使えないものはビアンカ先生のところに集まるように」


すると、Aクラスの中から10人程の生徒がSクラス担任のビアンカ先生のところへ移動した。

Sクラスからは誰もビアンカ先生のところへ誰も行っていません。

いやぁ、自主練していて良かった。

ゲルトさんが、別に属性魔術だけが全てじゃないと言ってくれていても、流石に1人であちらへ行くのは悲しいからね。


「おい、アキト。

お前、試験の時には属性魔術を使っていなかったはずだけど、そっちで大丈夫か?」


ビアンカ先生がゲルトさんの方へ行こうとしていた自分に声をかけてくれる。


「はい、前回の属性魔術の授業のあとに自主練をして発現させられるようになりましたから」


「そうか。でもそっちで厳しいと思ったら、いつでもこっちに来て良いからな。

ちゃんと私がキッチリと教えてやるからさ」


うん、言葉使いは少し荒っぽいがビアンカ先生も良い先生だな。


他のSクラスの皆とゲルトさんのところに集まった。

Aクラスからは10人はいるようだから、Aクラスは合計20人程度のクラス編成なのだろう。


「さて、既に属性魔術を使える君達には、あの的に向かって魔術を放って貰います。

放出系が苦手な者も全員挑戦をしてみましょう。

属性魔術は遠距離からの攻撃を求められることも多いので、頑張ってみましょう」


順番に的に向けて、属性魔術を放っていく。

やっていることは、クラス分け試験で魔導人形に魔術を当てるのを属性魔術に限定している感じだね。

魔導人形が的に変わってしまったのは、俺が破壊をしてしまったからだろうか・・・

それでも、あの的もかなり頑丈に出来ているので、誰も壊したり出来ていないから、対策が施されたんだろうな。


そして、それぞれが魔術を放っていく中で、ゲルトさんが生徒に個別でアドバイスをしている。

この魔術ならこうイメージをした方が良いとか、自分の得意属性とは違う属性魔術を使う生徒に対しても事細かにアドバイスを送っている。

流石に属性魔術の担当をしているだけあって、その知識の幅も広いのであろう。

ゲルトさんが得意な火や土の魔術を使った生徒には、その場で実演を見せたりもしている。



順番待ちをしながら見ているとSクラスの番になった。


「”光よ、我が敵を貫け”」


最初はジェフリーが属性魔術を放った。

的に指を向けると、指先から光線が飛んでいき、的に当たった。

実際に貫くことは出来なかったが、かなり良い精度なのではないか?

あれが光の属性か。光の王子様。なんか響きだけでかっこいいな。



次はユーリアの番。


「”我が敵を捕らえよ”」


ユーリアが地面に手を置いたと思ったら、的の下の地面から木のつるが伸びて的を覆っている。

木の属性魔術ってああいう技も出来るのか。

属性魔術って攻撃をイメージしていたが、こういう使い方も出来るんだな。



「次は私の番なのだ!」


そう言って出てきたのはダキニだ。


「”風の刃よ。切り刻むのだ”」


ダキニが手を横に振ると風の刃が的に飛んでいった。

ウインドカッターってやつだな。



その次に出てきたのはシーラ。

じゃあ、俺がラストになるわけだ。


「”氷の礫よ。当たって”」


両手を広げたシーラから氷の粒が飛んでいった。

大きさはそれほど大きくないのだが、速度が結構ありあれは直接当たったら、かなり痛そうだ。

あまり攻撃的な感じのしないシーラなのだが、属性魔術は結構強いな。



さて、最後は自分になってしまった。

皆に注目をされているが、出来るだけ気にせずに挑戦するか。


右手を広げて、的に向ける。

使うのはスキルを獲得できた、火の魔術。

そして勿論、ダンジョン内で練習をした青い炎。

魔力を手のひらに向かわせていく。

ここで、中途半端にすると青い炎は出せないので、しっかりと密度の濃い魔力を集める。

そして、大事なのがイメージ。青い炎をちゃんとイメージして作り出す。


俺の右手の先に青い炎の球が出来た。


さらに、ここからも大事。

自主練の時に、適当に魔術を放つとゆらゆらと進んで、途中で落ちることもあった。

しっかりと、この青い炎の球が的に飛んでいくイメージをして、右手から青い炎の球を飛ばす。

結構な速度で的に飛んでいき、当たった。

すると、その的を中心に青い炎が燃え上がっていく。

うん、十分に青い炎に魔力を注ぎ込ませたので、よく燃えている。


少し時間が経って、中の魔力が尽きたのでしょうか、青い炎は消えた。

的を置いてあった土台は消えて、的が少し焦げていた。


ふぅ、まぁこんなもんでしょう。


「あ、アキト殿。まさか、青い炎を使ったのか?」


ゲルトさんが声をかけてきた。いや、見れば分かるでしょうに。


「えぇ、そうですね。自主練をしている中で使えるようになったので、試してみました。

そういえば、なんかおとぎ話になっているみたいなことは聞きましたけど・・・」


まぁ、おとぎ話に出てくるような珍しいってだけだろ?


「あれは、おとぎ話のようになっているが、実在した魔術師が使っていた技です。

そして、その魔術師は青い炎を得意として、伝説の魔術師と呼ばれる存在になった。

アキト殿は伝説の魔術師の再来だ!」


なんか、また大げさな名称がついてしまいそうな予感だ。


はい、アキト君がさらに強い存在になっていきます。

これ以上強くなってどうするのでしょう?

作者にも分かりません。(それで良いのかwww)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ