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ジェフリーと飲み会

ジェフリーがグラスの酒を飲んだ。


「おぉ、冷たいな。それに凄く美味いじゃないか」


「俺の故郷で作られている酒なんだよ。よかったらアナベラさんもどうですか?」


アナベラさんにもグラスを勧めた。


「アナベラ、せっかくだからほら、隣に座って頂いたら良いよ。」


「殿下、承知しました。失礼します」


アナベラさんがジェフリーの隣に座って、日本酒を口にすると


「これは・・・。こんなお酒が存在するんですね。非常に美味しいです」


「2人とも、気に入ってくれたようで、良かったよ。

俺の故郷の酒は、他にも色々と用意しているからさ、好きなだけ楽しんでくれよ」


数種類のおすすめ日本酒を始め、ビールやワイン、様々なお酒を並べて見ました。

すると、ジェフリーが驚いた顔をしています。


「アキト。君の故郷ってどんなところなんだい?

かろうじて、ワインの瓶は分かるけど、この銀色の鉄製の筒みたいなのは、本当に飲み物なのかい?

というか、非常に冷たいが、これの中身がお酒なのかい?」


ジェフリーが取り出したのは、アルミ缶に入ったビールです。

キンキンに冷えてやがります。


「これは、こうやって空けて飲むんだよ」


ビールを空けて、そのまま直接飲んでしまいます。


「ぷはぁ、美味い。やっぱビールはキンキンに冷えているのが美味いな。

ほら、ジェフリーも試してみろよ。中身はエールに似た奴だからさ」


「わ、分かった。アキトがそこまで美味しそうに飲んでいるなら試してみるよ」


そう言って、ジェフリーは缶ビールを空けて直接飲んでいきます。


「はぁあ、はぁ。何だこれは。こんな炭酸の強いエールは飲んだことないぞ。

それに、これだけ冷たいとこんなに味がスッキリするんだな。

暑い日だったら、何杯でも飲めそうだ」


うんうん。やっぱり、夏の暑い日に喉カラカラなところにビールを注ぎ込むのは最高なんだよな。


「しかし、アキト。お前の故郷って凄いんだな。

こんな、素晴らしい酒もあって、精巧なグラスやこの鉄のような入れ物なんかがあるとは。

是非、アキトの故郷の商品を輸入したいものだな」


ん?ジェフリーが本当に驚いている。

国王や宰相には、ブレアフル辺境伯家から俺の情報が伝わっているから、王族のジェフリーも知っていそうな気がしていたんだけど、少なくともジェフリーは本当に知らないのかもな。

チラッと、アナベラさんの顔を見たら、目が合ってそらされてしまった。

あぁ、アナベラさん貴方は知っていますね。


「ジェフリー、実はな俺って・・・」


ジェフリーに俺がこの世界に来た事情を説明した。




「へぇ、アキトが異世界人とはね。でも、それじゃこのビールも簡単に輸入できないじゃないか!」


グビグビ、銀色のやつを飲みながら、俺に迫って来ます。


「まぁ、欲しければ俺がスキルで作ってやるから、それで満足するんだな」


「そっか。そっか。アキト頼むよ。

ホント、この酒の味を知ってしまったら、中々普段の酒には戻れないな」


「確かに、俺もこのスキルを取得した当初は飯が不味かったら困ると思って用意したんだけど、この国の飯は結構美味いからな。

たまに故郷の味を楽しむこともあるけど、最近は酒を用意することの方が多いよ」


そういえば、ジョルシュさんの結婚式でもお酒を大量に用意しましたね。


「あぁ、うちの国は農業政策にも力を入れているし、冒険者が定期的に魔物を捕獲してくれるから、肉類も安定した値段で提供できている。

王都からは少し離れるが、海に面している地域もあって魚介類も豊富にあるぞ」


「へぇ、いいね。

俺の住んでいた国は海に囲まれた島国で、魚介類をよく食べていたから、こっちの国の魚介類も興味があるよ」


「よし、それじゃ魔術学園の大型休みになったら、一緒に行こうぜ!」


「あぁ、楽しみだな」


そんな風にジェフリーと楽しく過ごしていると


「しかし、アキト。君が異世界から来たって話を私にしてしまって良いのか?

僕はこれでも王族の1人だ。父上や国王陛下に詰問を受ければ素直に伝えざるを得ないぞ。

君の力は、国が全力をあげて確保に走ってもお釣りが来る能力だ。

そりゃ、1人の友人として秘密を暴露してくれたのは嬉しいが、僕はそれに応えられないかもしれないぞ」


「あぁ、そのことか。それなら大丈夫。

どうせ、俺を魔術学園に推薦したブレアフル辺境伯家から国王陛下には話が伝わっているはずさ。

そうでしょ、アナベラさん?」


すると、吟醸香の強い日本酒を楽しんでいたアナベラさんがむせてしまいました。

あら、これは申し訳ないことをしたな。


「あ、アキト様。どうしてそれを」


「いやぁ、さっきの態度でバレバレでしょ。

多分ですが、国王陛下からジェフリーの父上に連絡がいって、それをアナベラさんに伝わったと思っていましたが。」


「えぇ、アキト様のご推察の通りです。

殿下が寮での生活が決まり、私がお側付きで決まった時に直接。

殿下にもしものことがあってはいけないからということでした。」


「はぁ、じゃあ知らなかったのは僕1人だけなのか」


「別に落ち込む様なことではないだろ?」


「いやぁ、これでも結構色々と考えるんだよ。

僕の父上はそれなりに有能で、兄弟仲も良いのでほぼ間違いなく次期国王に着かれるだろう。

そうすると、僕はこの国の第一王子になるんだよ。

今までは、当たり前のように漠然とそうなるんだろうなって思っていたのだけど、段々と色々学んでいく中で、本当に自分にはそれだけの価値があるのかって悩んでいてね。

だからこそ、通常王族や貴族が通うような学園じゃなくて、個人の実力を試される魔術学園を選んだし、出来るだけ父上からの影響を排除して自分で力をつけたいと思って、学園内の護衛を排除したり、王城を出て寮生活をしたりしたんだけどな。

大事な情報が、僕には伝わっていないと思うと、ちょっと考えちゃうんだよね。

自分がまだまだなんだなって」


あれま、王子様にも結構な悩みがあるんだね。


「それってさ、ジェフリーに魔術学園の生活を楽しんでもらおうって思って伝えなかったんじゃないの?

仮にさ、ジェフリーが何もかも知っていて、それで打算とかなしで俺と友達になろうと思った?

きっと、ジェフリーのことだから、色々と無駄に考えて、仮に友達付き合いが出来たとしても、今みたいに寮で酒を飲み合う様な感じにはなってなかったんじゃないかな?」


「無駄って酷いなぁ。でも、確かにそれはあるかも。

きっと、僕が先にアキトの詳細について知ってしまっていたら、きっと国の利益を考えてとか、そういうのを優先して、こんな風に仲良くは出来なかったかもね。

じゃあ、一応父上に感謝だ。」


「おぅ、今度、俺のおすすめ酒セットを用意するからさ、それを手土産にしたら良いさ」


「ははは。でも、それこそ、この味を知った父上が君を確保しようと動くんじゃないのか?」


「あぁ、そうかもしれないな。まぁ、無理に従わせようとするなら、君の父上でも容赦はしないさ」


「それは、怖いなぁ。まぁ、そうそうアキトに手を出すとは思えないけどね。

しかし、アキトが卒業したら、この酒はなかなか手に入らないんだろうな。

これだけの酒だから、他国から人を招いた時には歓迎の品としても申し分ないと思うし、何より僕が飲めなくなったら辛いなぁ」


「うーむ、じゃあ何か考えてみようか。

いつでも手に入る状況を作れば良いんだろ?

勿論、卒業後は世界を回ろうと思っているから、自分が店を開くのは難しいだろうけど、誰か信頼できるやつに店を任せて、あとは在庫を切らさないように供給する方法か。

うん、ちょっと考えてみるけど、考えた結果、やっぱり無理ってこともあるから、期待はしすぎないでくれよ」


「あぁ、それでも考えてくれるだけ、嬉しいよ」


何故か酒のシーンが多い本作ですが、作者は普段はあまり飲まないタイプです。

たまにちょっと飲む程度です。


あ、勿論、日本では20歳未満の飲酒は法律により禁止されていますので、ご注意ください。

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