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Sクラスでの食事会

結局、Sクラスの皆で昼食を頂くことになりました。

学園内の食堂にもSクラス専用のスペースがあり、そこで頂きます。


「しかし、あの殺気は本当にやばかったのだ!

どうして、あんな殺気を人が放てるのだ?

あれなら、化け物扱いされても仕方ないのだぞ」


狐系獣人のダキニが俺に聞いてきている。

ダキニよ。お前も俺を化け物と呼ぶのか・・・


「いやぁ、あれはただ殺気を放つだけじゃなくて、魔力をしっかりと練り上げて、それを殺気に混ぜているんだよ。

俺って、こんな見かけだからさ、舐められることも多いから、そういう連中を威圧出来る方法がないかと思って、見つけ出したんだよね」


「なるほどなぁ。アキトは見た目かわいい系のお坊ちゃんな感じだから、そんな実力があるようには見えないのだ。」


おぅ、狐耳にしっぽで地球なら完全に萌キャラ扱いのダキニに言われるくらい、実力あるように見えないか。


「それよりも、アキトさん。あの練り上げた魔力の量が凄まじいです。

少なくとも、エルフの里であれだけ魔力を練り上げられる人がいるかどうか。

どうして、あれだけの魔力量があるのですか?」


エルフのユーリアは俺の魔力量が気になるようだ。

エルフは人族よりも魔力量が高くて、属性魔術に優れている者が多いと言われているので、仕方無いだろう。


「あぁ、俺は最初から魔力量が多かったわけじゃないんだよ。

ただ、魔力量は多くなかったけど、魔力回復量がかなり高かったみたいで、しょっちゅう魔力を使うようにしていたんだよ。

それで意識しながら魔力を使って、そのうち剣術とかの近接戦闘を鍛えてくれる師匠に会うことが出来て、そこでもより魔力を使ってしょっちゅう身体強化を使っていたから、魔力量も増えていったんだよ」


「なるほど、エルフは属性魔術が得意で近接戦闘はあまり得意じゃないので、身体強化はそれこそ弓を使う一部の者が使用する程度ですわ。

それだけ魔力を練り上げられるようになるならば、私も取得を目指してみようかしら」


「どうだろうな。俺はまだまだ属性魔術について、ほとんど知らないので、この魔力を練り上げる技法がどれだけ有効かはわからないんだよな」


「あれだけ、魔力量を練り上げられれば属性魔術の威力も間違いなく上がりますわ。

アキトさんが属性魔術まで極めたら、どんな存在になるのか・・・

楽しみですが、ちょっと怖いですわ」


怖いですか・・・

基本的に、敵対さえしなければ人畜無害だと思っているんですけね。

まぁ、学園初日から王子様の護衛をボコボコにしてしまったので、人畜無害は言い過ぎか。


「はぁ、流石に魔術学園の食堂ですね。どれもこれも美味しいのです。

魔術学園で学べるようになって本当に良かったです」


孤児院出身のシーラは美味しそうに食事を食べています。

確かに、魔術学園の食事は生徒の健康を考えながらバランスが良いメニューで、その中でも味はしっかりと美味しい。


「シーラは美味しそうに食事をするね」


「あぁ、ジェフリー殿下すいません。

1人でパクパクと食事をしてしまって」


「気にしないで食べて良いよ。

それに殿下なんか付けずに、気軽にジェフリーって呼んでほしいな」


「いえいえ、私は孤児院出身の平民でも最下層ですよ。

というか、何も考えずに同じ席で食事をしてしまっていました。申し訳ありません」


「シーラ、本当にそういうのは止めてください。

魔術学園では平民も王族も関係ありません。

せっかくここで一緒に学ぶ者同士なので、個人として仲良くなっていきたいので、お願いします」


そう言って、ジェフリーは頭を下げていました。


「わ、分かりました。じゃあ、ジェフリーさんと呼びます。

だから、どうか頭を上げてください。お願いします」


「はい、シーラ。これからよろしくお願いしますね」


頭をあげた顔は、ちょっと悪い顔の笑顔をしていました。

いやぁ、魔術学園を楽しむ為には何でもする気ですね。


「ユーリアとダキニも、これからよろしくね。」


「分かりました。ジェフリーさん」


「任せてなのだ。ジェフリー!」


2人はすんなりとジェフリーと仲良くなれそうですね。

そんな感じで、5人で親交を深めていきました。




そうやって、皆で楽しんでいると、数人の男達が近づいて来ました。


「ジェフリー殿下、こんなところにおりましたか。

是非、私共と食事を致しませんか?」


そんな風に声をかけてきたのは、豪華な衣装を身にまとった、小太りの男だった。


「はぁ、マルコ殿じゃないか。

私は同じSクラスの友人達と親交を深めている最中なので、マルコ殿とはまた今度でな。

マルコ殿も同じクラスの者と親交を深めたらどうだろうか?」


おぉ、俺らにはフランクに接していたが、どうにもこのマルコという人物には距離感を感じる。


「殿下、見たところ、その者らは平民ではないでしょうか?

いけませんぞ。殿下はこれからの王国を背負って行くお方。

そんな平民共と交流を深めるよりも、貴族としっかりと交流していくことが殿下の為ですぞ。

ここにいるのは、私と志を共にする、国のために魔術学園で力を蓄えようとする者達です。

そんな、何処の骨とも分からん者と一緒にいるよりも、有意義な時間を過ごせますでしょう」


「マルコ殿。私はわたしの意思で、この友人達と一緒に過ごしているのだ。

それを馬鹿にするのは止めて頂こう」


「しかし、殿下。私は殿下の為を思って・・・」


こいつ、しつこいぞ。ジェフリーが嫌がっているのがわかんないのかね。


「おい、そこのマルコさんだっけ、ジェフリーが嫌がってるの気が付かないの?

少なくとも、今日のところは俺たちと飯を食っているんだから、あんたが引きなよ」


「貴様、ジェフリー殿下を呼び捨てにするなんて、不敬罪だぞ!

ジェフリー殿下は国王陛下の第一王子の御長男だぞ。この国を将来背負って立つお方だぞ。」


「そんなこと知っているよ。ジェフリーから直接自己紹介されているしな。

その上で、ジェフリーが自らジェフリーと呼んでくれって言ってるんだから良いんだよ。

それより、あんたこそ何者だよ。俺らが楽しんでるところに割って入って来てさ」


「貴様、聞いて驚くな。

私は、エルトリア王国のその創設された時代から国を支えてきた、グローマン侯爵家の次男、マルコ・グローマンだ。

貴様こそ、ジェフリー殿下と親しくして、何者だ。」


「あぁ、やっぱりお貴族様ね。

俺はアキト。ブレアフル辺境伯家の推薦で来た冒険者だ。

てかさ、魔術学園では、貴族の権威は関係なく、その実力だけで評価されるって言われてるだろ?」


「ふん、そんなのはこの学園が間違っているのだ。

学園から出てしまえば、平民は貴族に従わなければならないのだから、学園内でも平民はペコペコしていれば良いのだ。

それを昔から伝統だか何か知らんが、いつまでも実力主義だ何だと言いおって、この私が入学したからには、そんな伝統は消え去って新たな貴族とそれに臣従する平民で作る魔術学園を作り上げていくのだ」


「はぁ、まああんたの妄想は分かったけど、この学園内では1人の生徒でしかない、あんたにそんなことが出来るのかよ」


「妄想ではないわ!

それに私は侯爵家次男だぞ、単なる一生徒と一緒にするな。

それにジェフリー殿下のお力添えも頂ければ、必ずやこの魔術学園を正常な学園へと戻すことが出来るだろう」


「あぁ、結局、ジェフリーの力を借りて自分の妄想を実現させようとしているわけだ。

そういうことらしいけど、ジェフリーはそんな計画に賛成なの?」


「アキト、賛成などするわけがないだろ。

マルコ殿、私は今の魔術学園の仕組みがより強い個人を作り上げて、この国を発展させることに寄与していると思っている。

だから、貴殿の計画に賛同することは絶対にないとここに宣言しておく」


「で、殿下、お考え直してください。これは王族・貴族の為の改革なのですぞ。

必ず殿下にも利のあることだと証明してみせます」


「くどいぞ。私は今の魔術学園が気に入っているので、貴殿がそれを変えようとするなら徹底的に反対をさせてもらう」


「殿下・・・

貴様だな、お前のような平民風情が殿下と親しくしているから、殿下のお心がこうなってしまったのだ!」


おいおい、マルコさんよ。

今日会っただけの俺にジェフリーをどうにかすることなんて出来ないわ。

そんなことも気が付かんいくらい、ジェフリーに反対されたことで激高しているんだな。


小悪党が登場ですw

敵役っぽい貴族の表現がこんなんで良いのか不明ですが


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