魔術学園 Sクラス
魔術学園の寮に入ってから、入学式までの間は特にやることもないので、ギルドで依頼を受けて、それをこなしていました。
朝食や依頼が早く終わった日の夕食は、寮の食堂で食事を済ますことも多いのですが、徐々に寮に入って来る生徒の数が多くなっています。
その中では、既にグループを作って、ワイワイガヤガヤやっているところもありますね。
そうか、Sクラス以外の生徒は相部屋が基本だから、自然と仲良くなっているのだろう。
というか、俺がボッチなのか・・・
そういえば、Gランク冒険者の時も、アンナやケイト達以外とはほとんど絡みがなかったな。
別に、ボッチなんて慣れてるいるから、良いけどさ・・・
ボッチで冒険者家業を勤しむ日々を過ごしていると、魔術学園の授業が始まる日が来た。
異世界の学校がどれもそうなのか分からないけど、この魔術学園は入学式みたいなのはないみたいだ。
指定をされたSクラスの教室に入った。
Sクラスは合格者5名と言われていて、既に4人が席についているので、自分が最後のようで、一番後ろの空いている席に座った。
そうしたら、1人の女性が入って来た。
「これから、お前らの担任をすることになった。ビアンカ・ベルカッテだ。
まぁ、担任といっても、Sクラスは特にクラス毎に何かをするわけじゃない。
知っていると思うが、Sクラスの人間は好きなカリキュラムを好きなように学んで良い特殊なクラスだ。
もう、自分にとって魔術学園で学ぶことがないと思えば、この学園で学んだことを証明さえしたら、すぐにでも卒業をさせてやるし、その時点の実力で学園として斡旋できる就職先も提供してやろう。
魔術学園の個の実力を徹底的に鍛え上げるという方針に一番合っているクラスともいえよう。
お前らが、ここでどれだけ成長できるかはお前ら次第だが、出来る限りの支援を尽くしてやろう。
そうだな。それこそ、自分が身につけたい能力をどの授業で身につけられるか分からなければ、私のところに聞きにくるといいさ。
さて、まぁそうは言っても、せっかく同じクラスになった連中だ。自己紹介くらいはしていこう。
じゃあ、そこの王子様からいこうか」
そう言うと、一番前に座っている金髪の少年が立ち上がった。
「ビアンカ先生。学園内で王子様は止めてください。
皆様、はじめまして。私はこの国の国王陛下の第一王子の長男であります、ジェフリー・エルトリアと申します。
王族の一員ではありますが、まだまだ若輩の身ですし、何よりも魔術学園内では、王族・貴族・平民と別け隔てなく学んでいく場所でありますから、気軽に接してくれたらと思っています。
これから、よろしくお願いします」
「この王子様が言ったとおりに、学園内ではそういう分け隔てはない。
貴族がどうとかで威張りくさった奴がいたら、ボコボコにしてやれ。
ここでは王族とか貴族だからとか、そんなものは偉くも何ともない。
最近は、特に下級クラスで、大して実力もないのに貴族の権力を傘に来てあれこれ言ってくる奴がいるんだよ。
私らがあんまり分かりやすくボコボコにすると問題が起こるので、お前ら学園トップのSクラスの連中がまとめてやれよ」
「まぁ、ビアンカ先生の言い分は過激ですが、私もそのように国王陛下や父上から聞いて来ておりますので、どうか私も傲慢な態度が出ておりましたら同じクラスの者として注意して頂けたらと思います」
あら、この子、王族なのに良い子じゃない。
しかし、いくら実力主義の学園だからって、第一王子の長男って順調にいけば2代後の国王だろ?
そんな人が、無防備に護衛もなしに学園に通って良いのか?
しかも、手順を踏めば生徒同士の決闘まで許可されている学園だぞ。
『主よ。この教室の周囲に数人が隠れて、様子を伺っています。
多分、あの第一王子の長男の護衛かと』
あぁ、なるほど、バレないように護衛は用意しているわけね。
そして、王子様はそれを知らないというわけだ。
「では、続きまして、私が。
私はユーリア・ルサールカと申しますわ。
見ての通り、エルフでエルフの里よりここへ来ました。
精霊の研究とエルフの魔術をより高みに至らしめる為に、この学園に来た次第です」
次に挨拶をしたのは、エルフの女性だった。
今までも何人もエルフを見てきて、男性でも女性でも綺麗な人ばっかりだったけど、このユーリアさんはそれにも増して綺麗な人だわ。
確か、エルトリア王国の国内にエルフの自治州としてエルフの里があるらしい。
基本的にエルフの里に住んでいるエルフ達は、古くからの伝統として自然あふれる森の中での生活をしている。
ただ、そんな森での生活に飽き飽きしたエルフは、エルトリア王国内で生活をして、逆に外での生活に疲れたエルフは里に戻る。
そうして、人よりも長い寿命を過ごしていくらしい。
「じゃあ、次は私だな。私はダキニ!
隣国のレオグランド連合国から来たのだ。
見ての通り、狐系の獣人だけど、耳と尻尾くらいしか違いがないから仲良くしてくれると嬉しいのだ。
私は、魔術が大好きで、そんなに好きならばとこの学園を勧められたのだ。
一杯魔術が使えるようになったら嬉しいのだ」
今度は狐系獣人のお嬢さんだ。
確か、レオグランド連合国は獣人を中心とする国で、エルトリア王国とは友好関係を結んでいる。
エルトリア王国は方針として、人族以外の獣人族やエルフ族、ドワーフ族等々の差別を許さない国だが、他の国では差別が非常に多く、下手をすると獣人は奴隷としか扱われていない国もあるそうだ。
そこで、獣人を差別しないエルトリア王国と友好関係をアピールする一環として、王国有数の魔術学園に留学生を送っているらしく、今年はそれがダキニだったようだ。
「私はシーラと申します。
孤児として、教会の孤児院で生活をしていたのですが、教会のシスターに魔術を教わったら、私に才能があると言われて、魔術学園を推薦して頂きました。
私が孤児院で救われたように、私も誰かを救えるだけの力を身につけられたらと思って、この学園に来ることにしました。
これから、よろしくお願いします。」
次は、教会の孤児院出身と言う女の子だ。
流石、魔術学園。王子様だろうと孤児院出身だろうと、実力さえあれば同じクラスにぶち込んでしまうのが良いな。
しかし、孤児院出身というが、特にスレた感じもしないで、丁寧な所作をする子だな。
教会の孤児院だから、そういう部分もしっかりと指導をしているのかもしれないな。
「じゃあ、自分が最後ですね。自分はアキトと言います。
ブレアフル辺境伯領・ナスカで冒険者をしていましたが、ひょんな縁でブレアフル辺境伯と出会い、今回こうして推薦をして頂くことが出来ました。
これから、よろしくお願いします」
「あぁ、お前がアキトだな。おい、お前ら聞いておけ。
こいつが今回のクラス分け試験での最高得点者だ。
というか、毎回試験内容が変わるから単純な比較は出来ないが、魔術学園史上最高の実力で入って来たと言われている。
実際に試験官を務めた奴の意見だが、下手をすると学園の教授陣では単純な戦闘能力は敵わないだろうと言っていたぞ。
お前らも、学園内の授業だけじゃなくて、こういう同級生の人外の化け物からも学べることがあれば学んでおけ」
おい、誰が人外の化け物だ!
こっちとら、ちょっと変わったスキル持ちの単なる異世界転生者だぞ。
Sクラスの他の生徒たち、全員がぎょっとした顔で自分を見ている。
うん、そんな顔をされてもどうしたら良いか分からんので、苦笑いをしておきます。
「さて、それじゃ学園のカリキュラム表を配って行くぞ
しっかりと、自分が学びたい物を見つけていけよ~」
さて、人を化け物呼ばわりしたビアンカ先生は、とっとと先を進めていた。
学園モノ、なんかめっちゃ苦手かも・・・
中々筆が進みません。
もしかしたら、毎日更新を止めるのは、自らの設定かも。
何とか、頑張るので、どうか応援の星やブックマークがあると嬉しいなw




