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クラス分け試験終了

金色になってしまった、人造魔石の試作品のボール。

金色のボール。お下品だな。まぁ、なってしまったのは仕方がない。


それよりも、俺の試験は良いのだろうか?

途中で終了されるってやばくね?

もしかして、一番下のクラスからスタートになるのかな?


そんなことを考えていたら、試験官さんが声をかけて来た。


「26番、無事に穏便に収めてくれて、助かりました。

そういえば、その試作品は壊れずに済んだのですか?」


「あ、はい。でも、銀色だったのが、何故か金色になってしまったのですが・・・」


「え、金色になった。ちょ、ちょっと渡して貰いますか?」


試験官さんが驚いた顔をしているので、金色になった試作品を渡した。


「ほ、本当に、金色になっている。ということは・・・」


試験官さんが受け取った試作品に魔力を込めると、また光りだした。

と思ったら、今度は魔力を止めると光がおさまった。

そうしたら、また、魔力を注いで光りだした。

金色の試作品が光を出したり、おさめたり、点滅を繰り返していく。


あれ?この試作品って一度魔力を注ぎ終わると、もう一度魔力を込めることが出来ないから光らないはずだったよね。

どうして、何度も光が点滅しているのだろうか。


「26番!これこそ、人造魔石の完成形です。

何度でも魔力を注ぎ込んで魔石として使えて、使い終わればまた魔力を注げば良い。

今まで、何度も何度も実験を繰り返して来たけど、1回使い切りの試作品しか出来ず、しかもその1回もまともな量の魔力を注ぐことが出来る人間はこの魔術学園で少数しかおらず、実験のお蔵入りになりそうなタイミングで、今回の試験に利用しようとなっていたところに、まさかここで完成形が出来るなんて!

26番、君は神の使いだ!こんな奇跡が起こるとは!

確かに、高密度の魔力で仕上げるという論文もあったが、そもそも高密度の中ではこの試作品はすぐに割れてしまって・・・」


何度も点滅を繰り返していた試験官さん、突如俺に対して思いの丈をぶつけて来た。

この人がこの人造魔石の試作品を作っていたわけね。


「よし、26番。もう試験なんてどうでも良い、今から私の実験室でもう一度テストをして、論文をまとめるぞ。

一緒に実験室まで来てもらうよ!」


そういうと、試験官さんが俺を何処かへ連れていこうとしました。

そのタイミングでポカンとしていた他の試験官さんが、慌てて件の試験官さんを抑え込んで必死に説得を試みています。


はぁ、危うく試験途中で投げ出させられそうだった。

何とか、試験官さんを落ち着かせて、試験が再開された。


俺はちょっと離れたところで、試験を見学している。

ちょっと寂しい。

もしかしたら、2回目が回って来るかなって思っていたけど、案の定スルーされた。

かなり寂しい。


そんなこんなで、クラス分け試験が終わってしまった。


「それでは、以上を持ちまして、クラス分け試験を終了します。

クラスが決まりましたら、推薦者のところへ連絡が届きます。

推薦者と別のところに宿泊等している方は、帰りに受付に寄って現在の宿泊場所をお伝えください。

それでは、今日はお疲れさまでした」


改めて、試験中の行動を振り返ってみると、

1つ目の試験は、用意された魔導人形を再起不能にまで破壊をして、試験場の壁まで破壊。

2つ目の試験は、想定以上の魔力を注ぎ込み過ぎて、途中で試験中断。2回目も受けさせて貰えず。


あれ?詰んだんじゃね?

もしかしたら、クラス分けで最下位クラスへの落とされた?

やらかしすぎて、推薦持ちなのに落とされるとか前代未聞の事態にならないだろうな。

そうしたら、ブレアフル伯爵家の皆さんに申し訳なさすぎる。


そんなことを考えていたら、人造魔石の試作品で興奮をしていた試験官さんが声をかけて来た。


「26番。先程は、取り乱して済まなかった。

しかし、君が作り出したあの人造魔石は私が長年研究をしていたものなのだ。

今日は、試験なのでこれ以上はお願いできないが、入学したら是非、私の研究に協力をして欲しい。

では、入学を待っているよ」


そう言って、去っていきました。

しかし、あの口ぶりから入学は間違いないような感じだったな。

とりあえず、そこは安心だ。

きっと、これから試験の結果からクラス分けの検討が始まるのだろうな。

コアに頼んでその様子を覗かせることも出来るけど、なんかそういうのに使う気にはならないなぁ。

王様や宰相の会議を覗いていた癖にとは思わなくもないが。

まぁ、どんな結果になっても、ここで属性魔術を学ぶのは変わらないから、気にしないことにしよう。


でも、気になるなぁ・・・




そこから、数週間が経った。

よく考えたら、クラス分け試験ですら、指定日が何日にも分かれている。

それとは別に推薦のない、一般の受験もあるはずなので、結果を知らせる時間もかかるだろう。


その間に、エクベルトさんもジョルシュさんもブレアフル辺境伯領に帰ってしまった。

しかし、そうなると、この王都の屋敷は俺 (とジャンヌ) と屋敷に常駐の執事さんとメイドさん達だけになってしまう。

流石に、2人が帰ると決まった時には、自分も王都の宿屋にでも移動をしようと思っていたが、ブレアフル家として俺に世話になっているから、ゆっくりして欲しいのと、魔術学園のクラス分けの結果が王都のブレアフル家の屋敷に届くのでいた方が良いからと押し切られてしまった。

ちなみに、2人が帰る時には、領都やナスカの知り合いの分も含めてということで、アイテムボックス付きの皮袋に、これでもかって地球のお酒やおつまみ等々を詰め込んで渡したら、大喜びしていましたね。


というわけで、クラス分け試験が終わってから何をしていたかというと、この王都のブレアフル邸を拠点に冒険者の活動をしていました。

基本は王都周辺での魔物退治や素材回収のような普通に日帰りの出来る依頼をこなしていましたが、転移と縮地のコンボがあるので、普通は1週間を想定した依頼でも日帰りでこなせるので、そういう依頼もたまに受けていました。


そういえば、その期間に1回だけ、ブレアフル辺境伯領の領都に荷物を運ぶ依頼があって、流石に1回の転移で移動できる程には必要な魔力量が足りませんが、一度は行ったことある道中なので、要所要所を転移で繰り返して移動して、魔力回復の時間込30分程度で領都ブレアフルに到着してしまいました。

ちょうど、ナスカに移動を開始しようとしていた、ブレアフル男爵ご夫妻とナスカで領地の引き継ぎをする為にエクベルトさんも一緒に向かうようだった。

そういえば、転移もだいぶ使い慣れて、必要な魔力量もその分増えるのだが、自分以外の人も一緒に転移が出来るようになったので、夫妻とエクベルトさんをナスカまで送り届けようと提案をしたが、断られてしまった。

何でも、今回はジョルシュさんが周辺の村々を回って、新たな領主であることを知らせながら、移動することが大事なので、直接ポンッとナスカに行ってしまうのは不味いらしい。

流石に自分もいつ、クラス分けの試験結果が届くか分からないので、付いていくことは出来なかった。

ただ、今回はブレアフル辺境伯家の騎士団も一緒に移動するので、俺と一緒に領都に来た時のように3回も盗賊に遭遇することもないだろう。

3人と騎士団をお見送りしてから、依頼をこなして、王都に帰還した。


そんなことを繰り返していたら、冒険者ランクがBランクになってしまった。

依頼達成の数が多いので、王都のような国内の統括ギルドでしか認定できないAランクも可能だが、Aランクになるには実力を確認するために統括ギルドが指定した人物と模擬戦をしなければいけないそうである。

正直、今は衣食住、ブレアフル家でお世話になっているし、魔術学園に入学すれば基本は寮生活になる。

依頼も受けているが、お金が貯まる一方なので、急いでAランクになる必要はないと思って保留にさせて貰った。


そして、ついに魔術学園のクラス分けの結果が届いた。


試験中に試験官側の人間を2人も混乱に陥れるなんて、アキト君、恐ろしい子www


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