街中へ、冒険者ギルドへ行ってみよう
街に入ってみると、
家々が綺麗に並んでおり、門の前から伸びる道は石畳になっています。
ナスカまでの街道は土を固めただけだったのに、やはり街中ではしっかりと整備をされているのだな。
そして、道を歩く人を見て、一番驚いた。
獣人やエルフ、ドワーフ様々な種族がいることに。
しかも、獣人とはいえ、あちらのカップルは、男性はほとんど犬のような姿で、そのまま二足歩行する人間の骨格になっており、女性の方の姿は人間そのものだけど、耳が頭の上に猫の耳がついている。猫耳は一瞬そういうカチューシャかと思ったが、ピコピコ不規則に動いているから、本物の耳なのだろう。
まぁ、現代の地球の科学力なら、作れなくもないだろうが。
さて、オノボリさんよろしく、いつまでも驚いているわけにもいかない。
冒険者ギルドに行きましょう。
・・・冒険者ギルド、どこでしょう?
とりあえず、人混みの多い場所に来てみましたが、周りは屋台がいっぱいで良い匂いがしますね。
この街に入る前にあんぱんと牛乳を食べていたのに、お腹が空いて来てしまいます。
ふらふら、匂いに釣られて串焼きの屋台に来てしまいました。
「おじさん、1本頂けますか?」
「はいよ。1本、銅貨5枚だよ。」
神様から貰ったお金から、銅貨5枚を出して、串焼きを貰った。
おぉ、結構美味いぞ。味は豚肉に近い気がするが、少し癖があるかな。
塩味だが、少し変わったスパイスでも使っているのかな?
そのスパイスと肉の癖が合って旨味をより感じるな。
「おじさん、これ美味しいですね。初めて食べました。何のお肉なんですか?」
「これは、オーク肉だよ。魔物の中でも食べやすいし、ナスカではよく取れる名物だよ。」
おじさんが、どんどん串焼きを焼きながら答えてくれました。
「あ、おじさん。冒険者ギルドってどこにありますか?」
「なんだ、坊主。冒険者を目指してるのか。冒険者ギルドはこの道を真っ直ぐいったらデカイ石造りの建物があるから、そこだぞ。」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
おじさんと話ながら、串焼きを食べていたら、お客さんが沢山集まって来ました。
忙しくなって来たので、おじさんに別れを告げて冒険者ギルドを目指します。
ちなみに、食べ終わった串は屋台のそばにあるゴミ箱に捨てていきます。
おじさんに言われた通り、屋台の通りを進んでいくと、大きな石造りの建物が見えて来ました。
周りの建物よりも頭1つ2つ以上高さもある。
冒険者ギルドの建物に入る。
正面には役所のような受付があり、左には壁一面に依頼書のようなものが貼られている。
右奥には、テーブルや椅子が設置されており、食堂か居酒屋のような雰囲気である。
そこには、何人かの冒険者がいるが、自分をいちべつするが絡んでくるような様子もない。
テンプレは発生しないようだ。平和なら何よりだ。
正面の受付には綺麗な女性が1人いる。
昼過ぎのこの時間帯は冒険者が少ないようで、受付の奥で事務作業をしている人は数人いるが、受付に待機している人は1人だけなのだろう。
その受付の女性から声がかかる。
「いらっしゃいませ。冒険者ギルド、ナスカ支部へようこそ。本日のご用件は何でしょうか?」
「始めまして。冒険者になりたくて来たのですが、こちらでよろしいでしょうか?」
「はい、こちらで冒険者の登録をさせて頂きます。まずは、こちらの書類に記入をお願いしたいのですが、文字の読み書きは大丈夫でしょうか?厳しければ、こちらで代書も行いますよ。」
「大丈夫です。自分で書きます。」
勉強していませんが、異世界言語取得があるので大丈夫でしょう。読めたから書けるよね。
名前はアキトで年齢は12歳。出身地は辺境の開拓村と、あとは適当な感じで。
「こんな感じで、良いでしょうか?」
「はい。これで処理をさせて頂きます。」
そう言って、書類を受け取ってくれます。
「さて、それでは冒険者ギルドの説明をさせて頂きます。
冒険者は最高でSランクからFランクを最低としてランク別になっています。
依頼の方も同じようにランク分けがされているので、通常は冒険者ランクと同じかそれ以下のランクを受ける事ができます。
ただし、パーティを組んでいればパーティ内の一番ランクの高い冒険者と同じランクの依頼まで受けることが出来ます。また、ギルドからの特別依頼や指名依頼はランクとは別に受けられます。
それと・・・・」
延々と説明されている。
まぁ、わからないところは、都度受付で確認をさせて貰おう。
一気に覚えられる自信はないぞ。
「それと最後になりますが、
ナスカ支部では、新人の冒険者には2つの選択肢が与えられます。
1つは、ギルドの入会金である銀貨3枚を支払いFランクの冒険者として活動していく。
もう1つは、入会金は不要ですが、一定期間見習い冒険者のGランクとして、午前中は街中やすぐ近くでの依頼をこなし、午後は地下の訓練場で冒険者の基礎を身につける訓練を受けて頂きます。訓練の進捗次第ですが、だいたい期間は3ヶ月となり、その間は、ギルドの仮眠室で生活をして朝夕の食事はギルド併設の酒場で提供されます。午前中の依頼の報酬は、半分は生活費等々で徴収され、残り半分はお渡ししますので雑貨等はそれでご購入下さい。」
銀貨3枚なら、神様から貰ったお金で払うことが出来るが、強くなるにはGランクがピッタシだな。
「それじゃあ、Gランクでお願いします。」
「かしこまりました。それではGランクとして登録をさせて頂きます。手続きをしますので、少々お待ち下さい。」
数分、待っていると受付から声をかけられた。
「アキトさん、こちらがギルドカードになります。真ん中の魔法陣に触れて下さい。」
受け取ったギルドカードの魔法陣に触れてみた。
すると、魔力が抜けていくのを感じた。
「はい、これで登録の完了です。ギルドカードは本人の魔力で個人認証をするので、他の人には使えません。もし、無くしてしまった場合は、手数料がかかりますので、ご注意下さい。」
「承知しました。ありがとうございました。」
「それで、ちょうど今、地下の訓練場でGランクの訓練をしているので、顔見世も兼ねて、行きませんか?ご案内しますよ。」
「良いですね。ぜひ、よろしくおねがいします。」
受付嬢がこちらに出てきて地下への階段を降りていくので、あとを追った。
地下の訓練場はかなりの広さがあった。
そこで、自分と同じくらいから少し年上に見える人達が木剣を使って素振りをしている。
一人の大柄の男性がその人達の周りを歩きながら、指導をしていた。
「ギルド長、新しいGランク冒険者の方がいらっしゃいましたよ」
ん?あの大柄の男性がギルド長なのか?
偉い人ってよりも、軍曹とか呼ばれてそうな感じだな。
「おぅ、そこの坊主がGランク冒険者か。」
「どうも、はじめまして。アキトと申します。これからよろしくお願いします。」
「ようこそ、地獄のGランクへ。俺がナスカ支部のギルド長をしているデニスだ。」
Gランク、地獄なのか・・・。今からでも入会金を払ってFランクに上げて貰おうかな?
「ははは。そう嫌そうな顔をするな。ここでしっかり技術を磨いておけば、Fランクなんか簡単に駆け上がれるようになるから、まぁ騙されたと思って頑張ってみろ」
「うぅ・・・。顔に出ちゃってましたか。でも、そうですね。しっかり頑張りたいと思うので、よろしくおねがいします。」
「しっかり頑張れよ。それじゃ、早速だが荷物は端っこに置いておいて、そこの木剣を持って一緒に素振りをしてみろ」
「はい。」
はい、5話です。
そして、実はここまでが投稿前に書き溜めたものです。
以降は連載スタート後に書いていくので、マジで毎日更新は止まるかもです。
頑張るけど、駄目だったらごめんなさい。
へたらないので、待っていてくれると嬉しいです。
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