ジョルシュの恋人と盗賊いっぱい
翌朝、ジョルシュさんは結局こちらの宿には来なかったので、ブレアフル方面への門の前までいくと、ジョルシュさんがいました。
何やら、隣には綺麗な女性がいる。ジョルシュさんと親しげに話をしているので、もしかしたら恋人なのかな?
そういえば、ジョルシュさんが結婚しているとかも知らないなぁ。
・・・まさか、浮気じゃないよね。浮気ダメ絶対。
「アキト君、ジャンヌ様。おはようございます。
実は僕の友人なのですが、ナスカでの事件を心配してくれていて、是非ご挨拶をしたいとのことで連れて来ました」
「はじめまして、アキト様、ジャンヌ様。
私、この街の代官の娘でもありますクラウディアと申します。
ナスカの街を救った英雄と、ブレアフル家伝説の方にお目通り出来て嬉しく思います。」
そう言って、クラウディアさんが挨拶をしてくれた。
ちなみに、ジャンヌのこととかは隠しきれるものでもないので、他者に話をしても良いことにしているが、自分が異世界人ってことや、特殊なスキルのことは、出来るだけ内緒でお願いをしている。
バラしたら、異世界のお酒は渡さないよって感じで、軽く脅して。
「はじめまして、アキトと申します。こちらがジャンヌです。
代官の娘さんですか、ジョルシュさんとは昔からのお付き合いで?」
「えぇ、私が小さい時から幼馴染のお兄ちゃんって感じで親しくさせて頂いています。
子供の頃は私もジョルシュ様も領都で生活をしていたのですけど、昔から剣術一筋で中々遊んでくれないのに、私がわがままをいうと付き合ってくれる優しい方でしたのよ」
「クラウディア、もうその辺で。
僕達は領都へ向かわないと行けないから、そろそろ街を出ないと」
「あぁ、失礼しました。
皆様、どうか道中お気をつけて、またナスカへのお帰りの際には是非お立ち寄りください。
ジョルシュ様、お待ちしております」
こうして、クラウディアさんに見送られて、領都ブレアフルへの旅を再開した。
「ジョルシュさん。クラウディアさんってもしかしてジョルシュさんの恋人ですか?」
馬を並べながら、そんな話題をジョルシュさんを振ってみた。
「えぇ、まぁそういう感じですよ」
「ジョルシュさんって結婚してないですよね?
クラウディアさんと結婚なされないんですか?」
「実はですね。昨日、クラウディアのお父上である、あの街の代官に結婚したい旨を伝えて来たんですよ。
元々、僕とクラウディアの関係は知っていましたし、事前に手紙も届けていたのでスムーズに話は進みました。
まぁ、それでも昨晩は遅くまでお酒を付き合わされましたがね」
「おぉ、それはおめでとうございます。
でも、ジョルシュさんって正直いい年ですよね。もっと早く結婚してそうでした。
それに、準貴族ですよね。政略結婚もありそうですよね。」
「アキト君。君だいぶ僕に慣れたのか、流石にそれは失礼ですよ。
でも、まぁクラウディアが年下で時間があると思って、だいぶ待たせたのは事実です。
僕自身、あのダンジョンの攻略を諦めきれずに、家庭を持ってしまうとダンジョン攻略が出来なくなると思って躊躇していました。
そういう意味では、アキト君がダンジョンを攻略してくれたからこそ、結婚をしようと思うことが出来たんですよ。正直、感謝しています。」
お、まるでキューピッドみたいじゃないか。
「自分がダンジョンを攻略したことで、結婚に進んだなら自分も嬉しいですよ」
「それと、僕自身はブレアフル家の出身でブレアフルの名字を名乗れる準貴族ですが、僕の子供の代では名字のない、ただの平民ですから。
勿論、子供が自ら努力をして成果を出して騎士にでもなれば違って来るかもしれませんが、あくまでも可能性があるだけですよ。
そんなところに政略結婚をする意味はないですから、話も来ませんでしたよ。
うちの両親も僕とクラウディアとのことは知っているので、実家に帰るたびに早く結婚しないのかって言われて来ましたよ」
ジョルシュさんとそんな話で盛り上がりながら、道中を進んだ。
目の前に大きな城壁が見えてきた。
ナスカの方が壁もデカく圧迫感があるが、こちらは古くからの城壁って感じで歴史を感じさせます。
多分、ナスカの方が魔物とより接する機会が多いので、その違いでしょうか?
「あの、ジョルシュさん良いですか?」
「はい、なんですか。アキト君」
「あのですね、ナスカからブレアフルに来る間に計3回も盗賊に遭遇しましたね」
「そうですね。3回ですね」
「ナスカとブレアフルって魔物の素材で往来の多いルートだって聞いていましたが、片道だけで3回も盗賊に会うってことは、代官としてもっと対策をした方が良いんじゃないですか?」
「おぉ、アキト君、言いますね。
まぁ、でも大丈夫ですよ。普通は往復しても中々遭遇するものではありませんよ」
「じゃあ、どうして自分達は3回も遭遇したんですか?」
「考えても見てください。
いい年齢をした高そうな服を来た男と、綺麗で美しいか弱そうな女性、それに成人したかしないかの子供の3人が、護衛もなしで街道を進んでいるんですよ。
そりゃ、盗賊だって良い獲物だって思って寄ってきますよ。
あと、正直こちらの調査で盗賊に遭遇しやすいポイントで狙われやすく速度を落としたりはしましたけどね」
「はぁ、やっぱりそういう魂胆があったんですね。
でも、良いんですか?ジャンヌはブレアフル家の大事な客人扱いですよね、道中で盗賊に何度も遭遇させて。
実際に、領都の手前では自分が御者をやることになっているじゃないですか」
そう、何だかんだ、御者のスキルもGET出来たので、今は御者台の真ん中で自分が御者をしていた。
ちなみに、右にジョルシュさんが、左にジャンヌが座っている
「あぁ、そういうことですか。
ジャンヌ様は確かにブレアフル家にとって重要なお客様ですから、この付近で御者をさせていて実家の関係者に見られでもしたら、非常に不味いです。
ただ、同時にジャンヌ様の実力は伝説にもなるくらいのものです。
ですから、退治した盗賊を連れて領都に来るくらいならば、その実力を示した姿なので大丈夫ですよ。
それに、ナスカの英雄であるアキト君に、伝説の天下無双のジャンヌ様、まぁ実力は落ちてしまいますが、これでも一族最強ということでナスカの道場主をしている僕。
これだけの戦力が少数で街道を移動して行くのだから、盗賊のお掃除くらいはしたかったのですよ」
「はぁ、そういうものですか」
なんか、上手く利用された感はあるよな。
「まぁまぁ、どの盗賊のアジトでもがっぽりと稼げたでしょ?
それに、これだけたっぷりの盗賊を犯罪奴隷で売れれば、領都で家でも買えるくらいになるんじゃないですか?」
そう言って後ろを振り返る。
まず、荷馬車の中には最後まで反抗的な盗賊をボコボコにして、ぎゅうぎゅうに詰め込んでいます。
うん、地球の満員電車で既に満杯なのに駅員さんが無理矢理、人を押し込めている時とほぼ同じです。満員電車大嫌いだったなぁ。
そして、そんな反抗的な盗賊とは違い、実力差を理解して大人しくしてくれた盗賊達には手だけはロープで縛って、歩いて付いて来てもらっています。
これからのことを思って絶望的な顔をしながら、ぞろぞろと歩いていますが、自業自得なので諦めてください。
勿論、逃げ出さないように、スライム達とスケルトン達にも周りに配置しております。
スライムだからと侮っていた者もいましたが、反抗的な盗賊がスライムの一撃で崩れ落ちる様を見て、怯えだしたので上出来でしょう。
「えっと、結局、60人くらいはいますかね」
「そうですね。最後の盗賊団は多分この辺で最大級の規模でしたから。
でも、その規模の盗賊団がやられたとなると、この辺で盗賊をおこなおうとする者は減るだろうし、普通の人で生活が厳しくても盗賊だけにはならないってなるかもしれません」
まぁ、そういう効果も期待できるのならば良いかな。
「さて、アキト君。
領都ブレアフルの門での受付は一般用と貴族用と別れていますので、あちらの空いている貴族用でお願いします」
場所を貴族用の受付へ進めるのであった。
まぁ、たまに起こるんですよ。
本当ならば領都の中まで入るつもりだったのが、思いついた設定を入れ込むことで文量が増えて、結局そこまでたどり着けない。
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