アキト再度帰還
ナスカの街へ戻っていくと、スケルトンとスライム達が一部の冒険者や兵士達と対峙している状況になっていました。
このままでは、ナスカの街に戻れないので、ひとまずスケルトンとスライム達を収納します。
「皆、お疲れ様、ありがとうね。
とりあえず、このままだと不味いだろうから、一旦収納するね」
頑張ってくれた皆には申し訳ないが、一度皆を収納した。
そうして、皆と対峙をしていた冒険者や兵士の皆さんの近くまで向かった。
皆さん、顔がこわばって、何かに怯えているように感じているが、大丈夫ですかね?
「皆さん、お疲れさまです。
あの魔物は自分の従魔ですから、皆さんに手を出すことはありませんのでご安心下さい。
ところで、デニスギルド長かジョルシュさんは何処にいますか?
色々と話をしておきたいのですが・・・」
「お、アキトじゃないか!
だいぶ奥の方まで魔物の群れを退治してきてくれたみたいだが、大丈夫だったか?
こっちでは、お前の従魔のスライムとスケルトンしか見えなかったからさ」
そう言って、皆さんをかき分けて、デニスさんが現れました。
「はい、大丈夫です。
それで今回の件で、大事な話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「随分、真剣な顔だな。よし分かった、付いてこい。
ほら、お前ら、アキトの従魔は収納されていないんだから、こんなところでいつまでも油を売ってないで、とっとと仕事しろ仕事。
まだまだ魔石を取り出す作業も死骸を燃やす作業も残っているだろ。
それに、はぐれた魔物が遅れてやってくるかもしれないから、監視も怠るなよ。」
そう言って、対峙をしていた冒険者や兵士たちを散らしてから、歩き始めたので自分とジャンヌも付いていく。
「あいつらも、お前のスケルトンやスライムに助けられたんだけどな、その分、目の前でその脅威を見てビビっちまって、ああやって対峙していたわけさ。
助けて貰ったっていうのに、すまんな」
デニスさんは歩きながら、そんなことを言っていた。
目の前で圧倒的な強さを見せつけられれば、そういう人も出てくるだろう。
向かっていったのは、街に入る門の横にある小屋であった。
自分も初めてナスカの街に来た時に、入った場所だ。
「ここが臨時の戦線司令室ってところだな。ほら、入るぞ。」
デニスさんが小屋の中に入ったので、あとに続きます。
「お、ちょうど良いメンツじゃないか。
俺らの希望の星、アキトの坊主が帰って来たぞ」
自分の背中を押して前に出させます。
小屋の中には、ジョルシュさん、ローラさん、グラシア婆さんの3人がいた。
すると、ローラさんが迫って来て抱きしめてくれた。
「あぁ、良かったよ。デニスからアキトがダンジョンから帰って来たと思ったら、すぐに魔物の群れに飛び込んで行ったと聞いて、気が気じゃなかったよ」
ローラさんがぎゅっと抱きしめてくれるが、お胸も豊満だが、お腹も中々立派なものをお持ちで潰れてしまいそうになる。
いや、思ったよりも力が強いのだが・・・
「ほら、アキトが苦しんでいるから、そのへんにしておけ」
デニスさんが助け船を出してくれて、開放されました。
「そもそも、あんたがGランク冒険者のアキトに魔物を倒して来てくれなんて言うから悪いんだろ!
アキトじゃなくて、あんたが突っ込んでくれば良かったんだよ」
「あのなぁ、俺はギルド長なんだから、冒険者の連中を取りまとめて、指示出しとか色々あるんだよ」
「何さ、他のGランクの子らが魔物に囲まれた時は指揮を放り投げて向かおうとしていたらしいじゃないか!」
デニスさんとローラさんが喧嘩を初めてしまった。
この2人って同じ冒険者ギルド内で働いているのに、仲が悪いのだろうか?
「ふぉふぉふぉ、アキトの坊やが戻って来て嬉しいからってイチャイチャしおって。
夫婦喧嘩は家に帰ってから好きなだけしたらええじゃろ」
そう言って、グラシア婆さんが2人を止めた。
え、この2人って夫婦だったの?知らなかったな、職場結婚ってやつか。
「アキトや。無事に帰って来て、何よりじゃ。
それに、わしの店のくじ引きで手に入れた魔道具を有効活用しているようで、何よりじゃ」
そう言って、後ろにいるジャンヌの方を見た。
おぉ、バレテーラ。しかし、やっぱりこの婆さん侮れないな。
そして、最後に、
「アキト君、無事で何よりです。
そして、私が連れて行ったダンジョンに貴方を一人置き去りにする形になってしまって、本当に申し訳ないことをしてしまった」
ジョルシュさんは、そう言って頭を下げてしまった。
「ジョルシュさん、どうか頭を上げてください。
あれはジョルシュさんのせいではありません。
全てダンジョンが悪かったのですから、気にしないでください。
おかげで、かなり強くなりましたし、こうやってジャンヌや従魔達にも出会えましたし、自分はあそこに行ったことを後悔していません」
ジョルシュさんは頭を上げてくれました。
「ありがとう、アキト君。
ダンジョン内で何があったのかは詳しく知りたいが、まずはナスカへの脅威が無くなったのか。
魔物をだいぶ奥の方まで討伐に行ってくれたようだけど、何か見つかりましたか?」
「はい、それなのですが・・・」
自分が見つけた魔族の話をまとめてした。
「魔族ですか・・・
今、ここのスペースを空けるので、その魔族の遺体と魔道具をここに出して貰えますか?」
そう言って、ジョルシュさんとデニスさんがテーブルと椅子を片付けた。
その空いたスペースに魔族の遺体と魔道具をアイテムボックスから出した。
「うーむ、ぱっと見はオーガの変種って感じにしか見えねぇな」
「しかし、これは魔道具で強化した後の姿だからなので、魔族の本当の姿とはいえないでしょう。
デニス、冒険者ギルドで魔物の解体ということで調査を含めて出来ますか?
勿論、こちらからも人員を出して立ち合わせますが」
「それは大丈夫だ。口の固いベテランの職員に解体させる。
アキト、こいつはまたアイテムボックスにしまって、後で段取りが決まったら知らせるから、その時にギルドに持って来てくれ」
「わかりました。それじゃ、一旦収納しますね」
魔族の遺体を収納した。残るは魔道具だが・・・
「ふぉふぉふぉ、じゃあこの魔道具はわしが預かって解析を出来るだけ試してみるが、問題ないかい?」
「えぇ、この街でグラシア殿以上に魔道具に詳しい方はいないので、よろしくお願いします」
「まぁ、そう買いかぶり過ぎても、ここまで壊れているとまともに解析できるとは思わん方が良いぞ」
そう言って、グラシア婆さんは自前のアイテムボックスに魔道具の残骸をしまった。
そういえば、グラシア婆さんもアイテムボックス使いだったな。
「しかし、アキト君の話を疑うわけじゃありませんが、本当に魔族だったら大変なことになりますね。
少なくとも、詳細がはっきりするまでは、このメンバー以外には内密にお願いします」
「あぁ、分かってるよ。
解体させる連中もまさか魔族とは思わないだろうが、注意はしておく」
そういえば、気になることがあった。
「あの、ジョルシュさん良いですか?
ジョルシュさんって今回、兵士を指揮していたり、ここでも取り仕切っていますが、何か街の役職持ちなんですか?」
「あれ、アキト君って知りませんでしたっけ?」
ジョルシュさんがちょっと悪い笑顔を浮かべているぞ。
「あぁ、そういえば俺も道場主としか説明してなかったかもな。
アキト、落ち着いて聞けよ。
えっとな、この人、いやこの方はな、領主様の代わりに全権代理の代官として、ナスカの街の治めている、ジョルシュ・ブレアフル様だ。
ブレアフルの名字で分かると思うが、このブレアフル辺境泊領の領主様の血族で、今の領主様の三男にあたる」
デニスさんが困った顔で説明してくれた。
「はい、どうも~、この街の代官をしている、ジョルシュ・ブレアフルです。
まぁ、堅苦しいのは苦手なので今まで通りにジョルシュさんでいいですよ!」
おい、さっきの自分に謝罪してきたときの神妙な顔はどうした。
嬉しそうに、いたずらが成功したような悪ガキの顔をしやがって!
なんか、戦闘シーンよりもこういうシーンのがスラスラ書けます。
戦闘シーンは本当に難しい・・・
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