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アキト帰還

「この野郎、心配かけさせやがって、随分と遅いお帰りじゃないか!」

デニスさんに首をヘッドロックかけられながら、手荒い歓迎を受けています。

いや、これマジでダンジョンの訓練がなかったら、首折れているんじゃないか?


「苦しいですって、デニスさん。

それに、まだ魔物がナスカに迫っているんですから、すぐに対処をしませんと」


そう、ケイト達と共にひとまずデニスさん達のところに来ているだけで、まだ魔物達はナスカへ迫って来ようとしていた。


「そうだな。まぁ、アキトとそこの美人さんのおかげで、こっち側は魔物の一角が崩れたから、だいぶ圧力は減ったが、兵士たちの守っている方はまだギリギリってところだろ。

とりあえず、ケイト達、お前らは後方で待機だ。よっぽどのことがない限り、前に出るなよ」


「そ、そんな。あたしの魔力だってもう回復したし、アキトだって、これから戦闘に・・・」


「アンナ!デニスギルド長の言うことを聞こう」

アンナが必死に訴えているところをケイトが止めにかかった。


「ケイトは理解できているようだな。

アンナの魔術は確かにそこそこの威力があるのだろう。

ただな、魔物に囲まれた時に、いや囲まれる直前にでも、自力で脱出できないんだったら、結局足手まといなんだよ。

今回はアキトがいたから、無事に助かったかもしれないが、もしアキトがいなければ、お前達の誰かが死んでいたかもしれないし、助けに行った冒険者が死んだかもしれない。

分かったな。分かったら、後方で少し頭を冷やしておけ」


アンナは何も言い返すことが出来ず、ケイトがアンナを引っ張って、4人は後方へ去っていった。


「さて、アキト。お前のその異様な実力を何処で身につけたのか、そこの美人さんと何があったか、根掘り葉掘り聞きたいところだが、時間がない。

本来ならお前もGランクなのだから、後方でって話になるんだが、今、ここで反転攻勢をかけられる戦力はお前しかいない。

悪いが、引き受けてくれるか?」


「それは勿論。自分もナスカを気に入っていますから、出来る限りのことをさせていただきます。

それに、戦力だったら結構強いのが揃っていますよ。

”召喚、スライムとスケルトン達”」


30匹のスライムと剣と槍とナイフの3体のスケルトンを召喚しました。

デニスさんや周りの冒険者の皆さんが口をあんぐり空けて驚いています。


皆驚きすぎじゃねって思っていると、上から声が聞こえてきました。


「アキト君!それアキト君が使役しているスライムですね。

色艶も良くて、良いスライムです。しかも、そのスライム結構強いでしょ?」


自分の魔物使いの師匠とも言える、ニックさんが見張り台にいました。

しかし、ニックさん結構高い見張り台からスライムの色艶までも分かるのですね。


「はい、お久しぶりです、ニックさん。

ダンジョンで色々ありまして、ダンジョンで使役したスライム達がかなり強くなりました」


「おい、アキト。

そこのスケルトン達は正直、俺やジョルシュよりも、強いのはなんとなく分かる。

でも、本当にこのスライム達も強いのか?」

デニスさんが何とか、正気に戻って、そんなことを聞いてきた。


「ギルド長。僕の見立てですと、そのスライム1匹で多分オークにも負けませんよ。

ゴブリンやコボルトなら、1匹で何体も倒してしまうでしょう」


自分が答えるよりも、先にニックさんが答えてしまった。

しかも、ジャンヌの見立てと寸分違わない。ジャンヌも、ちょっと驚きの顔をしている。

流石、ニックさん。スライムに関しては凄まじい物があるな。


「ニックの言っていることは、本当なのか?」


「えぇ、ニックさんの言っていることは間違いないと思います」

まぁ、本当はジャンヌの見立てってだけで、スライム達は訓練だけで実戦経験もないんだけどね。


「それなら、あっちの兵士達が守っている方にも派遣を出来ないか?

正直、こちら側だけを守っていても向こうが崩れれば、ナスカはお終いだ」


なるほど、確かにデニスさんの言っていることは正しい。

でも、スケルトン達は各自の判断で戦えるだろうけど、スライム達は大丈夫かな?


『主よ。話し中にすまん。声を出さずに心中で話かけてくれれば大丈夫なので、少々良いか?』


『ん?これで良いかコア。それでどうしたんだ?』


『スライムとスケルトン、それに私は、同じ主の従魔として繋がっているので、声を届けることが出来る。

既にこの戦場の情報は集まっているので、もし主さえ良ければ、私にスライムとスケルトンの指示を任せて貰えないか?』


ここまで来る間で、コアが有能なのは理解しているから俺は任せて良いと思うけど、スケルトン達まで任せてしまって大丈夫かな?


『ジャンヌ、コアの話は聞いていた?スケルトン達を任せても大丈夫かな?』


『はい、聞いておりました。

コアと私達は長い間ダンジョン内で一緒にいましたので信頼しています。

コアならば、間違いなく適切に采配をしてくれるでしょう』


『分かった。コア、皆のこと頼んだよ』


『主。任されよ』


そうか、ダンジョン内の一番奥で、ずっと一緒にいたんだよな。

ある意味で、ダンジョンに殺されてしまったようなものだが、長い年月で信頼に変わっていったのかもしれない。


「おい、アキト急に黙り込んで大丈夫か?」


「あ、いえ、すいません、デニスさん。

わかりました。兵士達が守っている方にも戦力を分配します」


「アキト君、本当に大丈夫?

スライム達をダンジョンで使役したってことは、まだ1ヶ月くらいしか経ってないんでしょ?」

ニックさんが見張り台の上から心配そうに声をかけてくれる。


「大丈夫です。こう見えても、自分スライム達にかなり好かれているんですよ」


「そうですか、アキト君ですしね。

いえ、要らぬ心配をしてしまいました。頑張ってくださいね」


「ありがとうございます。

それじゃ、皆、ナスカの街を守る為に頼む。兵士や冒険者達も出来るだけ守って上げてくれ」


自分がそう言うと、スライム達もスケルトン達も皆うなづいて、魔物達へ向かっていった。


「スライムって、あんなに早く移動できるんだな」

デニスさんが、また驚いています。

まぁ、自慢のスライム達ですから。


「それじゃ、自分も魔物を片付けて来ます。

あ、そうそう念の為、冒険者や兵士の皆さんに自分の従魔達を攻撃しないように伝えておいてくださいね」


「おぅ、それは任せておけ。

アキト、お前も本当に気をつけろよ。そして、頼んだぞ」


「はい。頼まれました!」


自分もジャンヌを伴って、魔物達に向かっていきます。




Side:ジョルシュ


魔物達の勢いが、少し弱まったか?

こちら側はギリギリ戦線を維持している状況ですが、それは冒険者側も変わらないはず。

何か、特別なことが発生したのでしょうか?


「ジョルシュ様、ギルド側から伝令が来ました」


「わかりました。すぐに通して下さい」


一人の冒険者が慌てた様子で、こちらに来ました。


「冒険者ギルドのデニスギルド長からの伝令です。

こちらで、Gランク冒険者のアキトを確保した。

アキトとその連れの女性剣士、アキトの従魔のスライムとスケルトン達が一気に魔物を減らすとのこと。

特に、スライムとスケルトンへの攻撃はしないようにお願いしたいとのこと。以上です」


アキト君が無事にダンジョンから脱出しましたか。本当に良かった。

ただ、ダンジョンを脱出したからといって、アキト君はこの状況をひっくり返すだけの実力があると、デニスが判断したのでしょうか?

しかも、スライムはアキト君がダンジョンでせっせと使役していたスライムのことでしょうが、スケルトンとは何処から・・・

スライムとスケルトンの実力も普通に考えれば、ここに迫ってくる異常な数の魔物をどうにか出来る強さじゃありません。

この1ヶ月でアキト君の身に何がいったい起こったのか。


「ジョルシュ様、報告。ギルド側が守っている方面から、スライムとスケルトンが他の魔物を倒しながら、こちらの方に向かっています。」

そんなことを考えていると、見張り台から、報告が上がって来ました。


なんとも、タイミングが良いことです。


「そのスライムとスケルトンは、ギルド側からの情報で味方とのことです。

こちらは、そのスライムとスケルトンに手を出さず、今の戦線の維持に努めてください。

急いで、各部隊にも知らせてください。」


「承知しました!」


デニス、アキト君、信じますよ。

あれ?この話でもアキト君が無双するはずだったのに・・・

まぁ、帰って来たら報告は必要です。


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