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スライム達も一緒に

3体のスケルトンとのループは、まさにスキルを得るだけでは強くなれないことを教えてくれた。

スケルトン達との戦闘は近接戦闘系のスキルを取得するには恰好の訓練だった。

3体のスケルトンとの戦闘、スライム天国で休憩、スキルを取得、そしてまた戦闘。

スキルは取得しやすくなったが、取得直後は、すぐに使いこなすことは出来ずに、スキルに翻弄される感じだった。

ただ、スケルトン達はそんな自分をボコボコにしながら、スキルを使いこなせるようにとの誘導があった。


やっぱり、ジョルシュさんの訓練と全く一緒だった。

模擬戦の中での教えてくれる訓練。

スケルトン達の力量で本気だったら、何度自分は死んでいることか。

しかし、自分はボコボコにはされるものの、間違っても自分が致命傷にならないようにと、上手く手加減をされている。



ある時、休憩を取っていると、スライム天国の中から、数匹のスライムが自分の前でぴょんぴょん、ぷるぷるとして、何かを訴えて来た。

よく、観察すると、どうやらスライム達もスケルトンと訓練をしたいと主張しているようだ。

使役した直後は、自分の命令には従うが、スライム達が何を伝えたいかわからないことが多かったが、スライム天国で一緒に過ごす時間が長くなると、スライム達の主張も理解出来るようになって来ていた。

ニックさんのスライム達の主張は結構長い時間いたが、あまりわからなかったので、使役した魔物だからこそ伝わる物なのかもしれない。


スライム達はぷるぷると自分を癒やしてくれれば、それで十分だと自分は思っていたのだが、スライム達自身は、マスターである自分がボコボコにやられているのに、何もしないなんて我慢が出来ないって、スライム魂を燃え上がらせてしまったらしい。

スライム達をスケルトン達は攻撃を加えないと分かったので、休憩してすぐにスライム天国に埋もれたいと思って、スライム達を出しっぱなしにしていた。

そこで、自分とスケルトンの戦闘をみていたから、そういう気持ちを燃え上がらせていったのかもしれない。


この訓練の鬼とかしているスケルトン達だから、きっとスライム達にも訓練はしてくれるとは思う。

ただ、もしかしたら、スケルトン達は自分には手加減をしてくれているが、スライム達には問答無用で倒してしまわないか心配だった。

なので、まずは自分からスケルトン達にお願いするのであった。


「すまないが、このスライム達にも訓練をつけてくれないか?

出来れば、自分と同じように致命傷にならないような訓練をつけてあげて欲しい。」

自分がそう伝えると、自分に主張をして来たスライム達もぷるぷる、ぴょんぴょんとスケルトン達に訴えている。


そんなスライム達の様子を伺っていた、スケルトン達から剣のスケルトンが前に出て、剣を構えた。

すると、スライム達は剣のスケルトンの前に進んでいった。

剣のスケルトンは、まるで「その心意気や良し。かかって参れ」とでも言っているかのようだ。

これは自分の勝手な妄想かもしれないが、スケルトン達の動きや表情から伝わってくるものが時たまある。

ただ、間違っている気もしないんだよな。スケルトン達は使役してないのに。


剣のスケルトン対スライム達は意外にも結構善戦をしていた。

スライム達は4匹いるのだが、2匹のスライムがスケルトンの攻撃を受けたり避けたりしつつ、残り2匹のスライムがスケルトンに対して溶解液をぴゅっぴゅっとやったり、体当たりをかけたりとディフェンスとオフェンスがキッチリ別れている。

勿論、スケルトンは手加減しているのだが、なんか自分よりも良い戦いをしているようで、微妙な気分になってくる。


そんな風に剣のスケルトン対スライム達を見ていたら、いつの間にか他のスライム達も近くに寄って来ていた。

しかも、ちょっと離れたところでは、槍のスケルトンとナイフのスケルトンもスライム達と戦闘を開始していた。

その周りにいるスライム達は、ただ見学をしているだけじゃなくて、次の順番待ちをしているようだった。

何、スライム達って皆好戦的なの?


そして、自分の休憩した場所からスライム天国は消えた。

全てのスライムがスケルトンと戦うか、それを見学しているのだ。

あぁ、せっかくの天国が崩壊してしまった。


そこで、シフト制を引くことにした。

スライム達は10匹を1チームにして、自分が休憩中は2チームをスライム天国用で、1チームが訓練。

自分が訓練をしている最中は、他2体のスケルトンに順番で全てのスライムが相手をしてもらう形になった。

本当は、自分が訓練中はスライム達の休憩時間で良いと思っていたら、スライム達とスケルトン達の双方からクレームが入った。

何故、そんなに戦闘民族なんだい。これが魔物のサガってやつか。


ちなみに、スライム達が訓練を開始した時から、一緒に訓練をしているのに、ゴミだけを与えるのは何か可哀想な気がしてきたので、チョコやアメのお菓子類や自分が食べている弁当も一緒に与えることにしました。

どうせ、魔力回復極大の効果ですぐに魔力は回復するので、これくらいは問題なしです。

そうしたら、スライム達は狂喜乱舞のぷるぷるをして、訓練にも一層頑張っている風に見えた。

やはり、日本の食事は偉大だな。



そういえば、スキル創造って誰かに与えることが出来るらしかったよな。

今までは、自分にしか使ってなかったが、使役した魔物にも使えるのだろうか?


スライム一匹を膝の上に載せて、タブレットを開く。

スキル創造を確認すると、スライムの項目があった。

多分、自分が指定したいのをタブレット側が認識してくれているんだろうな。

流石、メイドイン神様。優秀である。


スライムにもスキルを与えることが可能だが、取得に必要な魔力量が自分の項目とは明らかに違う。

溶解液や体当たりみたいに、実際に使っていた技のスキルはやはり取得しやすい。

逆に自分の項目にも溶解液ってのがあるんだが、なんだろう唾液や胃液を飛ばすと溶けるのだろうか。

必要な魔力量は非常に高いが、仮に取得可能になっても、きっと取らないだろうな。

逆にスライム側にも剣術や槍術みたいなのが、必要な魔力量が高いながらも存在している。

これは、スライムの身体から剣が飛び出るのか、それとも手が生えてくるのか非常に気になるところである。

いずれスライムの許可を取って取得させてみたい。

自分は拒否るのに、スライムには取らせるの?ってか。良いじゃないか、自分がスライム達のマスター何だから。嫌なら無理はさせないよ。


そんなこんなで、自分の休憩中には自分のスキルだけじゃなくて、スライム達にもスキルを与えていくことになった。



そんな訓練漬けの日々を過ごしていたら、やっと剣のスケルトンと競り合うことが可能になって来た。

様々なスキルと手に入れて、それをボコボコにされながら少しずつ使いこなしていくを繰り返すことで、ようやくこのスケルトンに並ぶだけの実力が備わって来た。

そこから、ちょっとして3体のスケルトン全てに負けないだけの実力が備わってきた。

まだ、勝てるというところまではいかないが、少なくともボコボコにされることはなくなり、毎回必ず善戦と呼べるまではいくようになった。


すると、3体のスケルトンは何か打ち合わせのように顔を合わせていた。

いや、あんたら骨だけだから声を出せないのに、何を打ち合わせしてるんだ。

あれ、もしかして、このいつ終わるかも分からない訓練も終わりが見えて来たのか。


すると、剣のスケルトンがいつものように剣を構えて自分に向かって来た。

なんだよ、終わりじゃないのかと思いつつ、剣を合わせていく。

そうしたら、急に横合いから槍が飛んできた。

なんとか間一髪回避したが、剣のスケルトンの横には、槍のスケルトンが並んでいる。

あれ、2対1なの。え、マジかよ。卑怯だろ。ありえない。


もしかしてと思って、ナイフのスケルトンを探したら、スライム達と訓練をしていた。

ふぅ、何とか3対1はしのいだのか。


そんなチラ見したのを確認すると、2体同時に向かって来た。

なんとか、捌こうとするが、こっちは剣1本で向こうは剣と槍の2本。

どんどんと追い詰められていく。

まるで、敵が常に1人とは限らないよ。ここからは1対複数の戦闘を教えてあげようとでも思っているんだろうな。


こうして、ボコボコの日々はまだ続いていた。


段々とアキト君も強くなって来ました。

まだまだボコボコ中ですけどw


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