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お酒の催促

無事に長期休みも終わり、授業は再開された。

学園長先生もリリスちゃんを海沿いの街から一度エルフの里へ戻す関係で俺達が直接王都へは帰らないのを知っていたので、エルフの里で俺達を待っていた。

結局、帰りもユーリアと学園長先生を連れて、王都へ戻ることになった。

まぁ、学園長先生には来年有望な冒険者を魔術学園へ送りたいって話も出来たので、良かったのかも知れない。

クラス分け試験では贔屓は出来ないけど、もしちゃんと実力を示せれば目をかけてくれると言質も頂いた。

これは、ケイト達ナスカ冒険者組をきっちりと鍛え上げないとな。


さて、授業が始まったがそれと並行して色々と考えている。

今回の長期休みでコアの能力が格段に向上していることが分かった。

特に俺のスキルに対してコアが出来ることが増えているのだ。


改めて整理をすると、

俺のアイテムボックスをコア経由で俺の許可したものならば、他の人間も出し入れができるようになった。

俺の従魔以外である、人ともコア経由で会話をすることができるようになった。

魔力を与えることで、通常はダンジョン化するのに適さない場所でもダンジョンを形成できるようになった。

本来は俺が一度訪れたことがある場所でしか転移ができないのを、コアの複製を置くことでそこに転移ができるようになった。


今回の長期休み前後で発覚したのはこんなもんかな。

これは、俺とのコアとの親和性が上がって来たことかも知れない。


『コア、今のところはこんな感じだけど、他にも俺のスキルとコアの能力でできそうなことってあるの?』


『今のところは、こんなものじゃないだろうか。

でも、もし主がこんな風にしてみたいと望めば、案外できるようになるかも知れないぞ』


そんな風に出来るようになるのだろうか?

まぁ、今でも十分なのに、さらに便利になってしまったら、その分俺が堕落してしまいそうな気もするな。


でも、せっかくこれだけの能力があるならば、何か新しいことができないかな。

俺自身は、魔術学園を卒業したら、冒険者として旅に出ることに決めているが、別にそれ以外のことをしないとは決めていない。

何か、面白いことにこの能力を利用できるならば、色々と試してみたいな。


寮の部屋でそんなことを考えていたら、ノックがあった。

部屋の外にいたの、ジェフリーだったので、部屋に入るように促した。


「おぅ、ジェフリーどうしたんだ?」


「あぁ、キリン様が話をしてくれていた、コンスタン王国での話を父上にしたところ、事の重大さが加味されて、直接国王陛下に直接お話をする機会があったのだよ。

話自体はスムーズに出来て、今はコンスタン王国の王が変わっただけで、それ以外は特段変化がないが、何が起こっても対処できるようにしておくってことで話は終わった。

ただ、国王陛下と宰相殿から一つ頼みを受けてしまってね。

どうにも、ブレアフル辺境伯が王都へ訪れた際にアキトの用意したお酒が2人に振る舞われたらしいのだよ。

それが素晴らしいってことで、どうにか僕を経由して手に入らないかと依頼を受けてしまった。

まぁ、俺もちょくちょく貰っているから、気持ちは分からないでもない。

あと、国王陛下直々に褒美を与えても良いのでお願いしたいってことなんだよ。」


あぁ、ブレアフル辺境伯が俺の正体を王様達に教える時に何か証拠をってことで、地球産のお酒を用意したんだったな。

そういえば、長期休みから帰って来た時にブレアフル家の次男で、魔術学園の教師をしているゲルトさんに魚介類のお土産を持っていったら、さらに酒類も所望されたな。

その時に、初めてゲルトさんの奥さんにお会いしたが、確かあの人の父親が宰相閣下なんだよね。

アルコールは依存性が高いと言われているが、地球産の酒類はさらに依存性が高いのだろうか。

まぁ、地球では紀元前数千年前から酒と人との付き合いが始まって、蒸留酒等の開発もあって、長い年月をかけてどんどん発展していったからな。

異世界産の酒類にはまだまだ負けるわけがないか。


別に、今回地球産の酒類を提供するのは良いんだけど、その後だよね。

地球産の酒を提供し続ける為に、俺が冒険者として旅に出られなくなったら、それは困るな。

コアの複製を渡して、アイテムボックスで出し入れっていうのも出来るけど、ジェフリー達に渡すのは良いけど、王様に渡すのはちょっと嫌だな。

それに、王様が酒類を所望するから、毎度転移で王都に帰って来るのは、もっと嫌だな。


例えば、地球産のお酒を売ることが出来るお店が出来れば良いのかも知れないけど。

あ、つまり俺が商会を作れば良いのか。

商品自体は、俺のコアの複製を使えば、アイテムボックス経由でいくらでも準備が出来る。

でも、俺に商会を運営するノウハウがないし、俺自身は冒険者として王都を離れるから信頼の出来る従業員も必要だ。

結局は信頼できる人脈ってことか。

この王都で信頼出来るってなったら、Sクラスメンバーが一番だな。

まずは、相談をさせてもらおうかな。


「ジェフリー。今回はお酒を提供するのは、何も問題がないんだけど、その後のことを考えていきたいんだよ。

きっと、この後もこういう要請は来るだろうけど、俺は魔術学園を卒業したら世界中を回るつもりだから、王都に常にいるわけじゃない。

だから、商会を作って地球産のお酒とかを売ってみようと考えているんだ」


「そういえば、俺がこの寮に来た時にそんな話をしていたよね」


そういえば、ジェフリーが寮に来た時にそんな話をしていた。

あの時は、ちょっと考えてみるって言ったけど、バタバタしていてほとんど考えてなかったわ。


「そ、そういえば、そうだったね。

まぁ、商品は俺が世界中何処にいようと、コアの複製を利用したアイテムボックス経由で商品は準備する事が出来るはずなんだよ。

だけど、結局は地球産の商品を扱うことになるから、信頼できる人物に商会を任せたいんだよね。

ただ、そういうツテがないから、ジェフリーに相談をしたいんだよ」


「俺と言うか、父親を中心とする第一王子家や国王陛下のお抱えの商会ならば、紹介することも出来るし、王族がその気になれば優秀な人材は集められるんだよ。

ただ、絶対に王族というか国の絡みが関わって来る人材になってしまうんだよ。

それって、アキト的には微妙な感じがしない?」


「うーむ。それって、末端の従業員1人1人まで見ていくと排除するのって難しいでしょ?」


「そうだね。従業員を募集すれば、まぁ国の関係者を入れ込もうとしてくるはずだし、僕やアキトも気が付かないうちに入って来る可能性はあるよ」


「最悪、俺のコアが本気で身辺調査をすれば、排除することも出来るだろうけど、別に悪いことをしているわけじゃないから、そこまでするつもりもないんだよね。

ただ、商会のトップや各店舗を仕切る人は俺が信頼できる人が良いな」


「だったら、他のSクラスのメンバーにも聞いてみようよ。

ここで俺達だけで相談をしても、どうせいい人材なんて出てこないのだろうしさ」


「それもそうだな。

他のメンバーに相談すれば、何か良い案が浮かぶかもしれないな」


「じゃあ、その件は明日の放課後にでもってことで。

申し訳ないけど、国王陛下や宰相殿にお渡しするお酒の方かなり催促されてしまってさ。

あと、その話を一緒に聞いていた、うちの父上も欲しがってしまって、その分も多めに貰えないだろうか?」


ジェフリーが申し訳無さそうにお酒の催促をしてきた。

まぁ、ジェフリーも王様や宰相、それに自分の父親にまで催促をされてしまったので、それも仕方ないだろう。

ジェフリーの用意した、アイテムボックスの効果の付与された袋に大量に酒類を入れて渡した。


ごめんなさい。

18時の予約投稿には間に合いませんでした。


でも、一応毎日更新継続ってことでw

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