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海中ダンジョンへ到着

アナベラさんが近衛兵を集めて来たのだが、かなりの人数が準備をしている。

こんなに兵を集めて、別荘の護衛の人数は揃っているのだろうか。


「急遽、この街の領主にお願いをして、一時的に領兵を別荘の周りに配置をお願いして、王都からここに来ている近衛兵は全員集めました。

使用人達も護衛の心得はあるので、短時間ならば大丈夫との判断です」


なんと、ここに来ている近衛兵を全員集めたそうだ。

しかも、皆さんめっちゃやる気に溢れている。


そういえば、ここに来た当初、ジェフリーとのやり取りで、ここの近衛兵でも俺のが強いみたいな話をしてしまっていたな。

直接、俺にってわけじゃないけど、俺の従魔であるジャンヌに対して実力を示そうと思っているのだろう。


まぁ、こちらのジャンヌも準備万端である。


「ジャンヌ。流石に近衛兵全員をぶっ倒れてしまうと、ここの守りが心配だから、多少の手加減はしてくれよ。

俺らがダンジョンに行ってもリリスちゃんは残るのだから」


「主よ。分かっていますよ。

その辺は上手くやりますので任せてください」


俺としては、どんだけ近衛兵を集めたところでジャンヌが負けるとは思っていない。

それよりも、俺達がいない間のリリスちゃんが気になる。


「リリスちゃん、ちょっといいかな?」


「どうしたの?アキト兄。」


ユーリアのそばにいたリリスちゃんが寄って来た。

俺は従魔のスライムを一匹召喚した。


「リリスちゃん、俺達がいない間に何かあるといけないから、このスライムを預けておくよ」


「あ、可愛いスライムだ!このスライム強いの?」


「俺と一緒に訓練をしていたから、かなり強いはずだよ」


「そうなんだ。じゃあスライムちゃん、よろしくね」


リリスちゃんに抱かれたスライムがプルプル震えている。


「アキト様、ジャンヌ様。お待たせいたしました。

こちらの準備は整いました。そちらはよろしいですか?」


「えぇ、いつでも大丈夫ですので早速やりますか」


すると、ジャンヌと近衛兵達が相対する。


「それでは、模擬戦を始めます。はじめ!」


アナベラさんの合図で模擬戦が始まった。




数十分後、近衛兵達が死屍累々のようが姿でぶっ倒れていた。

流石にジャンヌである。勿論、死傷者は出ていないようである。

だいたい、2/3ほどがジャンヌの一撃でどんどん気絶をしていってしまって、残りは疲労困憊で倒れてしまった感じだ。

まぁ、すぐに復活するだろう。


アナベラさんはあまりの実力差で驚いてしまっている。

そりゃ、ジェフリーを止めるってことは、近衛兵達が勝つと思っていたのだろう。

それがあまりにも一方的な展開では、仕方がない。


そんな模擬戦を見ている間に、皆が俺のそばへと近づいていた。

ジャンヌも模擬戦が終わったら、俺のそばに来ている。


「それじゃ、アナベラ。ジャンヌさんが勝ったので、早速ダンジョンへ行ってくるよ。

リリスちゃんとこの別荘のこと頼んだよ」


「で、殿下。ちょ、ちょっと待ってください。

これはなにかの間違いで、殿下にダンジョンに行かれるわけには・・・」


「ユーリア姉。アキト兄。みんな、いってらっしゃ~い。気をつけてね。」


気が動転しているが何とか引き止めたいアナベラさんと、お見送りをしてくれるリリスちゃんを見ながら、ダンジョンへの転移をした。




模擬戦の準備の間、海中捜査をしてくれた魔物にコアの複製をダンジョンへ運んでおいて貰った。

そのコアの複製を目印に、一度も俺が足を運んでいない場所への転移を試してみた。

無事に全員を連れて、ダンジョンへの転移をすることが出来たが、俺も初めてだったから事前に1人で試しても良かったな。


さて、たしかにこのダンジョンは空気もあり、洞窟の様な場所になっている。

ただ、入口はなくその代わりに池のような部分があって、そこが海と繋がっていて、通常はそこを通らないとこのダンジョンには入れないのだろう。

こりゃ、普通に発見するのは、かなり大変だ。


『主よ。無事に転移が出来たようで何よりだ』


『人数もいたし、そこそこ魔力は使ったけどね。

でも、コアがいなければ出来なかったよ。ありがとうな』


『私は主の従魔なのだから、礼には及ばんよ』


うん、うちのコアは本当に優秀な従魔です。


『それで主よ。今更こんな話もあれだが。

主達のパーティは戦闘面では何も心配をしていないが、ダンジョン内のトラップ等に関してはいささか気になる点もある』


う、確かにコアの良いことも一理ある。

実際に俺が攻略したダンジョンも最初は途中でコアに強制転移をさせられて、最奥でジャンヌ達に出会ったものだし、他のはナスカの停止をしてしまったダンジョンにコアの複製をはめ込みに行っただけなのだ。

実際に、ダンジョン内でトラップの様な経験は、その強制転移くらいしかない。

あ、地味に今回のダンジョンでは、そういうのが危険なんじゃないか。

ジェフリーだけじゃなくて、皆は連れて来ずに俺1人で攻略した方が良かったのかも。


『主だけならば、その能力でトラップ等にかかってもゴリ押しで進めることが出来るだろう』


『うーむ、じゃあ今から俺が1人で攻略するからって、皆にここで待っていてなんて言えないよな』


全員しっかりと装備を整えて、準備運動なんかしている。

今更、やっぱ待っていてなんていえる空気じゃないし、言ったとしても付いて来るってことになりそうだな。


『それでは、主よ。

これは成功するかわからないが、一つ試してみたいことがある。

足元にここへ転移するのに使った私の複製があるだろう』


確かに、ちょうど足元にコアの複製が転がっている。


『それを海岸で海中型の魔物を出すのに作ったダンジョンと同じ要領で、この場所に魔力を注いではめて欲しい』


『もしかして、そうすればこのダンジョンをコアの物にすることが出来るのか?』


『いや、残念ながら、そこまではすることは難しいだろう。

ダンジョンコアがある場所が、そのダンジョン内で一番魔力が溜まっている場所になるので、主に延々と魔力を注いで貰っても私が管理権を奪うのは厳しいだろう。

ただ、このダンジョンに干渉をして、トラップの場所を察知することは出来るかも知れない。

何もせずに向かって、主の仲間がトラップに引っかかるよりはマシではないだろうか』


確かに、それでトラップを見つけることが出来るならば、試して見る価値はあるだろう。

皆に事情を説明して、コアの指示に従いながら作業を進める。

ジェフリーやダキニなんかは、トラップなんか自力で乗り越えてやるって言い出したけど、本当に止めてくれ。

特にジェフリー。アナベラさんの静止を振り切って、待望のダンジョンに来られたからなのか、テンションが上り過ぎている。

最近は魔術学園でのびのびとやれていたのが、この別荘では王族の身分ってことで護衛や使用人の目が多くあって、その反動もあるんだろうな。

まぁ、普通にユーリアやシーラがコアでのトラップ探索に賛成してくれたので、こうやって作業をしている。

シーラは冒険者歴もしっかりあるので、ダンジョン内でのトラップの危険性も把握していて、ジェフリーやダキニを説得してくれたのも大きい。


というわけで、コアの複製をはめ込んだ場所で魔力を注いでいく。

15分程度だろうか、コアから声をかけられた。


『主よ。無事にトラップの把握は出来たと思う。

ただ、私も初めてのことなので、取りこぼしが全く無いとも言えないので、主が進む先で確認はするつもりだ』


『そういえば、トラップ以外にも地図みたいなのも把握できている?』


『それも勿論できているぞ。

ナスカのどのダンジョンよりも階層は少ないし広くもない、新しいダンジョンかと思う。

ただ、最奥のダンジョンコアのある場所は全く状況が把握できていないので、注意して欲しい』


無事に海中ダンジョンに着きました

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