プロローグ
なろう小説大好きすぎて、とうとう書き始めてしまいました。
初めての小説でなかなか文章にするのに時間がかかりますが、へたらないように続けていきますので、どうか温かい目でよろしくおねがいします。
気がついたら、真っ白な空間だった。
確か、狭くとも気楽なワンルームの我が家で寝ていたはずなのに。
明日は仕事が休みなので、家でとっておきの牡蠣の燻製缶で日本酒を楽しんで寝たはずだが、その缶詰の空き缶も見つからない。あの残った油でパスタを作ると美味しいのに。
そういえば、寝起きのはずなのに喉の乾きも空腹感も全く感じ無いな。
そんなことを考えていると目の前には、金髪でスタイルの良い美人と黒髪の可愛らしい幼女が現れた。
じっと見ていたわけでもないが、何もないところから急に現れたように思える。
「始めまして。私は地球の管理神の一柱、アステラと申します」
「突然すまんの、ワシはトゥーダローカの創造神であるブラマーなのじゃ」
管理神?に創造神?マジで神様か。
地球は勿論分かるが、トゥーダローカってなに?
本当に神様かどうかはわからないが、その雰囲気から人間を超越した存在なのはなんとなく理解できてしまう。
とりあえず、金髪ボインが管理神のアステラさんで、偉そうな幼女が創造神のブラマーさんとのことらしい。
「どうもはじめまして、中村明人です」
なんで、こんな風に自己紹介をしているのだろうか?
「中村様、急にこのような状況で驚かれているかと思いますが、どうぞこちらにお座りください」
またもや、いつ現れたのかわからないが、白いテーブルと椅子が設置されており、2人は既に椅子に座っており、アステラさんが手招きしながら呼んでくれた。
自分も椅子に座ると、目の前には極上の紅茶のようなものがあった。
香りも非常に良くて一口飲んでみたが、普段から紅茶を飲まない自分だが非常に良いものだとわかった。
「さて、落ち着かれたようなので、ここに来て頂いた理由を説明します。大変に申し訳ありませんが、あなたには異世界であるトゥーダローカに行っていただきたいと思っています」
「トゥーダローカは、ワシが作った世界なのじゃ!」
要は異世界転移をするためにここに呼ばれたらしい。
最近良く読んでいたライトノベルみたいなことが身に起こるんだな。
その異世界を作ったのは、ブラマーと名乗った幼女が作ったのか。
幼女に見えても、創造神と名乗っていたからな。
「それって、異世界へ行くのはもう決定なのですか?」
まぁ、こういうのはだいたい物語のお約束どおり強制なんだろうけどさ。
「いえいえ、中村様がどうしても嫌だとおっしゃれば、拒否頂いても大丈夫ですよ」
「ワシらとしては、お主が一番こちらの希望に沿っているので、お主に来てもらいたいのじゃがな」
なんとも、選択肢を与えてくれる神様らしい。
物語の神様とは違って話が通じるじゃないか。
「もし拒否されても特に何かペナルティがあるわけでもありませんし、ここでのやり取りは夢みたいなものと認識されてすぐに忘れてしまうでしょう」
それなら、まぁ検討ぐらいしてみるか。
「そうですか。では、どうして、自分がその異世界、トゥーダローカでしたっけ、そこに行かなければならないのですか?」
行く行かないを決めるにも、まずは情報がないと決められないしな。
「それはですね、地球でもトゥーダローカでも同じなのですが、すべての生物が輪廻転生を繰り返すことで魂のエネルギーを増やしていき、簡単に言うと、その魂の循環によって世界を維持していくシステムが構築されているのです。」
「トゥーダローカは、ワシが日本のRPGやラノベをモデルに作ったのじゃが、このエネルギー循環が少し滞っておってじゃな、このままでは維持が上手くいかなくなるかもなのじゃ」
「中村様の魂は、非常に高エネルギーでありつつ、ちょうど今がトゥーダローカにも波長を合わせやすそうな魂の状態だったのです」
「まぁ、要はトゥーダローカに対するカンフル剤みたいなものじゃ」
カンフル剤になりに行くのか。
まぁ、でも異世界を維持するのに必要なカンフル剤なんだろうけどさ。
「ちなみにトゥーダローカに行くとして、何をすればいいのでしょうか?」
カンフル剤なりに何かをしないと行けないのだろうか?
「いや、特に何もやってもらわないといけないことはないのじゃ。しいて言うならできるだけ長くトゥーダローカで生きてくれれば、それで良いのじゃ!」
ん?特に何かをしないといけないわけでもないのか?
「目的自体は、強力な魂をトゥーダローカの循環に入れることですから、長生きして頂ければ中村様の魂が上手くトゥーダローカの循環に馴染むと思われますわ」
ただただ、異世界で生活してればいいらしい。
まぁ、魔王を倒せとか言われるよりはマシだな。
「ちなみに、このままの状態でトゥーダローカへ送られてしまうのでしょうか?」
昨今のRPGやラノベを参考にしているならチートなスキルはあるはず。
ただ、チートなしで異世界なんかに送られるパターンも最近は多いからなぁ。
「そこなのじゃが。せっかく歩んでいた人生をワシらの事情で異世界に送ることになるので、もしトゥーダローカへ来てくれるのなら、できる限りのスキルは与えたいと思っておるのじゃ。
ただ、ワシもトゥーダローカに地球人を招くのは初めてなので、お主と相談をして決めたいと思っておるのじゃ」
「今回は地球の管理神の一柱である私もスキルを授けようと思っているので、トゥーダローカ行きを決めていただけるなら、3人で相談して決めましょう」
なんと、神である2人も申し訳ないと思っていて、しかもスキルをただ与えるだけじゃなくて、相談して決めると言うのだ。
これは、かなり有利な条件じゃないだろうか。
「どうじゃろうか。もし、少し考えたいならワシらは席を外して考える時間を与えるぞ」
そう言って、2人は席を立とうとしたが、
「いえ、決めました。どうぞ異世界へ連れてってください。」
まぁ、両親は既に亡くなっており、兄弟も恋人もいない独身として、地球に未練もそれほどないので、異世界で新しい人生も良いだろう。
「そうか、そうか。よし、じゃあ気が変わらぬうちにスキルを決めてしまおう!」
ブラマーさんが、嬉しそうに喜んでいる。
こちらとしても、異世界を悠々自適に過ごせるスキルを手に入れるのに、少し頑張るか。
「ふぅ、つかれたのじゃ。素直にトゥーダローカ行きを決めてくれたと思ったら、決まってからのが随分時間がかかったのじゃ」
「まぁ、異世界にいくとなれば、それだけ慎重に準備が必要ですわね」
神様2人は、ぐったりと椅子に座り込んでいるが、こちらはホクホクだ。
営業をやっていたが、それほど成績が良かったわけでもないが、流石に新しい人生がかかっているので、やれるだけやらせて貰った。
全部が全部希望通りとはいかないが、概ねこちらの希望が通った形だ。
「さて、スキルもしっかり準備できたし、そろそろトゥーダローカに送るのじゃ」
黒髪幼女のブラマーさんは、指をパチンと鳴らした。
そうすると、足元に魔法陣のようなのが光りだした。
ここから異世界へ転移されるらしい。
「ワシらもたまには見ておるので、達者に生きるのじゃ」
「まずは、異世界についたら能力の確認を忘れないでくださいね」
神様2人が手を振って見送りをしてくれている。
「それじゃ、異世界を満喫してきます!」
魔法陣から光が一気に溢れ出して、あたりが眩しくなり目をつぶってしまった。
すると、地面が消えたように浮遊感があり、まるで宇宙に放り出された気分だった。
こうして、自分の異世界での生活が開始されるのだった。
いかがでしたでしょうか?
これから、よろしくおねがいします。
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