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001 第二小隊

ご覧頂き、誠に有難う御座います。

皆様の暇潰しになればと思っております。

評価して頂ければ幸いです。


 


 第二防衛軍待機所、そこに俺が寝泊まりする隊長室がある。

 まぁ、作戦なんかの伝令もそこに来るわけで小隊の長である俺がこの部屋に居ないと何かと不便な訳だが、何やら中が騒々しい…察しはついているが。

 配付されているカードキーを当てて自動ドアを開ける。


「だからなんでフォルが私の下着着けてるのよ!?」

「さっきも理由を述べたのに、シルトって頭悪いわね。私のが乾いてないから借りてるって言ったわよ」

「もー!そういう事じゃない!私が聞きたいのはわざわざ私の引っ張り出して履いてるのって話!フォルは一着しか持ってない訳!?」

「そんな訳ないでしょ、ちゃんと二着あるわ」

「二着でも少ないわよ!」

「おい、いい加減にしなさい」

「「隊長ー」」

「なんでお前らが俺の部屋にいるんだ?後、服を着ろ」

「「ここは隊長のプライベートルームじゃない」わ」

「だとしてもだ!」

「だってフォルが私の下着パクったんだよぉ」


 この金髪ショートはシルト・ベルナールは[難攻不落]と呼ばれ、どんな戦況に置かれても己、味方をドラゴンの攻撃から守りきり、尚且つ機体に傷一つ残さないことでその二つ名が付けられた。

 本人は我慢弱い性格をしているが…


「パクってないわよ!人聞き悪いこと言わないでよシルト」


 黒髪ロングのフォルシオン・ヴィシーデは大人しそうな見た目とは裏腹に[驍勇無双]の二つ名を持ち、幾多ものドラゴンを屠ってきた実力者である。

 そんな彼女等を纏めるのはこの俺、ヴァレル・リロードだ。

 これまで何度も出撃して生き残った実力はあるが、彼女達みたいに優れている訳でも指揮官として優秀な訳でもないが何故か隊長を任されている。歳のお陰だと思っているが。


「1回落ち着けって。取り合えずお前らは服を着なさい」

「「はーい」」

「ったく。前回の第四、第七小隊のお守りをしてくれたお前達に各隊長からお礼が来てるぞ。後で読んどきな」

「いつも守り切れるとは言えないから自分の身は自分で守って欲しいよ」

「そぉ言いながら皆の盾になってくれるシルトはツンデレかしら」

「そぉ言いながら皆の剣となって切り込み隊長を買ってでるフォルさんマジパネェっす」

「バカにされてるような言い方ね」

「気のせいだって。ねぇ隊長」

「口の減らない奴等だな。まぁ二人のお陰で俺も無事生還出来てる訳だがな」

「紐だね」

「紐だわ」

「どうせ紐ですよ、シルト程の守りは出来ないしフォルみたいに切り込むことなんてもっての他だ」

「隊長にそぉ言われると」

「悪い気はしないわね」

「忘れてたが、今日は哨戒任務と並行してフォルの新装備を試すぞ」

「この間言ってたアレかしら?」

「そうだ。前回の戦闘で刀身が折れたからな、上に頼んで試作品を卸して貰ったんだ」

「流石隊長ね」

「いいなぁ。私も新しいの欲しい」

「シルトに合った装備は専用設計で開発が進んでいるから待ってな」

「やった!期待してるよ隊長」


 着替えの済んだ二人を引き連れてハンガーに来ていた。

 ここに格納されているのはADCと呼ばれる二足歩行汎用型対竜機兵であり、俺達が搭乗する機体は最新鋭の[MMAS―2 リベリオン]だ。

 細かな所のカスタムや装備は各機異なるが基本は同じで、ある程度の高度まで飛行を可能にしている。

 人間同士が戦争をしていた昔は、戦車や戦闘機が陸で活躍していたが、平和と共に技術が衰退してしまい残った資料だけではドラゴンに勝る機体を造れない為、作業用の搭乗型機体を各国が総出で改修して全く異なる戦闘兵器を造り上げた。

 それがADCの試作機であり、十分な戦果が期待出来ると生産ラインを独自の物とし、ドラゴンに対向出来る唯一の兵器[MMAS―1 ルシフェル]が導入されたのだ。

 さらに新フレームと装甲、出力、武装、活動時間を増した新型のリベリオンによって活路が開かれて来ていた。

 これが聞いているADCの開発経緯だ。


「ねぇ、剣が細くなってるわ」

「あぁ、これが新装備の打刀と名付けられたブレードだ。極東の剣をモチーフにしたらしく、貫くことを主眼に置かれているが切れ味も今までのとダンチだそうだ。その分刃こぼれしやすいから気を付けろだと」

「へぇー、こういうの良いわね」


 これまでに使っていたのは両刃のロングソードは俺の機体にも装備されている謂わば標準装備品だが、今回フォルの機体に装着された打刀は重さで両断するロングソードと違って、刀身の切れ味だけでドラゴンの首を切り落とせてしまい、硬い鱗も貫ける程の鋭利な剣先となっている。

 俺もこれが欲しかったが、2本しか貰えなかったので二刀流を得意とするフォルに譲ることにした。


「気に入ってくれて何よりだ」

「私のも期待してるからね」

「出来次第持ってこさせるから待ってなさい」

「楽しみが増えた」

「女性らしからぬ事で喜ぶな。少しは女の子らしくすればいいのに」

「セクハラだわ」

「うわぁー隊長セクハラなの?」

「ふざけてないで早く乗れ」

「「はーい」」


 いつもコイツ等は手がかかって仕方がない。実力はあるんだがなぁ…

 とうだうだしている内に任務開始の時間が迫ってきたのでそれぞれ愛機に搭乗して発進準備に取り掛かった。

 俺の愛機は[MMAS―2aaa リベリオンCカスタム]、コマンダー用にカスタムされた機体で、出力UP、スラスター増設で機動性を上げている。

 武装はメインに機体から電磁エネルギーを供給することによって使用出来るEライフル、サブにロングソードと魔法陣(マジックサークル)内蔵することで魔法弾(マジックバレット)を撃ち出すMピストルに固定シールドだ。

 この15メートルの巨体を動かすエンジンは作業用で使用されていた魔術エンジンを高効率化したディアブレエンジンを搭載している。

 基本的な出力は皆同じ (カスタム機は出力増し)であるが、リミッターを解除することにより乗り手の魔力次第で更に出力を上げることが出来る。

 因みに、型式のMMASは Mass Mechanical Assault Soldier 量産型強襲機械兵の略。


「さぁ、第二小隊出るぞ」

『『了解!』』










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