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梅雨の終わり、奇跡の始まり  作者: あららったったの
8/23

8:めいはみことで、みことはめいで、 【6月29日 夜】

8

「みこと」

遠くから私を呼ぶ声がする。お母様だ。私、また何かしたっけ。自分の行いを思い出す。が、何をしたかはおろか、自分が今、何をしているかさえ、わからない、お母様の足音が近づく。私は恐る恐るお母様の顔をみる。やはり微笑んでいた。しかし、今回はいつもの含みを持った作り笑顔ではなく、母親の笑顔をしていた。懐かしい。そう思った。いつぶりだろうか。涙が溢れる。それに、お母様が私を「みこと」だなんて。まるで小さい頃…まだ父さんが生きてた頃みたいに。気づくと息が荒くなっていた。声をあげて泣いた。そんな私を見てお母様は私の頭を撫でた。私はお母様に抱きつく。お母様が言った。

「何か聞きたいことがあるんじゃないの?」

「えっ…と…」

私は泣きながら答える

「なんで…な…んで…お母様は、私を…めいって…呼ぶ…の?」

お母様が答える

「めい、それはね」

刹那、全身に寒気が走った。お母様を見上げる。その顔はいつものあの微笑みだ。お母様は言った。

「しるし、だからよ」

その声は私の脳内で反響し、泣き声はやまない。しかし、私のものでない泣き声が聞こえた。次の瞬間、夏希の大きな声が聞こえ、遠くできせきの声も聞こえた。そう、夢オチだ。

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