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梅雨の終わり、奇跡の始まり  作者: あららったったの
12/23

12:しくじった高田周斗を相棒のユーモアが迎え撃ち、 【6月29日 午後】

12

「はあ、なんだそれは。高田君」

バンの運転席に座る相棒、馬場が言う。

「だから」と俺はもう一度説明する。

馬場は納得していない。

「なんだそれは。そんな、アニメ映画みたいな展開あるか」

「どうゆうことだよ」

「お前は機械技師の少年か。俺は親方か」

「話が読めないんだが」

「そうか、そいつは光るペンダントでもしてたか」

「してなかった、と思うが」

「だってそいつは、例のそいつは無傷だったんだろ」

「少なくともそう見えたな」

「どうゆうことだよ、無傷なわけないだろ」

「だけど、血は出てなかったし、笑顔で、しかも結構な大声で俺にこう言ったぜ?『ごめんなさい、作業員のお兄さん』ってな」

「そのあとどうしたんだ」

「見ての通り、腕を骨折した」

「お前じゃねぇ、その、例のそいつだ」

「ああ、走ってったぜ?」

「ますます意味がわかんねえ。だいたいおかしらにどうやって説明するんだ。そんな冗談みたいなこと言ったら殺されるぞ」

「でも、事実だ」

「しかもお前は腕までポッキリしたんだろ。しかも両方」

「ああ」

「俺はアレは使えないんだぜ?」

「知っている」

「どうするんだよ」

「どうしような」

「とりあえずおかしらのところに行くぞ。だからその作業服早く脱いでスーツに着替えろ。着替えたら車、出すぞ」

「わかった」

俺が彼の後ろの座席で着替え始めると、彼はこう呟いた。

「40秒で支度しろ」

バックミラーを覗くと、彼のにやけた顔が見えた。


[次話:主人公たちは目的地に近づくが、そこは目的地ではなく、]

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