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梅雨の終わり、奇跡の始まり  作者: あららったったの
10/23

10:きせきは遅れる夏希に苛立ち、 【6月29日 夜】

10

遅い…遅すぎます!一体何してるんでしょうか。私達は駅でもうずっと待ってるっていうのに!つい、口に出てしまいます。

「遅い!」するとみことが隣から、

「じゃあ、置いてく?」

「お、名案!」じゃあまず切符を…と思って切符を買う機械の前に進みます。そして気づき、みことに伝えます。

「切符…どうやって買」

「しらない」

「即答だね。早すぎるって」

「だってしらない」

「じゃあどうすんの」

「じゃあ…」と夏希。夏希は続けます、

「夏希を待つとかは?あいつなら知ってそう」

「お、名案!」私は大きな声で言いました。

ーーー

私は家に帰るとすぐ、冷蔵庫の中身を確認し、それで足りることを確認すると、お料理を始めました。30分くらいで出来上がり、それをお弁当箱に詰め、水筒にお茶を入れ、おやつはもちろん300円以内のものを選び、それらをリュックに入れました。そこで思いました。3人だから、900円以内なら大丈夫なのでは?と。そこで、900円以内のおやつに変更、詰めました。今日が金曜日でよかったです。おばさんが来ないから。玄関を出ようと思ったその時、ふと思いついて部屋に戻り、私の宝物箱を開け、考えた末、その中から3つ、お守りを持っていくことにしました。それらを首にかけ、さっき羽織ったワンピースの下に入れます。これで準備万端。私は玄関を飛び出しました。

ーーー

駅に着きました。駅にはたくさんの人がいましたが、その中からみことを見つけるのは簡単でした。みことは、いつも、学校にいるときも大きな麦わら帽子をかぶっているのです。それは今日も同じでした。見慣れた麦わら帽子を見つけると、その下に、ワンピース姿のみことがいました。本を読んでいました。ばれないように後ろに回り込み、後ろから走って行って抱きつきました。正確には、抱きつこうとしました。その瞬間、みことは左にジャンプし、私は地面に抱きつきました。大きな音がしました。見上げるとみことが、本から目を離さないまま、

「大丈夫?」とわらっていました。

私は立ち上がり、全身を見回して言いました。

「大丈夫、傷ひとつないよー」

次に周囲を見渡して言いました。

「夏希は?」

「まだ来てない」

そこでみことはやっと本から目をあげ、少し周囲を見渡して、さらに私のことを見て、

「随分張り切ってますね」と言いました。

「そりゃ、遠足なんて何年ぶりよ」

「遠足なのか」

「遠足なのだ」

ーーー

夏希を待つことにした後、すぐに夏希は来ました。走ってくるのが見えたので、手を振ると、手を振り返してくれたので、思わず、

「なっちゃんだ!」とさけびました。

「夏希だな」とみこと。

夏希は大きなカバンを持っていました。私は背が低いので、私くらいなら入りそうなくらいの大きさです。私は言いました。

「随分張り切ってますね」

夏希はなにも言いませんでしたがみことがこう言いました。

「だって遠足なんて何年ぶりよ」

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