僕とお菓子と、君と甘々
テーマ「しあわせ」
僕はお菓子食べるのが好き
チョコレートにクッキー
甘いものを食べると幸せになれる
一人で美味しいお菓子をこっそり集めて
ひっそりと隠れて食べるの
他の人に見つかると
食べる量が減っちゃうからね
気がついたら君が来てた
君もお菓子を食べるのが好きみたい
キャラメルにキャンディー
君も一人でこっそり集めて
ひっそりと食べてた
たまたま同じところで隠れて来てて
けど自分の分を取られたくないから
何も話さないで黙って食べた
今日も君は来てた
今日の君が持ってたキャンディー
とても甘くて良い匂いがした
少し食べたいけど
話しかけられなくて
それでも諦めきれなくて
君が食べてるのをこっそり見てた
ある日君と目があった
気まずくて、恥ずかしくて
目をそらしたけれど
それからも何度も目があってしまった
さすがにおかしいと思って
お菓子を片手に声をかけた
「君はなんで僕を見てたの?」と
するとどうやら君は
僕を見ていたんじゃなくて
僕のチョコレートを見てたみたい
そして君は尋ねた
「君もなんで私を見てたの?」と
実は僕も君のキャンディーを見てたと、
そう答えたら
二人揃って笑った
僕らは互いのお菓子を
ただ眺めて見てた
そして二人は言った
『これと、それ交換しない?』
それから二人は自然と
一緒にお菓子を食べるようになった
君がくれるキャンディーは
頬っぺたが落ちてしまいそうなほど甘くて
君にあげたチョコレートは
顔が緩んでしまうほど甘くて幸せと喜んでくれた
僕は嬉しかった
誰かにお菓子をあげて
嬉しかったのなんて初めてだった
今日はなぜか君は来なかった
君にあげようと思ったチョコレート
仕方がないので自分で食べた
とっても甘くて美味しいはずのチョコレート
今日はなんだか美味しくなかった
なんでだろうか?
今日も君は来なかった。
一人で食べても味気ない
何を食べても、どんなに食べても
美味しくない、満足できない
お腹ではなく、心が満足できない
どんなお菓子を食べても満足できない
この心の空腹はなぜだろう
だから早く来てくれないかな
お菓子より、君を待っていた
次の日君はやって来た
キャラメルを食べ過ぎて
虫歯になってしまっていた
けれど歯医者に行ったから大丈夫と
君はまたキャンディーを差し出した
君からもらったキャンディーはとても美味しかった
君が来てから気がついた
お菓子を食べて美味しいと
感じていた僕の心は
いつの間にか
君と食べるから美味しいと感じていた
焼きたてのクッキーも
果物のキャンディーも
山盛りのチョコレートも
濃厚ミルクのキャラメルも
お菓子が美味しいだけでなくて
君と食べるから美味しいんだ
もう一人ではどんなお菓子を食べても満足できない
いや君とじゃなきゃ満足できない
そんな僕の思いを知ってか知らずか
君は変わらない顔でこう言った
「一緒に食べよう」と
君もきっと気が付いたのだろう
一人で食べる喜びよりも
誰かと分かち合える喜びに
誰かと食べる喜びよりも
好きな人と食べる幸福に
僕と同じように
だから、僕は頷いた
「君と一緒に、食べたい」と
好きな人と食べるお菓子は
どんなチョコレートよりも
どんなキャンディーよりも
どんなクッキーよりも
どんなキャラメルよりも
幸福で甘々なのだから
【読了後に関して】
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