第8話「早くも新しい生活を!」
「レナ、例の方達が来たよ」
「ま、待ってくださいよ柚ばあ、パーティに入れるって聞いたからきましたのに。いくら何でも魔の子を家に連れてくるなんて……!」
「こら! 魔の子なんて言うでない! あの子は違うんだよ!」
「それって柚ばあが見たってことですか」
向こうの方でなにか話している
お婆さんの家はギルドから近い場所にあった
着くまでの道中アイナはめそめそしていたがかける言葉はわからなかった。何も喋らずに着いてしまった
「ようこそ!お待ちしていましたよ!」
青い髪のセミロング。髪に近い水色の瞳に可愛らしい顔立ち。その子が走ってきて、なにやら吹っ切れた様子で出迎えてくれた。服は青と白を基調としている。イメージカラーをつけるなら確実に青色だ。可愛い。
「あ、お邪魔します」
「すいません、お邪魔します」
俺に続きアイナが挨拶をするとさっきのお婆さんが来て
「あんた達、お邪魔しますなんていいよいいよ。今日からここに住むといい。寝床に困ってたんだろう」
なっ、これがお婆さんのスペルか! ちょっと怖いくらいに凄い!それに寝床を提供だと! 俺はすかさずに
「ありがとうございます」
「いいんじゃよお」
俺達は寝床を確保した!
「ちょっと待ってタガヤ! お婆さんも! そんな急に住まわせてもらうなんてできません!」
さっきまでメソメソしてたのに急にかしこまってんじゃねえ!
「ふむ。なら先に頼みから聞いてもらえぬか」
寝床なら欲しい! 俺達ができることならすべきだ!
「僕達に出来ることなら」
「あぁ、それなら聞きます。聞かせていただきます」
「ひとまずあがって、適当に腰掛けてくれ。あと、ワシのことは柚ばあでいいよ」
俺とアイナが一つのソファにこしかけると、横の椅子に先ほどの青髪の美女が腰掛け、アイナの正面に柚ばあが座る。大きな机を囲むように
「頼みって一体」
「結論から言うとじゃな、ここに座っておるレナをパーティに入れて欲しいんじゃ。」
俺は話が分からない男じゃない。
「是非」
「だからちょっと待ってタガヤ! おば、柚おばさんも! タガヤはもうちょっと考えてから返事をするようにして!」
なに真面目人ぶってんだよ。俺は片方の眉を歪めながらも
「考えているさ。そしてその結果、是非という結論に至ったのだよ」
「タガヤくんは話が早くていいねぇ」
当人のレナはと言うと俺の方を嬉しそうにチラチラ見てきている。可愛い。別に顔で決めたわけじゃない。仕方がないんだ。俺達は寝床を得るために俺たちに出来ることはしなくてはならないからだ
「あとは自分から挨拶をするといい」
「私の名は既に出ているとおり、レナと申します!戦闘では支援魔法の後衛を得意としています!一生懸命パーティを支援させて頂くので、どうか宜しくお願いします!」
「レ、レナちゃんは本当にこのパーティに入ってくれるの?その、私といると何かと不味かったりとかあるだろうし。」
「そんなこと全然気にしません!どこのパーティも男の人が、舐め回す様な目で見てくるので、怖いんです。でも、アイナさんのパーティにならそんなこと...あ」
俺は急いで目を背ける。
「で、でもどこか大丈夫な気がするんです!柚ばあも言っているので!」
「とまぁ、この子を貰ってくれないかい」
と柚ばあがもう1度尋ねてきた
「も、貰うだなんて、支援魔法なんて本当に助かります!」
少し間が空いたので俺は立ち上がり
「ようこそ!我がパーティへ!これから君は俺達と共にいい冒険者ライフを歩もうじゃないか!」
レナは満面の笑み深々とと礼をした
「あ、よ、宜しくお願いします。レナ...さん」
「その、3人とも見た目そんなに歳変わらなそうですし、名前は呼び捨てがいいなぁなんて思います」
「さっきクエストを終えたところだから、ギルトに報告に行かないといけない。報告が終わったらその足でパーティを組もうレナ」
「は、はい!」
「レナ...も、タメ口でどう?」
「いいんでしょうか」
「もちろんだよ!」
「でしたら名前だけでもさん付けをなしにしますね!」
全然良いのにと思うが当の本人はそれでも嬉しそうだ。
「帰ってきたらおばさんは別の宿に行くから、三人でここを使うといいよ」
「本当にいいんですか」
「まぁたしかにアイナちゃんくらい気にする方が普通だよね」
柚ばあは俺の方をちらりと見るのでとりあえず俺もレナの方をちらちらしてあげた。意味は違うが。可愛いなぁ。
◇◇
俺達は報酬金を手に入れると、レナとパーティを組み、そのままギルドでご飯を食べてから帰り、3人がそれぞれにただいまとさっきの建物入ると、柚ばあはいなかった
「本当にいいのかな」
「部屋割りとかは自由に決めて、もう部屋は好きに使っていいって言ってましたよ。柚ばあ実は占いが当たると評判でちょっとした小金持ちで別荘もあるんですよ。だから気にしなくていいと思いますよ」
「じゃお言葉に甘えちゃうか」
「じゃあ私お風呂に入りたい!」
「じゃあお風呂、炊いてきますね」
「お風呂って魔法で温めるのよね? 私、火の魔法使えるから私がやるよ」
「分かりました。何かあったらいつでも聞いてくださいね」
その後、俺達は部屋を割り振り、その部屋で眠りについた
そこそこ広い家になってます。




