第7話 「遂に『スペル』を!」
「なっ! なんでそれを!」
このおばあちゃん何故その事を知っているんだ!
俺は驚きを隠せないでいると
「それは、わしの『スペル』がSじゃからじゃ」
「アンタもスペル持ちか!」
さらに驚きを隠せない
「ちなみに、"See"で、その中でも"See through"要するに、『見通す』じゃ」
「ほいで、お主の『スペル』はなんじゃい?」
なにか今大事なことをさらっと言ったような
「"See through"ってなんだよ!見通しってなんだよ!」
「少しばかり声がでかいぞい」
「せ、説明してくれよ。俺はまだこの世界に来たばかりなんだ」
「あぁそのようじゃな。お主が気になっている『スペル』について話すか」
アイナは静かに聞いている
「この世界で『スペル』と言うのは、アルファベット一文字で表されておるが、実は英単語の頭文字をとったものでな。極一部の人間だけが持つことを許されておって、人によって違う能力を持つんじゃ。基本的にはどれも魔法要らずの半から超のつくレベルのチート能力がある」
「で、ばあちゃんの『スペル』は『S』の見通しって訳かそれは結構なレベルだな」
遂に『スペル』が何かが分かった!じゃあ俺の『U』って一体なんの頭文字なのだろうか
「そゆことじゃ、ワシの『スペル』を使えばお主の未来を見ることもできる。が、そゆのは好きじゃなくてな、見ぬようにしとる」
「じゃあさ!俺のスペルが何か見通してくれませんか!」
「それならよかろう。お主も違和感に気づいてるように、'モノの扱い'がよくなっとる。恐らく『Use』じゃろうな」
Use。意味は「使う」だったよな。強いのか弱いのかがよく分からない微妙な『スペル』じゃねえか!
「残念じゃが、タナカ様とは違うもんじゃったな」
俺がなんとも言えない表情でいると、ばあちゃんが続けて
「横におるお主の事は知っておる。なに大人しくなさんな。前から見ておったがお主、魔王の末裔じゃないんじゃろうて」
アイナに驚きの表情が走る。その後すぐ目から頬を伝い1滴の雫が落ちる。
「おばさん、」
アイナは手で顔を覆いながらその場に座り込む
「もう少しはように声をかけてやったら良かったな。少しワシの家でお茶でもせぬか。一つ頼み事があるんじゃ」
どうなってんだかなぁ




