第5話「始めてのクエストを!」
「クエストに行ってみましょう!」
「お、でた異世界っぽいの。たしかにレベル上げもしたいし行くか」
「やたー!」
俺のレベルはもちろん1であり、ステータスの全ては2だ。それから、アイナはヒールを持つ魔法職だろう。きっといい援護をしてくれるはず
「んじゃあギルドにいくか」
「やたー!」
それから俺達はギルドのクエストが沢山載ってる掲示板へ行き
「なんかいいのはあるかな」
「この『スライム退治願い☆3』に行きましょう!」
「スライムかいかにも初心者用クエストだな、この☆3ってのはなんだ?」
「☆3ってのはクエストの危険度よ。ちなみにだけど、舐めてかかってると死ぬよ?」
「え!死ぬのか!」
「まぁ、魔法攻撃を得意とする私はともかく、特になんの攻撃手段を持たないタガヤは危険よね」
「なるほど、ゲームでは雑魚キャラとして出ていたけど確かに考えてみるとそうだな」
「げえむ?」
「あーこっちの話」
ゲームは通じないのか。というかあれ?この世界は日本語の文字とそこそこ普通に英語を使ってたはず。ならどうしてゲームがわからないんだ。まぁゲームがないから。か
「とりあえず、ラストキルはタガヤにあげるから、スライムを狩りに行きましょう!」
めっちゃ英語じゃん
そういってアイナは掲示板からクエストをとり、クエストカウンターまで持っていってしまった。
ラストキルは俺が1発殴ってしも死ぬくらいに調整してくれるんだろう。
「準備が出来たよ!いくよ!」
※討伐クエスト『スライム退治願い☆3「スライムを討伐せよ」』
「スライムのいる場所は街外れの野原だって!」
「ちなみにだけどラストキルは俺にくれるって言ってたけど、経験値の配当ってどうなってるの」
「配当はね2人だと、ファーストアタックした人に50%ラストキルした人に50%だったはずだよ」
なるほど、それで俺とアイナは共にレベルが上がるのか。
「それから、敵の体力は私の魔法で1まで削るから、最後に1発なにか攻撃を入れてくれたらいいわ!」
「それはいいな!」
「アンタの『スペル』?も使えるといいねー」
「ああ、そうだな」
もし、使えるようになったらギルドにいた俺を馬鹿にしてきたやつらをぎったんぎったんにしてやる
暫くスライムがいるという街外れまで歩いていた時、何かがこっちに飛んできて、アイナが大声で
「危ない!」
ボコッ
痛っ!? 痛ぁ!? あぁ!?
「すいませーんボール取ってくださーい!」
いった! やりやがったなこのクソガキどもめ。ボール、とってやるよ。とってやるよ。横で腹抱えてるアイナは覚えとけよ
俺はピッチャーさながらに振りかぶり、投げた。
それはボールを取りに来た少年めがけて一直線に。かなり早い。いやこれは……危ない!
「ウィンド! 大丈夫? 後であのお兄ちゃんはちゃんとしかりつけておくからね」
アイナが当たる直前におそらく風魔法のようなものでボールを少年にあたる前に軌道をずらしたようだ。
「魔の子だろアンタ。そうやって自作自演ってのをしたって誰もお前になんか優しくなんねえぞ!」
また魔の子だ。それから、誰もお前なんかに優しくしねえぞって?
俺は急いでかけより、
「ごめん少年くん! このお姉ちゃんは君に何もしてないだろ? 悪いのは投げたお兄ちゃんだ。お姉ちゃんに怒ることはないだろ?」
男の子は立ち上がり
「ぺっ!」
ボールをとり、一緒に野球をしていた友達の方へ戻っていった。
「慣れっこだから。大丈夫だよ」
アイナはそういって俺に笑顔を作ってみせた
「タガヤコントロールよすぎじゃない!?子供に投げるスピードじゃないし、普通に危なかったよ!」
あ、たしかに。意外と前の世界では運動神経よかったかもしれない
「才能なのかも」
「んー、気をつけなよー」
そういってアイナはまた歩き始めた。
にしても投げるのうますぎた気がする。何か違和感を感じた
アイナ




