第11話「この街に違和感を!」
設定に変更があり、ナギサの名前がイズナに変わりました。度々申し訳ありません
イズナを仲間に迎える話をし、とりあえずちゃんと服を着させようとレナがナギサに適当に服を着させた。と言ってもフードが気に入ったらしくまだ着ている。下の服が見えないため、見た目に変わりはない。その後正式にパーティーメンバーとして加入してもらうため俺達またまたギルドに向かっていた
「冒険者カード、ライセンスかぁ! ボクさ、こういうのすっごく興味があったんだ!」
「イズナは結構運動神経良さそうよね。私と一緒に前衛になるかもね!」
本当前衛向きだとしたら俺らのパーティ4人だけどアイナとイズナが前衛でレナがサポート。それから俺は……? 俺は!? なにもなくね!?
「前衛!? 本当にそうなったらすっごく嬉しいよ! あー楽しみだなー!」
俺が落ち込んでる前では2人が楽しそうに話している。俺に唯一あるのって一応useなんだよな
「ん、タガヤどうかしましたか?」
そうだ。アイナ以外は俺がほとんど役に立たないんだと知らないんだ。
「なんでもないよ。ただパーティーを指揮なんて出来たらなぁって」
せめてそれくらいしたいもんだ。俺の言葉にレナは察したようで
「あぁ、ステータスですか……。そうですね。タガヤになら任せれそうなので頼みますよ!」
こんな可愛い顔で言われても全然答えられる気がしないんだが。俺なりに頑張ろ。そう考えていると前にいたちっこいほうが振り向き、不敵な笑みをこちらに見せ「はぁ〜ん」と前置きし
「タガヤってステータス低いんだ! ま、せいぜいボク達の足を引っ張らないでくれたまえ」
語尾を区切りながら強調してきたことに腹が立つ!チビの癖に顎をあげやがって!手こそは挙げないが軽く癇に障る。気にしてんのに
「まぁまぁ落ち着いてください。これから上げていけばいいんですから」
レナはイイヤツだ。俺がレナの優しさに触れているのを眺めているアイナはというと……
「どうどうどう」
こいつ!
「ちょっとレベルが高いからって調子のんなよ!俺だってそのうちすぐにお前を見返せるくらいレベル上げてステータスもあげてやるからな!」
今は無理だが絶対に見返してやる!
「何言ってんの? アンタはレベル15の私が弱らした雑魚を1発入れるだけしか出来ないからどんなに頑張ろうと追いつけないの! 頭よっわーい。……そういえばレナってレベルいくつなの?」
「62」
「「……高!」」
「喧嘩はダメですよ? ドングリの背比べです」
1人ずば抜けてるやつがいた! 何でこんなやつがうちのパーティーに入ってくれたんだよ!
「ボクにライセンスを見せて!」
「勿論」とイズナにライセンスを見せる。イズナが「おぉー」とか言ってる横に俺とアイナも並びステータスを見る。
「本当に支援魔法しかないじゃん」
見事に回復魔法をほぼ全て習得し、多くのバフ効果の持つスキルや、他にも少しずつ料理スキルや裁縫スキルなどを習得している。これあれだ。俺らが死なない限り確実に体力回復できる!完璧な後衛じゃないか!
「攻撃手段何も無いのが残念なんですよ」
確かに攻撃系スキルがない。でも俺達には十分すぎるスキルたちだ
「ボクも取り柄みたいなのあればいいなー! じゃ、開けるね!」
会話に夢中で気づかなかったがどうやらギルドについたようだ。イズナは勢いよくドアを開ける
そこは普段なら賑わっているはずのギルド。だが今日は受付のお姉さんしかいない。
「なんか変ね。誰もいない」
こいつでも異変には気づいたか
「あれ? 冒険者……。あぁ貴方達でしたか。今日はどうなされました?」
俺達冒険者がここにいることにお姉さんは疑問をもったようだが理由は分からない
「今日って休業日とかなんですか?」
俺が初めにお姉さんに尋ねる
「いえ、そうではないですが……。要件は何ですか?」
何か隠し事があるみたいだがとりあえず今日来た目的を果たすことにした。
「この子のライセンスと俺達のパーティーへの参加をしに来ました」
「分かりました。ではこちらにサインを」
イズナにペンを出され、イズナは名前を記す。記入が終わりお姉さんに返すと
「本当の名前をちゃんと書いてくださいあと性別も違いますよね」
イズナは覗こうとする俺たちに見られないよう修正し再びお姉さんに渡した
「名前と性別の詐称? なにしてんだよ」
「ま、間違っただけだよ」
「女の子になりたかったのか?」
「そうじゃない!……なんでもない。」
ん?こいつの性別ってもしかして……
「はい。ライセンスが完成しました。それからパーティーも4人にしておきましたから」
「ありがとうございます! やったー! ボクのライセンスだよ! ボクのステータスは……、攻撃68……攻撃が高めだって!他タガヤほどじゃないけど大したことなかったよ!」
「ちょっと見してよ」
「だめ!」
アイナがなんとなしにライセンスを見ようとするとイズナはその小さな身体を伸ばし「見せないよー」とこちらにひらひらさせてくる
「えーいいじゃーん見せてよー!」
アイナが大人気なく取ろうと頑張ってる横で俺とレナは気づいたみたいだ。ライセンスの裏面の文字に
「タガヤ、あれって……」
「あぁ、スペルだな」
「自分の目で初めてみましたよ! イズナー! 私にも見せてください!」
そっか、俺もスペル持ちって知らないんだったか。俺より強いスペルだったら嫌だなぁ
『E』……か
軽く目を瞑り考えるがもちろん分からない
ガタンッ
3人が暴れたおかげで受付横にあるクエストボードが地面に落ちた。しょうがないやつらだ
「アイナ、これって……。だからここに冒険者が1人も居ないんですよ!」
「嘘でしょ。なんでこの安全な街に魔王軍幹部が」
俺とイズナは話を掴めず顔を見合わせて首を傾ける。その後レナが拾い上げたクエストボードを見るとそこには大きな字で
『超緊急!七つの大罪・色欲の罪 カストレから街を守れ!』