第10話「我らに4人目のパーティメンバーを!」
「起きてきたみたいだよ。ボク、ちょっと緊張」
「皆おはよー」
「きっと大丈夫だよ。というか絶対な」
俺は心配したこの子に安心するよう促す。それからアイナに朝の挨拶をした
「おはようございますアイナさん、そのペンダントはどうしたんですか?」
みると昨日までは無かった煌めく朱色の宝石のようなものを付け、それを台無しにするどうしてそうなると言いたくなるような髪をしたアイナが2階から降りてきた。「あぁこれね」と手の上に乗せながら
「家に大事に置いてたんだけど、今後は身につけとこうと思って……ぇええ!」
「お邪魔してます」
アイナが驚くの無理はない。朝起きると知らない子が家にいるのだから。まずは俺が軽く説明をしなくては。
「とりあえず、今日から新しいうちのパーティメンバーだ。それからこの子が今着ているのはこの家にあったのを勝手にとったぞ」
実は昨日出会った時点でこの子も裸だった。そこで俺はまずいとなにか適当にこの家の服、流石にいいものは勝手に貸せないと、身長にしては大きめの赤い淵があるフード付きの黒い上着を貸していた。大きいため体を覆っているが下は裸ではあるが
「それは構いませんが。名前はなんですか?」
「み、じゃなくて……ねぇねぇ、ボクの名前なんだっけ?」
名前を思い出せないわけじゃない。俺は上着だけを貸したあと2人で決めた名前を小声で呼ぶ。昨日の夜、あの後名前を聞いたところ、せっかくの異世界なら新しい名前がいいと言うので2人で考えていたものだ
「イーズーナ」
俺にそう呼ばれた当人、イズナは「それだ!」と
「イズナって言います! タガヤが言うにはパーティメンバーになることになったのでよろしくお願いします!」
「宜しくな!イズナ!」
「こちらこそ!タガヤ!」
「2人ともちょっと待って!」
やっぱりアイナはこういう時必ず止めてくる。それが普通と言えば普通なんだが
「タガヤ!いつそうなったの!」
「それではタガヤ、アイナも起きたら話すとの事でしたが、朝食ができました。なので先に済ませてから説明をお願いしますね」
アイナが起きてきたら一緒に話すよと言っていたレナが4人分の朝食を机に並べ、最初に座る。
俺とイズナも椅子に腰掛け最後にアイナが座り、それぞれが朝食に手をつける。アイナはものすごい速さで食べ物を口へ運ぶ。その後アイナが早く食べてと急かすが、それぞれのペースで箸を勧め、4人が食べ終えた頃に
「では、タガヤ説明をお願いします」
俺は顎を引きそもそも俺がこの世界に来た話からすることにした。
「そうだなぁ。2人は異世界転移というものを聞いたことあるか?」
「数える程度になら」
「私も」
「ちょっと待て!そんなに何度か異世界転移ってある事なのか!」
まさかの返事に俺だけでなく横にいるナギサも驚きを隠せないでいた
「と言っても都市伝説ではあるんだけどね。」
「その都市伝説ってのを詳しく!」
「今私が説明受けるはずなんだけど..まぁいいわ。もの知らずのおバカさんだものね」
なんだとこらと言いたいが先に都市伝説の情報が欲しいので言うのをやめた。アイナは少し勝ち誇った様子で話を続ける
「非現実過ぎるところはあるんだけど、そうね、突然誰もいなかった場所に人が現れるみたい。それでその人は皆黒髪で整った顔立ちをしていると聞いてるわ」
整った顔立ち...じゃなくて!既に何人か異世界転移された人がいるのか!
「そしてその人たちはまたある日突然いなくなるんだって」
いなくなる?なぜだ?それは元の世界にまた転移するのか?それとも...俺たちにもそんな決まった未来があるのか?アイナのこの言葉は俺にとってもイズナにとっても衝撃のものとなる
「簡単な説明だけどそれで?その異世界転移がどうしたの?」
「とりあえず説明..だな。驚かないで聞いてくれ、俺もイズナもなんだが、この街に突然異世界転移をしてきたんだ。」
アイナもレナも少しぽかーんと口を開け、少しの間のあと
「いやいやいや!ありえないんだけど!異世界転移なんてただの都市伝説だって!それにタガヤはどちらかというと茶髪じゃん!それに整った顔?イズナさんは両方当てはまるけど、タガヤは……あーお腹痛い!」
何俺の顔バカにして笑ってるんだ。後でそのペンダントを割ってやる。あと髪はたまにいる髪の色素がそういうタイプなだけだ
「とりあえず!昨日の夜、この街にこの子が来て1人……そう! 1人だったんだ!」
俺は笑ってるアイナにも聞こえるよう大きな声でいった
「1人……でしたら放っておけませんね。イズナさん、本当にご両親とかは」
「いないよ」
と、短めの返事をするが、俺が話を続け
「てなわけで俺達のパーティとやらに入らないかと誘ったんだよ」
「身寄りがないのでそうなるとボク的には嬉しい...」
その言葉に笑い終えていたアイナが
「ひとまず預かる形でなら仕方ないのかもだけどさ。本当の身寄りが見つかったらその時はすぐにごめんなさいして引き取ってもらうからね!」
アイナがそういうとイズナは椅子を倒しながら勢いよく立ち上がり
「では自己紹介を! 僕の名前はイズナ! さんを付けなくていいからイズナって呼んで! ボクもそうるから!このパーティでなにがボクにできるか分からないけど精一杯やってくのでよろしくね!」
俺とイズナは互いに親指をたてた。
とてつもない早さで俺達のパーティは4人になった。
ナギサ(もといイズナ)の設定に時間がかかりました。
この話もですがまたあとでかなり書き直しが入るかと思います。
厳しめの感想も待ってます!