スイッチ、入っちゃった…
※作者は、この話は少し失敗した気がしました。
その辺も心に留めておいて、温かく見守って下さい。
「じゃあハーティア、昨日の続きをしましょう♪」
昨日の続きとは、中途半端になったお勉強の続きです。
昨日は確か、私たちの種族はなんでしょう?で終わったところでした。
………しかし、獣人でも森の民でも石の民でも、まして人族でもないとなると、ますます分かりません。
「はいなの。それで、昨日の答えはなんなの?なの」
「ふっふっふ~~!それはね?……妖精族よ!!」
お母さんは、もったいつけてそう言いました。
しかしなるほど、妖精と言うのなら、お風呂に入るたびに背中に何かあると思った違和感も、大人の人たちは、フラン先生以外みんなの背中に綺麗な羽が生えているなぁと思っていたのも、お父さんがよくフェアリーダンスという踊りを見せてくれたのも、私たちが妖精だと言うのなら、納得できる話です。
「妖精だと、何か特別なことがあるの?」
「ええ、妖精は、人類ではなく聖霊の類いなのよ?だから魔力も多いし、固有魔法の結界や、音を通して魔力で相手の心に訴えかけることも出来るの。
だから私の弾く曲、『ルナの光』を、ハーティアは最後まで聞けずに寝てしまうのよ♪」
「むき~~~なの!!次こそは寝ないで最後まで聞くの!!そして、今度は私がお母さんを『ルナの光』で寝かしつけてやるの!!」
「うふふ♪楽しみにしてるわ~♪」
むき~~~!!余裕綽々なその表情、必ず驚愕の色に塗り替えてやる!!
「じゃあ、ハーティア?なんでわたしは貴女にこの話を今したでしょうか?」
むぅ~。今妖精族の特異性を語ったと言うことは、すぐに答えに行き当たります。
「わたしに、妖精族の音楽を伝授するためなの!!」
「ブッブ~~~!!残念でした~~~!!」
メチャクチャどや顔でこちらに手を交差させて、×を作りながら不正解を告げられました。
私の額に青筋が浮かび上がるのが分かりました。
「で、じゃあどうしてなの!?」
「答えは、魔力の扱いを覚えてもらうためよ?だって考えてみて?妖精族の使う音楽は、楽器のだせる音以上のものを、恐らくこの世界で一番の『音楽』を扱えると思う。だけど、結界もそうだけど、やっぱり魔力を十全に使えて初めて、本物が使えるのよ?」
「なるほどなの。よく分かんないけど、要は魔力は妖精族にとっての基礎力で、基礎ができなくちゃ応用は出来ない。
ということなの?」
「ええ、その通り。魔力は便利だけど、それと同時に、とても危険なものでもあるの。
だから、ハーティアくらいからは、しっかり魔力を操れるようにしなきゃいけないのよ」
「なら、早く魔力をマスターして、わたしは妖精族の音楽をマスターしてやるの!!」
なんと、この世界の音楽は、今まで慣れ親しんできた音楽に、さらに新しい要素まで加わるそうです!
ああ、すばらしい。
未だに底を見せてくれない音楽は、わたしを虜にして離したくないようです。
ああ、なんて、なんてことでしょう。
こんなにも可能性が広がっていくのを感じてしまっては、ああ、スイッチがはいってしまいそうです。
「さぁハーティア?魔力をコントロールするきはある?」
「勿論なの!!ああ、音楽のメロディーが、律動が、旋律が!!ああ~~~!わたしは、わたしはもっと、もっともっと、もっともっともっともっともっともっともっともっともっと、音楽に触れていたい!!もっと色んな曲を、多くの楽器の音色を、一人一人の織り成す無限の調和を!!ああ、想像しただけで、わたしは、わたしは……っ!」
駄目です。今まで我慢していたスイッチが入ってしまった。
お母さんも、今までにないくらいに目を見開き、驚きのあまり涙まで流しています。
「ハ、ハーティア……貴女、そこまで………そこまで音楽が好きだったのね………そんなになるくらいまで………」
「はっ!!ち、違うの!!いや、音楽を好きな気持ちは誰よりも強いけれども!!」
ああ、わたしはどうすればよいのでしょうか?
涙するお母さん、困惑する私、次に何を言うのが正解なのか分かりません!!
「………いいでしょう。ハーティアが、そこまで音楽が好きなのなら、全力で答えてあげるのも母の勤めです。ハーティア、貴女に選択肢を上げます。短期間マスターコース、地獄のもう特訓か、ノーマルコース、優しいお母さん指導か」
「勿論、短期間マスターコースなの!」
「私の本気は、とてもハードですよ?」
お母さんの様子は、とても迫力に満ち溢れていましたが、ここで引くわけにはいきません。
「望むところなの!!」
さぁ待っててね~、新しい音楽の世界!!
必ず迎えに行くから!!
始まりの音色は次回で終了です。




