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結成!?音楽バンド!!

一話試験的導入です。

「これは合格証明書なの!!」


 その合格証明書には、こう書いてあった。



『 ごーかくしょうめいしょ


 ミーア・グルーシアどの


 貴方は、ハーティア・クリスタルとフラン・ハートと一緒に音楽活動をすることを認め、これを表します。


 バンド:アタラクシア創始者ハーティア・クリスタル


 』


「これからは三人で音楽活動なの!!」


「いやいやいやいや、え?なに、アタラクシアって?バンド?なにそれ?あれ?わたしてっきり、仲間にしてくれるとか、そんな感じだと思ってたんだけど、あれ?わたしがおかしいのかな?」


 いい感じに混乱しているミーアに、ハーティアはニコニコと微笑みながらその光景を見ていた。


 ハーティアはこれから、ミーアがどんな音を奏でてくれるかを楽しみにしているのに対し、ミーアは、やっと一緒にいられる仲間が出来たと思ったら、意味のわからないものに認定され、どうすればよいのか分からずに混乱している。


 微笑むハーティア、混乱するミーア、気絶しているフラン。


 混沌とした空間が、そこには広がっていた。


「っていうかフラン大先生、そろそろ起きるの」


 ハーティアがフランを揺すっても、フランは相変わらず青い顔で気絶している。


「ふーん、起きないんだぁ~~~………じゃあ、何をされても仕方ないよね?」


 ハーティアはフランのマントを脱がし、フランの服の中へと手を忍ばせた。


「!!な、なにしてるの!?」


 ミーアが目を丸くして驚いている。


 まぁ、いきなり気絶している人を脱がしだした幼女をみて、驚かないほうが異常なのだろうが……


「決まっているの、ただ、起こすだけなの」


「起こすだけなら服の中に手を入れる必要なんてないでしょ!?」


「……はぁ~~~~~~~~~~~~~~~……」


 ハーティアはミーアを見ると、明らかに失望したかのように、これみよがしに大きなため息をはいた。


 そのリアクションに慄くミーア。


 その瞬間に畳み掛けるように言葉を紡ぐハーティア。


「ミーアは、フラン大先生のことを、な~~んにも分かってないの」


「だ、だって、さっき初めて会ったばかりだよ!?知らなくてもおかしくなんて………」


「これだからボッチは、なの」


 ハーティアが辛辣な言葉を述べ、唾を吐くと、ミーアは明らかにショックを受けた顔をして、両手を地面に着けた。


「ええ、ええ。わたしはどーせボッチですよ~。生まれながらのボッチですよ~。ボッチ・オブ・ザ・ボッチですよ~……」


「聞きなさい、ボッチ、本当に仲間になりたかったのなら、相手がどんな人かとか、どんな癖があるとか、暇なときに何を見ているかとかもしっかりと確認しておかないと、あとで痛い目を見るのは貴女なの。………それで、フラン大先生は女性ではあるけど、ロリコンなの」


「うう、……ロリコン?」


 泣いていたミーアでも、その一言を聞き逃すことは出来なかったようだ。


「ええ、それもMっ気のある、真性のやつなの。対象年齢は0から12歳で、わたしの寝込みを襲おうと、寝ているわたしに股がっていたこともあったの……」


「ええ!?わたしも対象内にいるし…って言うか、そんな変態とよく一緒に旅をしようなんて思ったよね?」


 ミーアがフランを冷たい目で見つめながらそう言うと、ハーティアはなに食わぬ顔で爆弾を放った。


「わたしの性欲は、一に音楽二に音楽、三四に音楽五に色欲なの。まぁ、五歳児じゃあ初潮も来てないから、達することなんて出来ないの」


「………ここにも変態がいたよ。ん?でも今の言い方だと、まるで五歳児じゃなかった事があるみたいじゃない?」


「え?その通りだけど、それが、なにか?なの」


 真相にたどり着いたミーアに、隠そうともせずに正直に肯定するハーティア。


 ミーアが混乱するのも無理からぬ話だろう。


「………え、ど、どういう………?」


「あとで話すの。だから今は黙って待っているの」


 ハーティアはミーアを黙らせ、再びフランの服の中に手を突っ込み、フランの服が怪しく蠢きだした。


「………『感覚上昇センス・インプルーブ』」


 ハーティアがフランの耳元で何やら囁くと、フランは急に飛びはね、目を覚ました。


 しかし、その瞳はとても潤んでおり、ハーティアにあつい視線を送っていた。


「『拘束バインド』なの」


 ハーティアがフランへと手を伸ばし、そう告げると、フランの両手両足が後ろで、まるで紐で括られたかのようにくっついた。


「ちっ、なの。感覚を上げすぎて発情させちゃったの」


「は、発情!?」


 ミーアが顔を真っ赤にしていると、フランが暴れだした。


「せ、せめて自分でやらせてくれ!!気がおかしくなりそうなんだ!!ミーア!!お願いだ…わたしの………を弄ってくれ………」


「ええ~~~~~~~!?む、無理ですよ!!自分のだってやったことなんてないのに、他の人のなんて……」


「………分かったの、フラン大先生、わたしに任せるの」


 そう言いつつ、ハーティアは笑顔で大鎌を取り出した。


「…!?いやまて!!せめて拘束だけでも外してくれたら、何とか納めるから!!納めるから~~~!!」


「………ミーア、ちょっとだけ失礼するの」


 ハーティアは泣き叫びながらも顔の紅いフランに近づくと、自分達の周りに防音と透視不可の結界を張った。


「え?え?」


 ミーアはもう、なにがなんだか分からなくなっているようだ。















 長いこと放置されて、すっかりいじけて地面にのの字を書いていたミーアは、いっそのことあの結界を壊そうかと考えたが、壊したら怖そうなのでやめた。


 ………おほん!!ミーアは暇なのでギターの練習をしていると、突然結界が砕けた。


「はぁ、はぁ、た、ただいまなの」


 ぐったりとしているハーティアを、何故か艶々したフランがおぶっていた。


「はっはっは!!今日は人生で2番目にいい日だぞ!!」


「……い、一番はなに?」


 ミーアが恐る恐る聞くと、フランはまるで子どものように目を輝かせ、待ってましたとばかりに話始めた。


「クラリスさんに会ったときのことだ。詳しく話すと時間が足りないのでやめておくが、わたしはあの人ほど優しくて、不器用な人を他に知らない、とだけ言っておこう」


「……いいから下ろしてほしいの。わたしはもうたてるの」


「何を言うか、あれだけの事をその体でしたのだ。何もしないから、もう少しだけ休んでなさい」


 先生らしい(らしい?)言葉を言いつつハーティアのお尻を擦るフランに、突っ込む気力もないハーティア。


 ミーアは、一体何があったのか聞きたいが、とても純粋な少女であるため、恥ずかしくて聞くことができなかった。


「………はむ」


 ハーティアが、せめてもの反抗とばかりにフランの耳を食むと、フランの腰が急に抜け、フランは顔を真っ赤にして、立ち上がれないようだった。


「…………ふん、調子に乗るからなの。………大先生から先生へとランクダウン決定なの」


「………あはははは、それで、そろそろ話を戻してもいいかな?」


「あとごびょう待ってなの…………ふぅ、じゃあ、何から聞きたいの?」


「まずは、音楽活動についてかな?」


「分かったの。まず、わたしはあと6年と少しの間、世界中で音楽活動をする予定なの。出来れば楽団がいいんだけど、それはまだまだ先の話だから今は置いておくの。ここまでは大丈夫?なの」


「………うん、なんで6年と少し?あと、なんで音楽活動をするのかな?」


「わたしは12歳になったら学校に通うからなの。音楽活動は、長いわけがあるの。実は………」


 ハーティアは、今までの経緯を、前世から今に至るまで、全てを話した。


「うう、まさか、そんなりゆうがあるなんて、わたしは、ただ変態同士でアハハウフフがしたいだけだとばかり……」


 なんともな言い種である。


「それもあるの」


「あるのかよ!?」


「冗談なの。話を戻すの。音楽活動をするに当たって、どういうスタンスでいくかを決めあぐねていたの。そこへ鴨が葱………丁度ミーアが楽器を背負って現れたの」


「ちょっとまて!!今何を言おうとした!?」


「それで、ミーアのドラムと楽器をみて、わたしは思いついたの!!」


「無視ですか……」


 いじけるミーアを置いて、ハーティアは話を続けた。


「フラン先生がドラム、ミーアがギター、わたしがボーカルで、ロックに路線を持っていくの!!」


「ようは、3人で演奏するってこと?」


「そうなの。作詞作曲はわたしがするから、ミーアはどんな曲でも対応出来るように上手にならなくちゃならないの」


「うん……あれ、変態は?」


「フラン先生は、楽器なら直ぐに使えるの。あれは正真正銘の才能なの。100年に一人の逸材なの」


「へ、へえ、そうなんだ」


「じゃあ、もう質問は終わりなの」


 そう言うとハーティアは立ち上がり、フランを担ぎ上げた。


「ところでミーア、楽器はどうやって運んでたの?」


「え?ああ、楽器なら亜空間に入れて持ち歩いているの」


「……なるほど、それは思いつかなかったの」


 ハーティアがフランを担いでいない方の手で空中に何かの紋様を描くと、空間に穴が空き、ハーティアはそこへトライルと大鎌、ワイヤーや荷物をそっと入れた。


「便利なものなの!!」


「へ~!!妖精って空間魔法も得意なんだ~!!」


「ふふん、なの。あ、ミーア、この近くに集落かなにかないかしら、なの」


 ミーアは少し考え込んで、ポン、と手を叩いた。


「ここから西に真っ直ぐ行ったところに『森の民』の住んでる森があったはずよ?」


 ハーティアは思案顔を浮かべ、こめかみに手を宛て、むむむ、と悩みだした。


「……エルフ、なの……音楽の、民族………ねぇミーア、エルフの集落では。わたしが一人で演奏してもいいかな?なの」


「え?構わないけど……なんか思い入れとかあるの?」


「それはそうなの。わたしは前世で、日本のサブカルチャーが3番目に好きだったから、エルフのことはなんとなくわかるの。そのなかでも、わたしはエルフが大好きだったの。だから、わたしはエルフの為に、優しい自然の曲を沢山作っていたことがあったの。それを、エルフに聞いてほしいの」


 目を輝かせ、それでも興奮しないように抑えながら話すハーティアは、囃し立てる気持ちを抑えてミーアを納得させようと必死なのか、聞いているミーアには、ハーティアの背後に巨大な幻影がみえるようだった。


「う、うん。熱意は凄く伝わった。それなら好きにしたらいいと思う」


「ありがとうなのっ!!ミーア大好きなの~!!」


 ハーティアはフランを投げ捨て、ミーアの胸に飛び込んでいった。


「うわぁっ!!急に抱きついたらびっくりするじゃない」


 口では注意しつつ、顔は若干蕩けていることから、ミーアが喜んでいるのは誰の目にも明らかだった。


「………ミーアの胸、見た目より大きいの」


 ハーティアは突然ミーアの両胸を揉みだし、ミーアは硬直してしまった。


「ちょっ、ハーティア!!や、あん、やめ、て……」


 今度はハーティアが硬直してしまった。


(な、なんて敏感なの!!恐ろしい子………)


 ハーティアは最後に突起を指で弾き、ミーアが嬌声をあげたところで切り上げた。


「ふ、ふん!!ミーアが敏感なのをフラン先生が知ったら、ミーアも夜気をつけないといけなくなるの!!反応が可愛いからって、油断してると男の人を愛せなくなるの!!」


 ハーティアが、顔は悔しそうに、しかし内心は楽しそうにそう告げると、ミーアは慄いた、


「変態には気をつけるけど、ハーティア、この借りはいつか必ず返すからね……」


 ミーアが胸を抑えながらそう言うと、ハーティアは不敵に笑った。


「ふふん、わたしを甘く見てると、逆に調教されちゃうかも?なの」


 二人はにらみ合い、そして笑いだした。


「それじゃ、百合は置いてそろそろ出発しよう」


 フランが突然立ち上がり、上に手をかざすと、フランの掌から一筋の巨大な光線が飛び出し、空が見えた。


「では、わたしは先に逃げさせてもらおう」


 フランが宙を跳びながら外へ出ていくのを、何が起こったかいまいち分かっていない二人が見つめていると、洞窟が軋み、壁が崩れ始めた。


「っ!!先に逃げやがったの!!ミーア!!全力で逃げるの!!」


 ハーティアがミーアを振り替えると、ミーアは手早く楽器をしまいながら、既に脱出しようとしていた。


「………ふーん、分かったの。わたしを置いていくなら、考えがあるの。妖精化フェアライズ・ツヴァイ!!」


 ハーティアの背中に、二対の翅が顕現した。


「真の速さとは、移動時間がゼロに等しい状態の事を言うと、思い知らせてやるの!!」


 そして、洞窟は崩落した。

執筆は遅延してます。


出張中は更新が難しそうな感じです。


恐らく不定期です。


申し訳ありません。

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