9話 ライバル
3学期になり、2年生も、もうすぐ3年生になるときが近づいてきた。
天聖寺花王学院と新たに合併という事実を告げられ、この校舎とも別れる日が近づく。
授業が終わって、下校のチャイムが鳴ると同時に男子たちは帰り始める。
女子たちは中々帰ろうとしない。
実は、天聖寺花王学院の生徒3名ほどが視察したいと今日の放課後に来る予定だったのだ。
夏恋たちは学校の中を案内するために残っていた。
今日、視察に現れる女子たち・・
神宮寺 香莉
竜河 沙菜
井上 里子
全員、花王学院の2年C組の女子で、不良チームでリーダー的存在。
女子から妙な支持を受けていて、言葉遣いはちゃんと出来るが、
社交的ではなく、ギャルのように視線が冷たい。
そして3人が第二学園に着いて、門まで夏恋たちが迎えに来た。
「ごきげんよう、男子たちはいないけど・・学校の中を案内します。」
夏恋が笑顔で言うと、香莉と沙菜がいきなり笑い出し、
「あたしたちはあなたたちと違うの。」と香莉。
「さよなら、わたしたち、個人で見るから。」と沙菜。
これでは結局、夏恋たちが学校に残っている意味がなくなってしまう。
そこに妙なテンションで入ってきた・・・
「あたし、里子で~す!悠真くんとかどこにいるの?」
「え・・帰ってしまって・・。」
「ふ~ん。な~んだ。」
里子は男好き。
そして、二股を繰り返している。
そのころ、男子たちはこっそりと職員室に入り、孫宮寺の机のプリントを盗んだ。
合併する男子校についてが知りたくて、盗んだのだが・・
「川岸!?」
「まじかよ・・。」
「うそだろ?」
私立川岸高校。
ケンカは一度したことがあるが、お互い仲が悪く、見方につくようなやつじゃなかった。
「あいつらと・・・」
『合併・・。』
帰り道、悠真と隼人は永海魂と書いた番長旗を取りに、番長室に行った。
思い出の残った、番長室。
旗、隼人、祐斗、琉李などと名前が刻まれた木などを持ち帰っていた。
「あーあ、俺らがあいつらの学校に行くなんて、ありえねーよ。」
「・・そうかもな・・。」
思い出してみると、今までいろんなことがあった。
初めて、夏恋たちと会ったとき、死ぬほどうざくて、お嬢様とかふざけんなって思ってた
悠真たちも、今じゃすっかり仲間として見ている。
「天聖寺第二学園と合併するって言ってるけど、うちらに関係ないもんね。」
「あたしら・・夏恋たちと一緒のクラスになるみたいだけど・・。」
リーダーグループを集めた最強のクラス
3年D組。
そこに入る生徒は大抵予測できるだろう。
悠真や隼人たち、夏恋や月菜たち。
そして私立川岸高校の青山たち、花王学院の香莉たち。
「夏恋?帰りましょ?」
「・・・うん。」
香莉たちが帰った15分後くらいに夏恋たちも帰っていた。
月菜と別れてから、舞佳と麻央たちと歩く夏恋。
舞佳は夏恋に向かってこう言った。
「最近、隼人くんと夏恋、仲いいけど・・二人ってどんな関係なの?」
「確かに!何かあると一緒にいるし。」
夏恋が困った顔をしていると、ただ隼人が支えてくれているだけで、
夏恋は何もしていない。
迷惑かけているのは自分なのに、自分は男子に助けられてばかり。
そう思った夏恋は舞佳に
「わたし・・迷惑かけすぎよね。」
「・・・そんなことないじゃない?夏恋はがんばってると思うけど。」
そのころ、悠真と隼人は二人で歩いていた。
何かを考え、気持ちの整理が整ったとき、隼人は悠真にちゃんと話した。
「・・・・実はさ」
「ん?」
「俺、夏恋のことが・・好きなんだ。」
「・・まじで?」
でも悠真は素直に受け入れて、何もなかったように歩き始めた。
「俺は隼人がいいなら、それでいいと思うぜ?口出しすんのが一番悪いと思うかんな!」
「悠真・・・。」
「じゃ!俺こっちだから。」
「じゃあな。」
終業式を終え、夏休みも終わって、ついに新しい春が来た。
男子たちは、新しい制服で中のTシャツや小物はすべて一緒だったが
新しく作られたデザインのカッコイイ制服だった。
クラス表が張ってあり、悠真や隼人、祐斗、琉李たちは変わらなかった。
そのまま、3年D組に向かうのだったが・・・




