幕間① レファナの過去
「お父さん!お母さん!死んじゃやだ!」
「すまないなレファナ。お父さん達はもう持たない。」
「うわぁぁぁぁ。」
私の両親が亡くなったのは12歳の頃だった。
街の教会で仕事していてそこで病にかかったが他の人を助ける為に隠していたと。
その後全ての患者を助けた後にそのまま倒れたと司祭様から聞いた。
教会の方でも手を尽くしたがもう手遅れだったそうだ。
それからしばらくして葬儀が終わり私は途方にくれていた。
「お父さん。お母さん。私はこれからどう生きていけばいいんですか?」
私は子供ながら今後の事を考えていた。
家はそんなに裕福ではなかったからお金の蓄えも無いしまだまだ働く年齢でもない。
そんな時教会の司祭様が声をかけてきた。
「この度は本当に申し訳ありません。病の発見が早ければ助かったのですが。」
「私は大丈夫です。自分の事よりも他人の為って所が両親らしいです。」
「なるほど。それでこれからどう生活していく予定ですか?」
「分かりません。今はとりあえず遺品整理してその後考えます。」
「そうですか。何かあれば力を貸しますから困った事があれば教会に来てください。」
「分かりました。何かあればよろしくお願いします。」
そう言って私は家に戻って行く。
この間まで両親と笑いながら暮らしていた家も今は1人になり広く見えた。
「こんなに広かったんだ。親といた時は狭いと感じていたのに。」
今日から1人で生活しなければならないけどやはり悲しみが込み上げてくる。しかし悲しんでもいられない。
「よし。遺品整理しよう。」
私はそう言って両親の部屋に入っていく。
初めて入った両親の部屋は綺麗に整理されていた。
「凄いなぁ。綺麗に整理されてるよ。どうしようかな?なるべく残しておきたいし。」
遺品の整理をしていればふとあるものが目に留まった。
「ん?これって杖術で使う武器?」
私は両親の言葉をふと思い出していた。
私の両親は元冒険者だと言っいた。
2人共に聖魔法の適正があったから旅をしながら治療をおこなっていたと。
そして同じ依頼で知り合ってその後結婚したらしい。亡くなる少し前でも暇があれば街の空き地で振っていると。
「そうか!冒険者になれば今の私でも生活出来るかもしれない。それにこっそり親の杖術を見ていたからある程度は出来るし。」
そう思った私は翌日から準備に取り掛かった。正直に言えばこの家でずっと生活したいけど両親の事を思い出して悲しんでしまう。だったら両親との思い出を胸に新しい生活をしようと思う。
それから一ヶ月後ようやく準備が出来た。
幸い私にも聖魔法の適正があり少しだけなら使えるようになったし無属性魔法も使えるようになった。
両親の思い出の品や大事な物。そして旅に必要な物も揃えた。
「よし。これから新しい生活の始まりです。どうせなら親と同じく旅しながら困っている人を助ける冒険者を目指して頑張ろう。」
そして私の冒険者としての旅が始まった。
最初はやっぱり何も分からなかった。
子供だから余り依頼受けれないし、盗賊に狙われる事もあった。衣食住も安定しなかった。
ただ困っている人を助けたり治療したときにお礼言われるのは気持ちよかった。
冒険者になって3年、私も15歳になって冒険者生活は最初に比べて順調になった。たまたま会った旅の行商人からお気に入りの服も買えたし料理や杖術の腕も上がって、何より聖魔法の腕が上がって治療も楽になっていった。
「お父さんやお母さんに少しは追いついたかなぁ。」
そう思いながら歩いていると急に草むらが揺れ中から人が出てきた。
よく見るとかなり怪我があり血が流れていた。
私は驚いたが急いで近づいて声を掛ける。
「大丈夫ですか?今治療しますから!」
私はそう言うと治療を始めるがなかなか傷が治らない。少しづつ治ってきているが血が流れる速度の方が早くこのままでは死んでしまう。
「なんで治らないの?」
私は自分が有頂天になっていた。治療の腕前が上がったから全て助けれると思い込んでいた。
だけど今の私にはこの人を助けられないと感じていた。
「協力しましょう。」
その時、急に背後から声をかけられ振り向くと司祭の服を着た人が立っていた。
「あなたは?」
「説明は後で。今はその人を助ける事のが先です。」
「そうですね。お願いします。」
そう言うとその人は治療し始める。すると見る見る内に傷が塞がっていった。
「凄い。」
私はその治療に見惚れていた。私の治療と全然違ったのだ。
しばらくして傷が完全に塞がり対応も完璧だった。
その後私達は自己紹介をしお互いの事を話しながら歩いていた。
その人はこの先にあるマデゼア街の司祭に就任する為に移動している際に私が治療しているのを見つけ、手助けしたいと思ったと語った。
そして私の治療を見てまだまだ伸び代があり、シスターとして働いてみないかと勧誘したいと。
「どうでしょう。私と一緒に教会に来ませんか?」
「はい。よろしくお願いします。」
私はこの申し出を受ける事にした。
このまま冒険者を続ける事も出来たが女性の一人旅が危険なのも分かっているし何より治療の腕をもっともっと上げたかった。
こうして3年間の冒険者生活は終わりを告げた。
そして現在、私は冒険者に戻った。マデゼア街のシスターとしての3年間で色々な事を経験したし、今度は皆と困っている人々を助けるんだと心に誓って。




