表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この世界は、小さく静かでちょうどいい~小さな体ではじまる異世界転移〜  作者: ウラン
第2章《小さな世界の仮住まい》

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/79

第30話 カフェテリア

町の中央に、大きな木が一本立っていた。

その根元を囲むように、木の色に溶け込んだテラス席が並んでいた。


「あそこ」

モクレンが指を示す。

「デザート、うまいんだよ」


「荷物あるし、テラスでいいよね」

「うん」

台車を脇に寄せて、二人で席に腰を下ろす。


風が通り抜けて、流花の長い髪がふわりと揺れた。


メニューを開くと、並んでいるのは見慣れた名前ばかりだ。

ナポリタン、オムライス、グラタン。

「私はナポリタン」

モクレンが即決する。


「流花は?」

「……オムライスにしようかな」

「注文するね デザートは後で決めよう!」


料理を待つあいだ、木陰が気持ちいい。

町のざわめきも、風の音も、全部ちょうどいい距離にある。


「で、店の仕事どう?」

「忙しい?」


「うん、忙しい」

「でも?」

「でも、楽しい」

「でしょ」

モクレンが笑う。


「キヨもヒロさんも優しいし」

「蓮も真面目だし」

「うん」

「ちゃんと見てくれる店だよ」

流花は頷く。

「それが、すごく嬉しい」


料理が運ばれてくる。

オムライスの黄色が、日差しに映える。


「その服さ」

モクレンが言う。

「ほんと似合ってる」

「青、いいよね」

「うん。流花っぽい」

「……流花っぽい?」

「落ち着いてるのに、ちゃんと目に入る」

「流花ってそんなイメージ」

流花は少し照れて、スプーンを入れた。


「ねえ」

「モクレンの仕事って、どんな感じなの?」

「うーん一言で行ったら設計」

「この町に、いろいろ作ってる」

「今は、風車小屋ね」


「水を汲み出すの?」

「それもあるけど」

「機織りに使う予定なんだ」

「機織りかぁ」

「そう」

「服の人、多いからね、この辺」

「今は他に二つあるんだけど

新しいとこが回りだしたら、だいぶ楽になる」

「完成したら、見てみたい!」

「もちろん」


外の風が、また吹く。

テラスの影が、ゆっくり動く。


「こういう昼、いいね」

流花が言うと、

「だよね」

モクレンが、呟くように返す。


とりとめのない話は、まだ続く。

でも急ぐ理由は、どこにもなかった。


今回は少しゆっくりめのお話でした。

倉庫のあと、働くことや暮らすことが、ちゃんと「日常」になってきた感じを書きたくて。

流花にとっても、読んでくれている方にとっても、

ほっと一息つける回になっていたら嬉しいです。

次は美味しいデザート。

何にしようか迷い中です!

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ