8・再会(志村・吉間)
更新不定期ですみません。
こつこつ少しずつ書いています。
「おう金屋子殿、しけた顔してどうした?」
「あっ単芸様、いや守護様の夕子様が良くないらしくて」
「ああ、娘さんか」
「先程から熱と下痢で酷くて、コロリらしいって、まだ若いのに・・・」
(おいおいコレラか!)
「大丈夫なのか?」
「何日かしたら北の使節団が来るのですが、それまではとてももたないかと・・・」
(あぁ、北の国の医術は素晴らしいと言ってたな)
「そこまで持てば良い訳だな?」
「でも、コロリになったら3日持たないです」
「直ぐに水と砂糖と塩で水を使って飲ませろ!下痢の汚物は穴に捨てて焼き貝の粉をかけておけ!」
「単芸殿!コロリの知識があるのですか!」
「いや、テレビでちょっと観ただけだ」
「てれび、とは?」
「・・・良いから、早くしろ!」
「その飲み物を作る分量がわかりません」
「えぇっと、沸騰して冷ました水一升に、一掴みの砂糖とひとつまみの塩を入れろ。涙より薄いぐらいの味だ!それを飲ませるんだ。一掴みは女子の手でな!」
「単芸様も城に来て下さい!城の離れに居ます」
「わかったこれを片付けてすぐ行く」
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城の離れに隔離されて居る。
(怖がって誰も部屋に近寄ら無いのか?)
「世話は?」
「皆怖がって・・・」
「居ないのか!」
「夕子様から世話は要らぬから、使用人は退がれと言われました」
(ふむ、なるほどお側の者に感染するのを気にして居るのか。もう死ぬ覚悟が出来て居ると言う事か・・・)
「よし!わかった俺が世話する!どんどん湯を沸かせ!金屋子殿スポドリを早く作ってくれ!」
布でマスクをして部屋に入るとマスクをして汚物にまみれた夕子がいた。
服を脱がせすぐ燃やした。
身体はお湯と石鹸で洗う。
羞恥から横を向き泣いていた。
床に熱湯を掛け消毒する。
俺も着替え、着てた服は燃やす、
茶箱でTVで観たドラマみたいに尻部分だけを出したベッドを作り、下にはおけを置き汚物が溜まるようにした。
羞恥で死にたいと呟いた夕子さんの頭からを撫でてやる。
「今はコロリと戦ってるんだ!戦さ中なのだよ。武家の娘なのだから戦いなさい。もう少しだから頑張れ」
夕子さんは泣きながらも大きくうなづいた。
「よし、この水を飲むと身体からコロリが出て行くんだ。とにかく飲んでくれ」
急須にスポドリを入れ少しづつ飲ませていく。
俺も感染しないようにとにかく細心注意を払い看病した。
3日経った。
大丈夫だ生きてる。
5日経った。
だんだん回復に向かっているようだが?いや、油断禁物だ。
「北の国、長村門道さま御一行御到着!」
門番が声を張り上げ北の国使者の到着を告げる。
「長村様はそのままこっちに向かっております!」
(ふう、それはありがたい)
「患者はここか!」
襖が開き男が入って来て夕子さんを診察する。
「もう大丈夫だ!峠は超えているこのまま安静にしてくれ」
(それにしてもなぜ助かった?)
「失礼致します。単芸殿すぽどりをお待ちしました」
「すぽどり?」
長村門道は急須の水を味見する。
(これは経口補水液か?ちょっと薄いが、濃いよりは良い)
急須のすぽどりなる物の味見をして居ると、小柄な男が近づいて来た。
「志村さんか?」
「おいおい!吉間さんか!」
西の国の家老と東の国の家老が顔を見合わせている。
「単芸殿もしかして長村殿と知り合いか?」
「長村?」
「単芸?」
「こちらは西の国の刀匠で渡来人の単芸左前殿じゃ」
「こちらは北の国の医師で長村門道殿だ」
「・・・・・志村さんそりゃ酷い名だ」
「いやいや、吉間さんもなかなかだよ!笑」
「しむら、よしまとは?」
「あぁ仇名だ、俺たちはそう呼びあっているから気にしないでくれ」
その後、志村さんは消毒液などの指示や、持ってきた薬などの説明をするため移動した。
後の歓迎会で合流する事になった。




