17・不二山
凄く尻が痛い。
俺は馬なんて乗れないから馬車だ。
馬が疲れたら交代するように、何頭か荷物を乗せていない馬も一緒に移動している。
祠が見えた。
ほんのり光っている?ように見える。
「おい!礼拝箱はあれか?」
「そうです、あそこに光石があります!」
箱を覗くと石が光を帯び浮いている!
「半分ぐらい溜まっています!」
「何故、半分だとわかる?」
「ここまで来ると一気に上に上がります。今はその半分ぐらいの位置ですからね」
「ほう!じゃあ早速投げるか!」
「松岡!ちょっと待て!」
「何だ!じじい師範3人組では無いか!では、お前らか?長村・単芸・尾上とかいう渡来人は!」
「そういう事だポンコツ宗家。しかしそれにしても松岡、お前歳をとったなあ、俺たちは最近来たばかりだからなぁ、同じくらいか?」
「うるさい、このポンコツじじいども!この俺を呼び捨てにするな!せめて松岡宗家様、とか松岡会長殿だろ!お前ら下々の連中は我々選ばれし者のである宗家を敬え!」
「は?選ばれし者って?誰に選ばれたんだ?ただの家芸だろ?」
「何だとぉー愚弄するのか!我が剣を喰らわせるぞ!」
「ああ、お前も梅田宗家と同じで柔道出身だっけ?」
「だから何だ!」
ドンッ!
松岡が吉間の胸を押した。
吉間は押しに逆らわず押した腕を取り、そのまま倒れながら投げる。
吉岡はタタラを踏んだが、さすが柔道出身だ、素早く身体のバランスを取り投げられずに踏ん張る。
(ほう!体幹はかなり良い。柔道は真面目に取り組んでいたようだな)
その腹から血が噴き出た。
吉間が投げだ瞬間、神速の抜刀で腹を撫で斬りしたのだ。
吉間は流れるような動作で松岡の腕を掴み後ろに引く。素早く身体を密着させ相手の丹田とこっちの丹田の動きを同化させた瞬間、素早く腰を捻り回転さて松岡を前方に動かす。
さすがに警戒していたようで直ぐに踏み止まる。
が、背を向けていた松岡のアキレス腱を斬った。
松岡は素早く頭を下げて前方に重心を移し身体を丸めながら前受け身を取り、礼拝箱に近づくと光石を握った。
(いや、こいつ本当にグラップラーの才能あるぞ!)
八代が飛び込み松岡と揉み合っている。
松岡が頭上に何かを放った。
「八代さん間に合わなかったか!」
東の兵士と戦っている志村さんが横で呟く。
(ん?光が2つ?)
キラキラと光る2つの石が放りあげられた。
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吉間さんが松岡と戦っている。
東の兵士はこちらの兵士に任せ、その隙に光石へと向かうが・・・
(おいおい、松岡若宗家剣はダメだか格闘技はイケるんじゃ無いか?)
なかなかキレのある動きをしている。
お世辞抜きで才能がある。
光石を取ろうとした時、松岡が突っ込んできた。
松岡は体当たりをするような体制から光石を取る。
(やばい!)
松岡に飛び掛かった!
揉み合っているが、さすがに松岡に軍配が上がる。
「痛っ!」
首に痛みが走る。
妻の形見のスフィーンのネックレスが松岡の持つ光石と絡まり首から切れた。
松岡は上半身を起こし光石と絡まったネックレスと共に空に投げた!
光石が上空に浮き輝きを増す。
光が一緒に絡まっているスフィーンで増幅しているのか?大きく強い白い光の球が出来る。
その光が突然弾けた!
七色の光の矢が松岡・八代・吉間・志村、4人の渡来人に照射される。
4人は焼けるような痛みで思わず床に転がる。
「うぉーーー!」
「あっ、あっい!」
春代達が駆け寄る。
「長村様!」
「八代殿!」
「吉間殿!志村殿!」
「丹下殿!」
「尾上殿!」




