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16・梅田

「おい!天狗影流のジジイ剣を捨てろ!」

後ろを振り向くと薬師長の春代が捕まっている。

「長村先生すみません・・・」


「貴様は八代さんの所の慢心流の梅田だったか?」

「八代の所ではない!俺の所だ馬鹿者!梅田宗家といえ!協会の副会長だぞ!」

「何だそれ本物の刀か?お前確か模造刀しか使え無いんだろ?」

「なっ、なにぃ!うるさい!この濤狼剣(とうろうけん)餌食にしてくれる!」

「何だその早漏剣とは?はやいのか?」

「違う違う、ちがーう!孤狼剣(ころうけん)だっ!」

「おい名前変わってるぞ?天狼剣だっただろ?」

「そっ、そうだ!とにかく天狼剣の餌食にしてやる!動くなよ〜この女殺しちゃうぞ!」


(ちぃ、春代が捕まってるのは困るな)

梅田の剣が俺の胴に食い込む。

血が噴き出る。

ガッ!

急いでその剣の鎬地(しのぎじ)を小太刀の鍔元で思い切り叩く。

「長村先生!」

春代が梅田の隙をつき離れる。

俺に抱きつくと春代が俺の鎧通しを抜き、振り向きざまに梅田を刺した。


深く刺さる前に春代は蹴り倒され転がった。

直ぐ起き上がり志村の元に駆け寄る。

「先生!先生!大丈夫ですか!」


「はははっ!女に守られるとはなぁ!いいか俺達はこっちでは身体能力が3倍なのだぞ!」

「それなのに、お前はその女の攻撃受けているのは何故だ?うかつなんじゃ無いのか?」


「黙れ黙れ!へれれれれれれ?れぇ〜」

梅田は跪き血を吐き倒れた。

「先生!これは!?」

「春代が使った剣に猛毒を塗っておいたんだよ」

これは本物の戦いだ。

こっちの戦いはルールが無い。

正々堂々なぞクソ喰らえ、確実に殺る事だ。


「先生傷の手当を・・・あれ?そんなでも無いですね?」

身体に当たる瞬間に奴の刀をへし折ったのだ。

吉間さんが細工してくれたので、奴らの刀は重くバランスが悪く扱いづらい。

はっきり言ってとてもまともに振れるもんじゃ無い。

重くてもバランスがよけれは何とか扱えるがバランスが悪いとどうにもならない。

(剣の重さだけで切るのならOKだがなw)

更には高温で焼きど派手な刃文で脆く折れやすくしてくれている。

(まぁだからと言ってダメージはゼロでは無いが)


「志村さんお疲れ様です。早く手当してください」

「ありがとう、さてコレで奴らはどう出るかね」

「わからないですねぇ」


************


何と!常と梅田副会長がやられるとは想定外だ!あと2人では無いか!

「渡来人様を新たに召喚しますか?」

「おい!そんな事出来るのか!」

「東村の地熱が上がると不二山の礼拝箱の光石(こうせき)に光が溜まります。それが空に上がると誰かしら流れ着くので、光出してちょっと浮いたら手に持って上に投げてはどうでしょう?」


「おお!それは良いやってみるか!竹山いや、黒龍神は何処へ行った?」

「何か、伝説を作るとか何とかで出かけております」

「ん?良く分からんが、まぁ我々で行くか」


*************


南の国に戻っていた我々に、東の新たな動きが知らされた。

「ほう、不二山にそんな場所があるのですか?」

東の城に紛れ込んでいる忍びの情報だ。

東の国は前政権が倒れてから情報はガバガバゆるゆるだ。

自衛官の奴らが頑張って再度組織化していたようだが、そんなに急に元に戻る訳はない。


「そんな事で召喚出来るのですか?」

「光は何らかの超常的な力がある事は推測出来ますが・・・その方法はどうかと思います。やってみないと分からないですが・・・」

聞いていた各国の代表達も同意している。


「じゃぁ我々3人と忍び達で行ってみますか?」

「私も行きます!」

春代が手を挙げる。

女の足では山は辛いかと思ったが正直薬師がいると助かる。


多過ぎず少な過ぎずの、7人ほどの人数で行く事にした。

「志村さんは無理しないようにね」

「いや、それが結構治ってるんだよ」

「おー!これも異世界効果ですかね?」

「野菜の成長は早いけどね」

「そうなのか!」

「栄養与えたらぐんぐん育ってるんだよ、それで急激に生産性があがったんだよ」

「謎だなぁ」

「まぁ異世界あるあるだね」


明日朝イチで出かける事にした。

村村に拠点があるので、そこで馬を乗り継いでいく。

昼には着く予定だ。







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