12・再会
「東の国の簒奪者渡来人はあの連中か!」
2人の話を聞いてなんか納得した。
あの若い連中は自衛官だったのか。
なるほど集団の戦さを教えたか。
こっち武士達にも集団戦を話したが笑って取り合わない。
民の寄せ集めなど蹴散らしてくれる!
東の者は鍛錬不足な者ばかりだ、武士の風上にもおけん!
っといった感じだ。
「どうするか?」
「俺達が鍛えた10人農民対10人の武士で模擬戦でもやってみるか?」
「それしか無いだろうな」
「よし、守護様に提案してこよう」
10日後模擬戦を行う事になった。
八代さんに10人の屈指な農民を選んでもらった。
その中の足の速い2人は別動隊で選抜した。
この2人には他のものとは別メニューで走り込んで上から切る。これだけを教えた。
後の8人は横並びでタンポの付いた竹の長槍を皆で前進して思い切り突く、直ぐに振り上げて叩く。素早く後退。これを覚えてさせた。
防具は全員、竹の胴とヘルメット代わりの竹笠をかぶらせた。
涼しく軽量だ。
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城の二の丸広場にて対決だ。
娯楽にが無いから守護様を始め女房衆も見物に来ており祭り状態だ。
武士の10人は甲冑を着込み、声を上げる激しく素振りをしたりして観客を騒がしている。
そんな雰囲気なのでこっちの連中はかなりビビっている。
「大丈夫かいな?」
「ちょっとまずいかも。雰囲気にのまれてるね」
「・・・しょうがない、あれやるか」
「?」
志村さんは全員を集め少量酒を飲ませた。
「お前らよく聞け!ここで武士を倒したら1人1500円やる!」
男達が目を見開いた。1500円は農民の年収の6ヶ月分になる。彼らにとっては破格の褒美だ。
「さらに30分以内で決着をつけたら.もう1500円だ!」
「豊臣秀吉の長槍と短槍ですなぁ」
「ですねぇ・・・」
守護様が席に座った。
「良いか!どんな結果でも、双方恨み無しじゃ!」
『はっ!』
軍配を振り上げる。
「始めぇ!」
勢いよく軍配をおろした!
「やぁ〜やあ〜我こそは!常田の末裔、永正の子、常田永形なりぃー!」
「やあやあ遠からん者は音にもきけぇー!」
「やあやあ近くば寄りて目にも見よ!」
武士どもは一斉に名乗りをあげ出した。
それを無視し突撃させる。
「全力で前進!突けぇーーー!」
『やぁぁーーー!!』
「もう一度突いてから思い切り叩け」
「遊撃隊は攻撃を逃れた武士を叩け!」
『やぁぁぁーーー!』
武士は背中を叩かれ皆地面に伸びている。
1人逃れたが2人の遊撃隊に挟まれ頭を叩かれ地面に倒れた。
ここまで10分程度だ・・・
「守護様〜!どうですかぁー?」
「うっ、うむ、勝負有りじゃ!御伽衆の勝ちじゃ!」
周りはざわついている。
この10人の武士は国では“十勇士”と言われているのだ。それが10日訓練した10人の農民にやられてしまったのだ。
「うぅ・・・」
何人か目を覚ましてようだ。
「卑怯!卑怯ですぞ!尾上殿!」
「そうじゃ!名乗らずに攻撃など卑怯!」
「は?農民が何を名乗るのです?何処どこ村のなにべえ?野菜は作ってるとか?」
「それにこれが本物の槍だったら、気を失って横になってる時に留め刺されて貴方達死んでますよ?死人が何文句言っているのですか?」
「いやしかしこんなの武士の戦さでは無い!」
「東の武士はそう言って何も出来ずに死んだんだと思いますよ?死んではそのように文句も言えないのですよ?」
「そっ、それは・・・」
「いいですか?戦さの形が変わったのですよ。東の国を見ればわかりますよね?これからは勝った者が正義なのです」
「・・・・」
武士達の顔が青い。
「どうすれば良いんじゃ・・・」
『あっはっはっ!いゃっはっは!そりゃ可笑しい!』
「御伽衆の方々何笑っておるのです!我々を馬鹿にしてあるのですか!いくら尾上殿とは言え許せませんぞ!」
「いや違う違う、彼らは農民なんだよ?」
「はっ?知っておりますが?」
「農民でこの強さだよ?戦闘が仕事の武士を鍛えた方がもっと強いに決まっているじゃないですか?」
「おぉ!確かに!それはそうですな」
「この集団戦を武士団で取り入れます!」
更に北・西・南の武士で合同訓練も行うことにした。




