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王弟殿下はウサギ令嬢の私をご所望です  作者: 桐城シロウ
第一章 本当はか弱い王子様とウサギ令嬢の私
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8.ドレス選びと殿下の本心と

 



「わーっ! なんて可愛いウサギちゃんなのかしら! って、あ、失礼しました……。シャーロット様」

「い、いいですよ。別に……」



 いきなり知らない人に抱き上げられて、硬直してしまう。十六歳ぐらいに見えるリンジーが「わ~、可愛い」と言ってにこにこと笑い、私を高く抱き上げていた。ちょっとだけ怖い。震えて殿下の方を見てみると、すぐにおやっという顔をして、こちらに来てくれた。



「申し訳ない、彼女が怖がっているみたいなので」

「あっ、ああ、申し訳ありません! つい、このしっとりふわふわ毛皮がっ……」

「ま、まぁ、私の毛皮は魅力的ですからね……」



 今日は涼やかな灰色のスーツを着ている殿下の腕の中で、ふすんと息を吐くと、リンジーがたまらない! といった表情でふるふると震え出す。ああ、私の毛皮が魅力的なばかりに……。



(うーん、なんて罪作りな毛皮なのかしら? 私ってば!)



 仕立て屋の針子をも惑わす毛皮……。ふふんと(えつ)に浸っていると、殿下が私の顎の下辺りをふわふわと掻いてゆく。今日も殿下の指先は気持ちよくて、ついついうっとりしてしまった。



「それで、今日は仮縫いだったかな?」

「あっ、はい。そうなりますね! すみません、母の方が上手なんですけど」

「いや、大丈夫だ。彼女にもし、何かあったら嫌だし……」



 殿下は心配性だ。私が城内でもちくちくと、嫌がらせをされたり無視をされたりしていることを話すと、急遽(きゅうきょ)ウサギが好きだというリンジーだけ呼び寄せてくれた。



「ええっとですね! 先日、サイズを送って頂いたので……」

「悪いね、忙しいのに頼んでしまって」

「いえいえ! 春先はいつもこんな感じですから。社交界シーズンとなると、眠れないのは当たり前ですし……」



 まとめた金髪に青い瞳を持ったリンジーが笑って、疲弊(ひへい)の色を滲ませる。彼女が働いている仕立て屋は王都にある人気店で、忙しいだろうからと殿下がそう配慮して、事前に私のふわふわウサギ姿のサイズを送ったのですが。彼女が青い瞳を輝かせ、鞄の中からばんっと、色とりどりのウサギちゃんドレスを取り出す。



「これっ! どうでしょう!? 私、ウサギのドレスを作るのは初めてで……」

「わーっ、可愛い!」

「ギンガムチェックとリボンがすごく可愛いな……!!」



 ソファーに腰かけた殿下のお膝の上ではしゃぐと、低く笑って背を撫でてくれる。やさ、優しい……。きゅんとときめいていると、リンジーが興奮した顔で次々と、テーブルの上にドレスを広げていった。



「こちらはですね!? なんと苺ちゃん柄ですっ! あ、人の姿に戻った時はきちんと、流行のデザインになるよう仕立てるので……」

「流石だな、技術力が高い」

「ふふふふ、お任せください。今日はこれから、人の姿で仮縫いと~」

「人の姿で仮縫い……」

「大丈夫だよ。私は席を外すからね? ロッティ」



 声が! 声がとんでもなく甘い! ふるふると打ち震えていると、リンジーが青い瞳を細めて、ちょっとだけ羨ましそうな顔をする。あれ? もふもふしてる殿下への嫉妬? それとも、私が愛されてるから……?



「いいですねえ、殿下。私ももふもふしたいですっ……!!」

「はは、だろうね」

(違った。私の毛皮が、罪作りな手触りだったからだ……!!)



 ふふん、この毛皮はコンテストで優勝した毛皮だもの! 偉そうにむふんと胸を張っていると、口元を押さえて「可愛い~!」と叫び出す。あれ? 一向に話が進まない……。



「じゃあ、私の好みとしては……このギンガムチェックなんだが。ロッティは?」

「わ、私もそれが好きです。気が合いますね、アルフレッド様」

「……じゃあ、これにしようか」



 あれ? 一瞬間があった。どうしたんだろう? 不安で毛皮がぶわっと膨らんでしまう。もしかして、名前を呼んじゃだめだったとか?



「こちらの! こちらの清楚な白いリボンと青い布地のドレスもおすすめですよ! 本当は光沢感のある布地で仕立てようかと思っていたんですが、でも、お散歩されるということで、リネン混のしゃりっとした布地で仕立てて、」

「あ、ああ……ありがとう。確かに可愛いな。どれもこれもよく似合いそうだが。ロッティの好みは?」

「可愛いふりふりのやつです! あ、あと、せっかくですからその、アルフレッド様が選んでくださったドレスを身に付けたいです……」



 前足でふみふみと、お膝を踏みしめて言ってみると、「可愛いっ……!!」と呟いて私を抱き上げ、思いっきり背中に顔を埋めた。そのまますーはーすーはーと、息を深く吸い込んでいる殿下を見て、向かいに座ったリンジーが「ああっ、羨ましい……」と辛そうな声を上げる。



「だ、大丈夫ですよ! よかったらあとでもふもふを、」

「いいんですかぁっ!? やったぁ!!」

(も、ものすごく喜んでらっしゃる……)



 拳を握り締めて高く上げたあと、少し恥ずかしそうにこほんと咳払いをして、目の前のドレスに向き直った。



「それでは、どの柄にしますか?」

「すべて貰おう。あっ、だが、すべて舞踏会用だと……」

「んん、それでは午後用のドレスと舞踏会用と、両方仕立てますか?」

「ああ、じゃあ、そうして貰おうかな? 話が早くて助かるよ」



 どこかほっとしたように息を吐いて、また私の背中を撫でてくれる。でも、殿下。選んだ意味……。



「あ、あの、ドレスを選んだ意味が……」

「悪い。こうして見てみると、どれも欲しくなってしまってね。最初、この真っ赤なドレスはどうかと思ったんだが」

「でも、殿下! 可愛いむちむちふわふわのウサギちゃんが、ちょっとセクシーで情熱的な真っ赤なドレスを着てるの、最高に可愛くありません!? ほらっ、ここ! むちむち毛皮がよく見えるように、赤い紐をクロスさせて、」

「だ、だな! ええっと、ロッティはどう思う? これでいいかな……?」



 リンジーの勢いに慄き(おのの)ながら、殿下が私の顔を覗きこむ。両手に抱えられたまま、こくりと頷くと、どこか嬉しそうに笑ったような気がした。



「じゃあ、これにしようか。胸元のふわふわとした、極上の毛並みが赤い紐の隙間から零れ落ちる感じがきっと、たまらなく魅力的で」

「わ、分かりますわ! 殿下! 羨ましいです! 私も素敵な毛皮を持った、婚約者が欲しいです!!」



 あ、胸がちくりとしてしまった。殿下が「そうだろう? 羨ましいだろう?」と言って嬉しそうに笑う。胸の奥にもんやりとしたものが溜まっていった。



(私……アクセサリー的な存在なのかな? それともただ、殿下は毛皮がお好きで)



「私に毛皮が無くても、好きになってくれましたか?」と、そんなことがどうしても聞けない。怖い。どうしよう?



(人の姿でそう言えば、可愛いって……って、あれ? 言って貰えてるわ、私)



 人の姿の時でもよく、にこにこと笑って「シャーロット嬢は可愛いなぁ」と言ってくれる。



(じゃ、じゃあ、もしかしたら大丈夫かも……!? あとでもふもふちゅっちゅしたあとに、聞いてみてもいいかもしれない!)



 最近の殿下は私がふわん! と顔にぶつかったあとで、ほっぺたにちゅ、ちゅと、軽くキスされるのがお気に入りだから。そのあと、しばらく放して貰えなかった。すごいことになってしまった。その時の熱い吐息を思い出し、背を震わせる。



「あ、の……アルフレッド様?」

「いや、私としては苺柄と白いレースの方がいいと思うんだが!」

「いえ、ですが! それだと可愛らしくなりすぎるので……」

「いや、いいんだよ。ロッティはそれで! このレース部分を白くして貰えれば、こちらとしては別に」



 わ、私が物思いにふけっている間に、何か揉めてらっしゃる……。どうも苺柄のドレスのレースを白か黒か、どちらにするかで意見が対立しているみたい。どちらも可愛いから、どちらでもいいかな。私は。



「なぁ! どう思う!? ロッティは!」

「どちらでも可愛いので……殿下のお好きな方を」

「えーっ!? でも、黒いレースと苺柄の組み合わせが」

「彼女がそう言っていることだし、それでよろしく頼むよ。リンジー嬢?」



 とびっきりの甘い声で頼まれ、うぐっと言葉を詰まらせ、うやうやしく「かしこまりました。では、そのように」と言う。でも、どこか不満そうだった。ああ、私の毛皮が魅力的なばかりに、このような争いが起きてしまって……。



「それでは、人の姿の時のドレスを選んで欲しいのですが。シャーロット様?」

「あっ、はい。わ~、いっぱいある。可愛い!」

「今年の流行は先月、ルートルードから入ってきた……」



 ファッションプレートを見ながら、どれがいいかを話し合う。私がぽふぽふと、前足を動かして力説していると、淋しくなってしまったのか、殿下がひょいっと抱き上げてきた。



「ふぉっ!?」

「楽しそうだね、ロッティ」

「た、楽しいです……あの、すみません。殿下を放りっぱなしにして」



 そこでぐっと私を抱き締め、「さっきはアルフレッドって、そう呼んでくれていたのにな?」と耳元で囁いたあと、そっと膝の上に降ろしてくれた。思わず固まって、ヒゲをひくひくと震わせる。



「じゃあ、もうそろそろこれぐらいで……仮縫いに入って貰えるか? このあとも予定が詰まっているし、彼女との時間が減ってしまうから」

「あ、はい。申し訳ありません、殿下。では、仮縫いに入りましょうか! あら、シャーロット様……?」

「最近ちょっと太ってきたので、かりぬい、仮縫い恐怖症で震えてまふっ……!!」

「ふふふ、可愛い~」

「いいのに、気にしなくても。毛皮のむちむち感も増えるし」

「けっ、毛皮由来じゃないむちむちはだめです、ただの脂肪です……!! つ、辛い」



 殿下が愉快そうに笑って、震える私の鼻先にちゅっと、キスをしたあと去って行った。す、すごい。人がいるからか、いつものよわよわな殿下が出てこない。殿下が出て行ってから、すぐに侍女たちが入ってきた。さぁ、恐怖の仮縫いの始まりです……。



(ダイエット……したのになぁ。失敗しちゃった。もっとお散歩で、跳ねて飛んでとすれば良かったかもしれない……悲しい)












 もう一つの応接室に入ってばたんと扉を閉めたあと、息を吐く。彼女との時間は、ただひたすらに癒されるもので。



(あー……名前。くそっ、二人きりの時にそう呼んで欲しかったんだがなぁ)



 以前から何度か、名前で呼んでくれてはいたが。でも、彼女はすぐに罪悪感を顔に浮かべ、申し訳なさそうに「殿下」と呼び直していた。いいのに、気にしなくても。口元を押さえ、扉に背を預ける。



(彼女との距離をもっと縮めたい……が、暴走しないように気を付けないとな)



 自分が嫌で嫌で、仕方の無かった、弱くて脆い部分を彼女は好きだと言ってくれた。周囲にそんなことを言ってくれる人間はいなかった。あの日、彼女が帰ったあと、呆然と、何度も何度もその台詞を頭の中で繰り返していた。



『私、殿下のそんなところが好きです。繊細で、よわよわしてるところ!』



 その台詞はまるで、暗闇の中に突然射し込んできた光のようで。年甲斐もなくと思いつつも、口元を押さえて俯く。滑らかな草花柄絨毯が目に飛び込んでくる。



「シャーロット嬢……ああ、だめだ。制御しなきゃなぁ。この前もウサギの姿に戻っていたし」



 彼女が私の地位に目がくらむような女性には見えないが。俯くと、濃いブラウンの髪がさらりと流れ落ちた。見た目ばかりの脆弱(ぜいじゃく)な王子と、そう陰口を叩かれていた時のことを思い出す。



(……私が王族だからか。拒絶しないのも?)



 分からない、まだ何も分からない。が、王族補正はかかっているんだろう。この身に尊き血が流れているというだけで、人々は私に幻想を抱く。



(もしも、王族じゃなかったとしても。普通の……たとえばどこぞの貴族の一人として、社交界で出会ったとしても。彼女は好きになってくれたんだろうか?)



 よく分からない。ああ、自分のネガティブ思考に嫌気が差してきた。暗いことしか考えられない。彼女は本当は嫌がっていて、だからあの時、ウサギの姿に戻ってしまって────……。



(やめよう。考えたって仕方が無い。とにかくも! 今日はなるべく触らない、近付き過ぎないように……!!)



 ウサギの姿ならいいが。人の姿の時は接触を控えよう、そうしよう。なにせ彼女は可愛いすぎる。こちらを上目遣いで見てくるし、いつもどことなく頬が赤い。



(ああ、早く……結婚出来るといいんだがなぁ)



 婚前交渉はだめだ、婚前交渉はだめだ。そう何百回も唱えて自分を落ち着かせていると、コンコンと軽やかなノック音が響き渡った。どうやら、考え事をしている間に仮縫いが終わったらしい。





「殿下~! どうですか? ウサギちゃんドレスはっ」

「ああ、よく似合っているよ。可愛い」



 まだ仮縫いだし、それもそうか。見せて貰えないか。侍女やリンジーが微笑ましい顔で見守る中、白いフリル襟が付いた花柄ドレスを着てぴょんぴょんと、応接室の中を飛び跳ねている。可愛い。揺れ動くふわふわお尻がたまらない。じっと凝視(ぎょうし)していると、おもむろにこちらを振り返った。



「殿下! あの真っ赤なドレスも着てみますっ!」

「ああ、是非そうしてみてくれ。それで、あー、君達は……」

「では、私達はこれで失礼させて頂きますね!」

「あっ、はい! ありがとうございました! リンジーさん」

「いえいえ、楽しかったですよ。もふもふが出来て! それでは、失礼致します」

「「失礼致します」」



 深く頭を下げて、侍女たちが出て行った。私がいない間にもふらせたのか……。少しだけ嫉妬したあと、その気持ちに蓋をする。大人げない、あんな少女相手に嫉妬だなんて。



「ええっと、このドレスはどうやって着せたら……?」

「よく伸びる布地で出来ていて。ええっと、こう、私の頭の上から……」



 足元にやって来たので、床に膝を突くと、とことこと近寄ってきた。可愛い。そして、つぶらなグリーンの瞳で見上げてくる。



「このドレス、ぽふんと脱がせて貰えませんか? 殿下」

「……ああ、分かった」



 また殿下呼びに戻っている。さて、いつ言おうか。どうしようか。ひとまずは彼女のドレスを脱がせて、そっと優しく、真っ赤なドレスを着せる。想像通りだった。彼女の柔らかな茶色い毛がもふんと、赤い紐の隙間から溢れ出てきて可愛い。背中から腰にかけて、真っ赤なフリルのスカートが広がっている。シャーロットが嬉しそうに、くるくると回って見せつけてきた。



「どうっ、どうですか!? 可愛いですか!? よく似合ってますか!?」

「いいね、セクシーでとっても可愛い。ところで、ロッティ?」

「はい?」



 自慢げにくるくると、回っていたがぴたりと止まる。耐え切れず、腕を伸ばして彼女を抱き上げた。



「さっきまでは名前で呼んでいてくれたのに、どうして今は殿下呼びになっているんだ?」

「あっ、ああ……ええっと、あの、アルフレッド様?」

「ん?」



 どこか言い辛そうにしている。どうしたんだろう。見つめていると、彼女が「やっぱり何でもないです……」と言ってきた。まぁ、それはそうか。



「悪い、ごめん……私じゃ頼りにならないよなぁ」

「えっ!? な、何の話で、」

「どうせ特にこれといって、何か秀でたところがある訳じゃない顔だけ王子なんだよなぁ、私は……そうだよな? 何か悩みごとがあっても話せないよなぁ……」



 ど、どうしよう? 殿下が何かを誤解して、勝手に拗ねてゆく……。ひとまずおろして貰おうと思って、じたばたと暴れていると、すぐに察しておろしてくれた。



「あ、あのですね!? アルフレッド様」

「……うん」



 私が見上げると、お行儀良く膝を抱えて見下ろしてくれた。憂鬱そうな青い瞳に、私の姿が映っている。



「す、好きなんですけど。私はアルフレッド様のことが!」

「私も好きだよ、ありがとう」



 ふっと無邪気に微笑んで、ちょいっと手を差し出してくれた。そこに頑張って、ぽふんと前足を置いてみる。すぐにぎゅっと、優しい力で握り締めてくれた。聞こう。聞くんだ、ちゃんと。勇気を出して、殿下の本心を。



「で、でも、その、私に毛皮が無くても好きになってくれましたか……?」

「それはもちろん。むしろ、人の姿でいて欲しいけど?」

「えっ!?」



 戸惑っていると私を抱き上げ、ぽふんとソファーに乗せた。あれよあれよという間に何故か、ソファーに押し倒される。殿下が両手を突いて、私のことを妖しく見下ろしていた。さらりと、濃いブラウンの髪が流れ落ちる。



「だって、人の姿じゃないと出来ないことが沢山あるだろう? だから」

「えっ、でん、殿下……!?」

「違うだろう? ロッティ。名前で呼んでごらん、私のことを」

「えっ、わ、ある、えっ……」



 殿下がにっこりと笑い、体を屈めてキスをしてきた。心臓が破裂してしまう。どうしよう? とりあえず、お腹を向けたまま「アルフレッド様」と呼んでみた。満足そうな微笑みを浮かべ、青い瞳を細める。



「たとえ君に毛皮が無くても好きだよ、シャーロット。だからもう、そんな風に気にしなくてもいい……あとそれから」

「ふぁ、ふぁい?」



 そこで何故か、苦しそうにふっと微笑んだ。一体どうしてだろう。人の姿だったら腕を伸ばして、その頬に触れていたのに。



「いいや……君を傷付けてしまうかもしれないし。何よりも、君はそんな女性じゃないからね」

「あの、一体何の話ですか……?」

「君のことが好きって話。ああ、早く、初夜を迎えたいんだけどなぁ」

「ふぉっ!?」



 殿下はたまに、驚くようなことをさらりと仰る。そう言ってみると、黙って微笑んでいた。ああ、弱いところがあって、たまに色気を溢れさせてくる殿下のことが好きです。私。



(で、でも、良かった! 勇気を出して聞いてみて……!!)






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