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今の時期に行ける海があるんですか!?

朝起きると、そこはいつもの景色ではなかった。

ここはどこか、それは一瞬で理解が出来た。


(ここはユウの部屋……?何で私ユウの部屋で……)


ユウの部屋にいるはずなのに、肝心のユウ本人がいない。

状況を理解しようと記憶を辿ると、私は昨日の夜の出来事を思い出してしまった。


………流石にあれはやばい。ただユウの機嫌を直すという理由を付けて、一緒に寝るだけだったはずなのに。


口の中に不思議な感触を感じて、唾液の音、緑に光る瞳。そのどれもが私の記憶に強く残り、私に事実だという事を見せつけてくる。夢だったら良かったのに……いや…! 夢じゃなくてもいいけど! 流石に刺激が強すぎるよ…!


これ以上考えると私は本当に死んでしまう…! とりあえずご飯でも食って誤魔化さなきゃ……


とりあえずリビングへと向かうと、ユウが座ってお茶を飲んでいた。

めっちゃ貴族の風格ある……っていうか何であんなに平然としていられるのだろうか、私は思い出しただけで恥ずかしすぎて死んでしまいそうになったのに、ユウは平然としている。


「お…おはよう…ユウ」


「……!!? お、おはよう……」


私が挨拶をした瞬間、ユウは飲んでいたお茶を吹き出してむせた。

よかった…流石にユウも昨日の事を意識してたみたい。まあでもあれだけのことして意識されてなかったら流石に悲しいけど……


「か、奏…! 昨日の事は、何も言わないで…! ただ、付き合う事になった……それじゃダメ…?」


めっちゃ可愛い……ユウも昨日の事に少し思うところはあったようで、私に何も言わないでと言ってくる。

正直私も昨日の事はあまり触れたくないからユウの言う事は全然聞くけど……昨日の話をされるとどうしても夜の事が思い浮かんでしまって仕方がない。


少し気まずい……ユウの顔を見るとあの時のことが出てきて…あぁもう…どうにかしていつも通りに戻らなきゃいけないのに…!


「やっほぉ〜! ボクがやってきたよぉ…!」


丁度いいタイミングで来てくれた…!この前は空気が読めなかったけど今回は空気を読んでくれたぞ…!


「んん〜? キミ達…どうしたのぉ…? 様子が変だけどぉ…何かあったぁ…?」


「何でお前がここに来るんだよ…! 来なくていいから帰れ!」


「お前って言うなユウ!」


「お前がユウって呼ぶな!」


「じゃあどうしろと言うのだ!」


相変わらずユウは玲奈達と仲が悪いな……

ユウがジーナさんと喧嘩している間に玲奈が私に小声で話しかけてくる。


「ねぇねぇ…昨日何かあったでしょぉ…ボクに教えてよぉ…!」


めっちゃ玲奈の息が荒い……しかもこれ教えないとずっと聞いてくるタイプのやつだし……


「その……初めてユウとですね………」


「ユウくんと初めて…!? ついにしてしまったんだね奏ぇ…!」


「えっ? あ…うん…」


「で…! どうだったの…子種は出たのかなぁ…!」


「こ、子種?」


子種ってどう言うこと…? ユウの…………!!?!?


「初めてしたんだろぉ…? 今後の研究に役立つから是非とも教えてほしいなぁ…!」


「違う違う!! キス! したのはキスだから!」


「えぇ…? 合体じゃないのぉ…?」


玲奈は指で輪を作って指を輪に入れたり出したりする。

玲奈って見た目はただの幼女くらいなんだけど一体何者なんだろう……


「奏…? 昨日の事は言わないでって言ったじゃん……!」


「ユウ…!? ご…ごめん! つい……」


「丁度よかったぁ…! ユウくん…! キミは子種が出せるのかなぁ…!」


玲奈はユウのどこかに指をさしてユウに聞く。

私のユウになんて事を聞くんだこの博士……!


「はぁ!? 何言ってんのお前!? 痴女かよ…!」


「博士の事痴女って呼ぶな!」


「おぉ…! 仲良しだねキミ達…流石は我が猫耳家族…!」


「こんな奴と家族なんて言わないでください博士…!」


「お前と家族なんてこっちもごめんだ……!」


なんかジーナさんとユウ逆に仲が良い気がする………

というかジーナさん凄く綺麗な顔してるんだよなぁ……目の色が黄緑だけど、いつかはユウもこんな感じに成長するのかな……


「玲奈?ユウって成長したりするの…?」


「ん〜?するよぉ?といっても、本人が望むならだけどねぇ…本人が望まないならいくら時が過ぎても成長はしない…逆にぃ…今すぐ成長したいと思えば三日もすれば成長するのさぁ…!」


前から少し考えてたけど……ユウの体は機械じゃないはず。ちゃんと体温も感じれたし…

けど…どうやって玲奈はユウを作ったんだろう。体や猫耳は一から作るにしてはリアルすぎる……


「そうだ……奏ぇ…? 今度海に行こうよぉ…!」


「え!? 海? 今真冬なんだけど……」


「大丈夫…! ボクの敷地の中に海みたいなプールがあるのさぁ…! 砂浜もあるしぃ…特殊な機械で寒さはなくせるしぃ…最高だよぉ…?」


「奏!こんなやつのとこに行かなくていいから!」


「だから博士をこんなやつと呼ぶな…!」


ユウとジーナさんが取っ組み合いしている……ユウもそんなに玲奈の事嫌いなんだな…………

でも……正直見たい…!ユウの水着姿…!

ユウの裸なんて数ヶ月以来見てないし……というか見た事自体は問題だけど…ってそんな事はどうでもいいの!

ユウの美女の顔から下を見ると胸が丸出しで……むはぁ…!最高っ…!


「奏ぇ…?どうするのぉ…!行くぅ…?」


「行きましゅ!」


「奏!?」


ごめん、ユウ……私は欲望に負けてしまいました……!


「じゃあ…決まりだねぇ…それじゃ…明日の日曜日にぃ…迎えに来るよぉ……!」


「うん!楽しみにしてる!」


「楽しみにしてるなら仕方ないか……」


ユウは少し納得してないみたいだけど……でもなんだかんだ良いみたい!ユウは私の欲望を受け入れてくれるから本当好き……!


「早速準備しよ!ユウ!」


「分かったから…!ちょっと待って…!」


早く明日にならないかなぁ…!あぁ…明日の私は生きていられるんだろうか……!!



そして翌日の朝


「奏ぇ…!迎えに来たよぉ…!」


目の前にある高級車そして、助手席から顔を覗かせる玲奈。

えぇ……?何で玲奈がこんな高級車に乗ってるの……?


「社長!危ないですからやめてください!」


社、社長…!??まあユウを作った人だから凄い人とは思っていたけど…!社長……!!


「お前……凄い奴だったんだな……」


「ちょっとユウ…!社長さんにそんな言い方したらぁ……!」


「大丈夫だよぉ…!むしろ社長と知られて対応を変えられる方が嫌だしぃ…さぁ…乗りなぁ…!」


玲奈に言われとりあえず車に乗る。


うわぁ……!初めて高級車になんて乗っちゃった……!まじでやばい…既に緊張が凄い……!


「さっきまで助手席にいたのに何で隣にいるんだよ…!っていうか奏と僕の間に座るな…!」


「キミが奏の隣に座りたいようなボクも奏の隣が良いんだよぉ…!」


正直ユウが隣に座ってる方が嬉しいんだけど……まぁこれからユウの水着姿を見れると思うと全然許せる!


「さぁ……着いたよぉ…!」


車を降りると、ここは1年中海を楽しめることで有名な施設だった。玲奈について行き、施設の中に入り、更衣室に行く、更衣室の前でジーナさんが水着姿で待っていた。


やっばジーナさんの水着姿めっちゃいい……!でも……胸大きいな……それに比べて…!私のは……


「さぁ…!早速着替えようじゃないかぁ…!」


玲奈は私の腕を引っ張ってきた。


「奏…気をつけてね…?」


ユウは私にそう言って男子更衣室に入っていく。


「え!?何で女子がここに…!」


「僕は男だ!』


ユウが入ってから男子更衣室が少しざわついてるけど……まぁ初めて見た人は分からないよね……私も気付けないもん。


「ちょっとぉ…!ボクといるのにボーッとしてぇ…!ユウがそんなに気になるのかなぁ…!」


「ちょっ!?」


着替えている最中。玲奈が私の胸を触ってくる。


「奏のは少し小さいけどぉ…そんなとこもボクは好きだよぉ…?」


玲奈の手つき普通にいやらしい…!私にはユウがいるのに…!


「ちょっと…!玲奈!やめてよ…!」


「ふふふ…気持ちいいんだろぉ…?もっと気持ちよ…」


突然玲奈の様子が変わり、後ろを見るとそこにはジーナさんが立っていた。

「変なことしでかさないか様子を見に来たら案の定……!」


「いやぁ…これはそのぉ…!違うんだよぉ…!ジーナァ……」


「着替えたんならさっさと出てください!すみません奏さん……」


ジーナさんは私に頭を下げる。

うわぁ………ジーナさんの谷間すご……これもはや凶器だよ……デカすぎずバランスの取れた胸……玲奈って本当にいい子を作ってくれるなぁ…!


着替え終わり、更衣室を出るとユウは焦った様子で私に話しかけてくる。


「奏!変なことされなかった…?」


「えぇっと……ちょっとされたかも……」


「あいつ……!」


ユウは玲奈に怒ってる様子だったけど、私はそんなのどうでもよかった。


裸……!ユウの裸だ……!胸が……!色白の肌…すらっとしら体型……何もかもが可愛い…!


「奏…?」


「えぁ!?えっと……行こっか!」


「うん…?」


あっぶな〜……私が変な目で見てるのがバレてしまうとこだった……いや、付き合ってるし見ても大丈夫なのかな……


「あれって女の子だよね…?何で上裸なの……?」


「え…女が上着てないぞ……!」


皆ユウを女の子と勘違いしてる様子で騒がしくなっている。

するとスタッフらしき女性が私達の方に向かってきた。


「あの…すみません…水着を着てもらわないと……」


「…?僕男なんだけど…?」


「え!?いや…でも……」


まあ普通そうだよね……ユウは男の子って知ってるから私達は何ともないけど、他の人から見たら美女が上半身裸で歩いてるもんね……


「ごめんねぇ…?この子…自分が可愛らしい男の娘(おとこのこ)って事、自覚してないんだよぉ…」


「えっ社長!?どうしてここへ…?」


「遊びに来たのさぁ…!ボクが着せておくから気にしないでねぇ…!」


「は、はい!失礼しました!」


スタッフの対応を見ると改めて玲奈って社長なんだなぁ………社長でユウを作るってどんだけスペック高いんだろう……


「海で泳ぐのに服を着ていたら邪魔になるじゃないか!」


「けどぉ…着なかったらキミ痴女になるよぉ…?」


「僕は痴女じゃないし男だ!」


ユウはそういうけど顔だけ見たら世界の美女トップ100に選ばれるくらいには美人だし、仕方ない。


「僕は男なのに……」


「ま、まぁ…着てても遊ぶくらいなら出来るから…ね?」


ユウは無理やり上着を着せられて、泳ぐ事が出来なくなって落ち込んでる様子だった。


落ち込んでる顔も可愛いけど流石にかわいそうになってくる……どうにか元気になってもらわないと…!

そう思った私はユウを引っ張り海へと向かう。


「ほら!一緒に遊ぼう!」


「え…あ、うん…!」


ユウと水の飛ばし合いをして遊んでいると、ユウの顔はみるみる笑顔へと変わって行った。


しばらく時間も経ち、帰る準備をしている時だった……


「奏、ありがとう…僕と遊んでくれて。泳いでても良かったのに」


「だってそれじゃユウが一人になっちゃうし……」


そんな話をしているとユウから突然口を塞がれた。


「これ、お礼ね…」


ユウの口付けは忘れかけていた夜の出来事を思い出させてきた。


え、えぇ……!いきなりすぎる……!折角忘れかけてたのに……!思い出させてくるなんて……!


「おぉ…良いものが見れたよぉ…!来てよかったぁ…!ねぇ…ジーナ…」


「それは良かったです」


「キミ達……そろそろ行くよぉ……!」


玲奈が帰る時何故かとても上機嫌だったけど、そんなに遊ぶのが楽しみだったのかな……?

ジーナは荷物を持って先に施設で待ってました。


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