サウンド家二女の話1
構想とか展開とかよくわかりませんが、アイラならなんとかしていってくれると信じてます。
「はぁ、はぁ、、ここまで逃げてくれば、、追いつけないはず。」
わずかに月明かりが照らす木々の隙間、その根元で少しばかりの休憩の為、身を隠していた私は、そもそもこんな盗っ人みたいに逃げ回る原因になった麻袋を開けて中を確認した。
「なんで、私の袋の中身がこんな物に入れ替わってるの?」
袋の中には一冊の辞書のような厚みのある本と、奇妙な模様の入った美しい黒光する腕輪、そして派手な封蝋をされた手紙が入っていた。
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私の名前は、アイラ=サウンド
今年の春に14歳になったばかりの女の子だ。
好きなものは本を読む事。
もっと好きなものは、自分で見て聞いて感じたものを本に書くこと。
つまり、作家の卵だ。
まだまだ、人に見せれるようなモノは書けないけど家の仲のいい侍女達には密かにウケている。
いつかは、大勢の人達、その子供や孫、その先に生まれる子供達に読まれ親しまれるような歴史的大作を書くのが夢だ。
私の普段の生活は年老いた鳥のさえずりから始まる。
私が産まれた日に祖父からいただいたらしい、大変珍しい鳥なのだそうだが、ブサイクな、顔をしたオウムの様な鳥だ。
ぜんぜん爽やかじゃない、いつもと変わらない朝だった。私はおはようと挨拶をして窓のカーテンを開け外を眺めるのが朝一番の習慣だった。
「おはようアレキサンドロス。今日もブサイクね。」
「お前の性格ほどじゃねぇよ。」
「‥‥‥。」
私の名前はアイラ=サウンド
そこそこ裕福なサウンド家の二女にあたる娘だ。
街ではそこそこ美人で魔法学校でもそこそこ人気があると噂されている美人だ。
私のいつもと変わらないはずの1日の始まりは、この言葉からハードでワイルドな、日々へと変わってしまったのかもしれない。
「しゃ、喋ったーーーー!!」