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帰れなかった勇者の新・異世界生活  作者: 乙三
幼年期編
18/79

16.5.神像

前話の後ろに付く話でしたが、誤字などの確認が間に合わなかったので分割しました。

 

 少し寄り道をしたが、揚げチポリ(フライドポテト)を堪能し腹も膨れたので自室に戻り、次の作業のために『収納庫』から鉄の剣を一振り取り出す。


 それを『創造』で粘土の様に柔らかくして、造形用の道具に加工しはじめる。

 平らな物、針の様にとがった物、耳掻きの様に湾曲した物。

 先端を様々な形に変えたボールペンのサイズのそれらを、作り出しては作業台に並べていく。



「うーん……こんなもんか……な?」 


 日本での記憶を辿りながら作ってみたが、使い辛かったらそのつど修正すれば良いか。

 

 次に河原で集めた白い石を取り出して、これも『創造』で柔らかくして一纏めにし、魔力操作で大まかな形を作る。

 左手で『創造』の魔力を流しつつ、右手に持った自作道具で細部を作りこんで……。



「出来た……おおよそ十二分の一、創造神様像」


 神像化に際して、多少はメリハリをつけているけど……まあ、記憶にある姿に近い物が出来た。

 子供なので毎日の様に神殿に通えないから、その代用品として作ってみたが……等身大や、それ以上の巨大な物は無理だし、俺が慣れ親しんだ日本のフィギュアサイズで許してもらおう。


 次は、風と自由の神ベンク様だな。

 家族への隠蔽の為に加護と恩恵を授けて下さり、何の関わりも無い俺に色々と協力してくれた神様だから、創造神様同様に大恩がある。

 こちらは緑色の石を材料に…………言動は少年の様だけど外見は二十歳くらいだったし、女神様だからと女性らしさを出してみたが……ちょっとエロくなってしまったな。

 風の神様だからと、ポーズをつけて服に少し動きを持たせて、風に舞った感じを出したのが原因か?

 まあ、これはこれで悪くないので、一先ず完成という事で。


 最後に土と財貨の神テアル様。

 ストーブやリバーシの登録時には世話になっているし、加護や恩恵も賜っているからな……ついでに。

 テアル様には茶色の石を使って……容姿は子供で性格も陽気な印象を受けたので、元気の良いやんちゃな雰囲気で。

 しかし、こういう感じのキャラって、実はラスボスだったりするんだよねー……いや、フラグじゃないよ。



 もっと時間が掛かると思っていたが、『創造』と『魔力操作』を併用するとイメージに近い物が作れるのでかなりの時短になる。材質が石だから『石工』の影響も働いたかもしれないけど。

 

 ともあれ、これで三人? 三柱? の神像が出来た。

 他の神様はまだ会った事がないので……いつかは全員分を揃えたいなと、若干のコンプリート欲が出てくる。



「だいぶ日も傾いてきたな……」


 光魔法の『照明』を使っていたので気付かなかったが、空はもう薄暗く屋敷内には蝋燭が灯っていた。

 両親達はまだ帰ってないようなので、三体の神像を『収納庫』にしまい、これ幸いにとフィギュア製作を再開する。

 

 とはいえ、神像サイズの物はさすがに慣れてきたので、今度はもっと小型のサイズの物を……石ころ一個分、三十五分の一サイズでの製作にチャレンジしようと思う。

 人間の模型という事であれば、組み立てたり塗装したりと日本では一番馴染んだ縮尺(スケール)かもしれないが、いざ自分で作るとなると勝手が違う。

 


「ああ……またやっちゃった」


 『創造』の魔力を流している左手で石を持ち、柔らかくした状態で右手で細工を……これがダメなんだろうな。保持している左手に少しでも力が入ると、せっかく作った形を歪めてしまう。

 かと言って右手に魔力を流せば、自作道具も柔らかくなって作業にならない。



「自作道具の表面を魔力で包んで……」


 それからも、あれこれと試行錯誤してみたがまったく上手く行かない。

 そうこうしている内に、遠くで扉の開く音が聞こえ何者かの走ってくる足音が……どうやら自由時間も終了の様なので、自作道具は『収納庫』へ、作業台に転がっている石は木箱へと戻す。



「ルクス君、ただいまー」

「うん、お姉ちゃんお帰り」


 それからと言うもの、今日あった出来事を晩御飯まで延々と聞かされる事となる。

 そして晩御飯のあとも食堂に残り、就寝時間となるまで……。


 ただ村に行っただけなのに、そんな数年間会わなかった様な対応をされても……別に村に行ったのだって、どちらかが留守番するのだって初めてって訳でもないのに。ほら、父さんも母さんも苦笑いしてるし。

 まあ、こう言うのも姉弟としての関係の一つなんだろう……なんだろうな、不思議と悪い気はしない。




今日中に次話も投稿します。

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