89.鬼の里とはどうやらエロいようです
京都風の訛りが予想以上に難しかった(全ギレ)
【鬼の里とは世界中で有名な観光地である!】
【鬼の里……それは文字通り“鬼の種族”が多く住まう煉獄大陸に存在する場所であり、かつて鬼一族を束ねていた初代鬼王『閻鬼神』が他種族との交友を目指すべく発足した観光地の事である。
そしてその歴史についても非常に古く、様々な文献に残っているのだがこの紹介ページはあくまで観光地としての紹介の為、敢えて割愛する。
※気になった方は巻末の注釈を参照の事。
さて、では前置きを置いた所で紹介へ移る。
では! まず最初に分かりやすく言おう!
この里の感動を一言で表すなら《極楽》だ!
では何故、どうして極楽というこんな大層な比喩が出来るのか……その理由としては主に幾つもあるのだが、私が特に感動したのは以下の二点だ。
まずは温泉! 一番目はこれに尽きる!
大陸名が煉獄大陸というだけあり、各地に多くの火山が存在する影響か、多数の温泉が発掘され、いずれも宿の目玉として活用されている。
そして中でもこの栄えている鬼の里で管理されている温泉に関しては最高クラスの効能がある事で名を馳せており、現在でも来訪者が絶えない。
それを証拠に今も多くの種族がこの大陸に移住を望み、その疲れを最高の温泉で癒さんと毎日がまるで祭りの様に賑わいまくっているそうだ。
さて、では次に目玉の温泉の情報だが、ここから先の効能等のネタバレはNGと言う事なので、後は直接訪れた読者の方々に託すとして、次!
そう! これも鬼の里という地特有の魅力!
ズバリ“鬼”という種族の美しさについてだ!
まずその手始めとして最初に私も男性の端くれだからこそ、女性の鬼の容姿について触れよう。
では早速、その女性の鬼についてなのだが。
まあ分かりやすく言えばすげぇエロかった。
それこそスタイルの差は勿論あったのだが……その……なんと言うか……艶やかというか……なまめかしいというか……その言動一つが『男』として本能を刺激するというか……もうエロい!
一応、このような商業誌で“エロい”という説明もどうかと自覚はするが、それでもエロい!
その鬼特有の生命力の強さから来るのか。
それこそ気を抜けば生気を吸い取られるように、すぐに骨抜きにされてメロメロになりかねない。
男性にとってはまさに極楽と言えるだろう。
なお鬼の男性についても背が高い、カッコいい、逞しい、角がセクシー、ごつごつした筋肉も何かエロいなどこちらも観光客の女性から大人気であり、抱かれたい種族ベスト3にランクインする程であり両性共に魅力的な種族となっている。
最後に備考として収入源についてなのだが。
勿論、我々の様な観光客からの収益のほか。
最近では《危険度Sランク》を誇る高難易度の新ダンジョン『獄炎の口』に挑む冒険者が物資や高品質な武具を揃える為に落としていく金銭もこの里の潤いに大きく貢献しているとの事らしい。
とまあ……そんなこんなでとにかくだ。
例え一観光客としても、一冒険者としても。
一度はこの地を訪れる事を私はお勧めする!
なお一応注意としては素晴らしい観光地な分、宿等の宿泊費や店の商品はかなり“高価”の為。
心置きなく旅行を満喫したければ、大金をはたく気で足場をしっかり固めていくべきである!
至高の幸せとは代償無しでは得られんのだ!
~ガリヴァ―書房刊『博識王のオススメ旅行先シリーズ・死ぬ前に一度は行くべき名所』88の項【私の超オススメ! 鬼の里!】より引用~
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鬼の里【天獄羅生壮】
「あら……これはもしかして?」
「おや? 母様どないしはったん?」
「ああシュテンさん。いやな、今お客様のリストを眺めとったんやけど……この中に少し聞き覚えのあるお客さんの名前が書いてあったんよ」
「へぇ……母様がわざわざ覚えとるなんて珍しい事もあるもんやね? 一体どんな人なん?」
天獄羅生壮。
それはこの鬼の里最大にして、初代鬼王『閻鬼神』の血を引く鬼種族代表の女将が経営する宿。
そしてその控室にて予約を確認していた女将は、娘であるシュテンを呼び寄せて名簿を見せる。
「ほら、この人。確かに以前シュテンさんがえらい世話んなった人や無かったけ? えっと……確かほら、あんたがダンジョンで瀕死になっていた時に背負って出口まで運んでくれたっていう」
そうして彼女はそのまま娘へ分かるよう、気になった名前をその美しく白い細指で辿っていく。
すると、その『見知った名前』にシュテンは、
「なっ!? このお名前は……まさか」
「ふふふ、シュテンさんってば……顔を赤くしはったね……本当に分かりやすい娘やなぁ。どうしはります? 店番……変わってあげましょか?」
「……かまへんの? うち……きっとこの方に会ったら己の欲望を抑えらずに……その場で襲って“そのまま食べてしまう”かもしれへんで?」
シュテンはその母の提案にそう、ねっとり……と、まるでご馳走でも前にしたように乗った。
しかも母親と同じく色っぽく、息を僅かに荒げ、細い指先を舌先で軽く舐めながら嬉しそうに。
「ふふふ、それは別に構へんよ……うちもはよう“孫の顔”拝みたいしな。それに……ふふふふ、なんやったら……うちでもええんよ? 別に“もう一人くらい結婚して”うちが産んでも……」
「あかんえ、母様。この方はうちのもんや……この鬼の里へ来たからには……うち以外の誰にも渡さへんさかいに……ほな、店番の件頼んます」
すると母親のそんな妖しい発言に彼女は僅かに鋭い視線を向けて、そう強く釘を指した。
「はいはい、しょうがない娘やねぇ……その代わり他のお客様の迷惑にならんようにするんよ? 次代の女将がお客様と“関係を持つ”やなんて、いくら鬼代表の一族とはいえ評判があるさかい」
「うふふふ……分かっとります。あくまで“バレへん”ように……やろ? そう言いながらも母様もマッサージと言いながらたまに“食べとる癖に”……あかんで、父様も落ち込んではったで?」
「ふふふ……それは大丈夫や。うちの場合はたまに生気を吸っとるだけ……身体はあの人のもんやさかい……おやつ感覚や思うたら可愛いやろ?」
「うふふふふっ! まったく……物は言いようやねぇ……じゃあうちは将来のお婿さん選びとして心ゆくまで愉しむやさかい……ほな、うちはこれで」
そして……そんな何とも物騒ながら会話。
男性がもしこの場にいたら色々と刺激を与えてしまいそうな親子の危なし会話を終わらせると、シュテンは襖を開けて廊下へと出ていった。
(うふふ……レオナルドはん……あの時、瀕死のうちを助けてくれたお礼……今回こそ返させていただきます……勿論“この身体”で……な?)
そう……命の恩人への想い。
甘い甘い恋心を秘めながら……何としても自分の物にせんと色々と妄想を膨らませるのだった。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
次話は深夜帯にて【挿絵付き】での更新予定です(現在添削中)。
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