70.今度は心を奪う時のようです
「おや、またお会い致しましたな。どうでしたか、待機中でのこの国の観光は。このコロッセウム以外にも興味深い建造物が多数あったでしょう?」
「はい、それはもうバッチリ堪能致しましたわ。それに他にも美しいアクセサリーなど建物以外にも魅力的なモノばかりで目移り致しましたわ!」
「ほっほっほっほ! それは良かったです!」
料理の儀より二日。
「まあこれは今更な話題ですが……いかがでしたかな? 初見の方から見て先日の料理の儀は。中々に面白い催し物だったでしょう?」
「た……確かにすごく衝撃的でしたわ。料理の難しさを実感させてくれる……いえ、どちらかといえば食材の大切さを教えてくれる時間でした」
「ふふふふふ、そうでしょうそうでしょう。ああ……ちなみにここだけの話ですが【前回の女王決定戦】ではもっと酷かったんですよ?」
「えっ!? “アレ以上の惨劇”がっ!?」
「ええ……それはもう見るも地獄でしたよ。特にあの若かりし頃のイザベラ女王なんて――」
一つの儀式を終えるごとに挟まれる休憩の間で閑散としていたコロッセウムは今では再び満席となり、再度集まった観客達は次の競儀開催に既に胸を高鳴らせざわついており、
《えっと……マイクテスト……マイクテスト》
「おおっ、ようやく始まるようですね」
「ではまた後でお話しいたしましょう」
そして……。
《あーあー。よし、準備オッケーですね! では皆々様お待たせいたしました! では早速これよりイザベラ女王による第二回戦! その名も【美貌の儀】の説明に移る事とさせていただきます!》
「「「うおおおおお! 来たああああ!」」」
「「「ヒューッ! ヒューッ!」」」
「「「待ってましたああああああ!」」」
パチパチ……パチパチパチパチパチ!
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
そんな審判の開始の発言により一斉に発火。
熱狂する観客達が入り混じり湧き上がる歓声、流石にもう聞き慣れた拍手が鳴り響いていき、
《ブラボーブラボー! ではではイイ感じに会場が盛り上がってきたところで早速、今回も我らがイザベラ様より本日開催いたします【美貌の儀】の簡単なルール。および開会の宣言を承りたいと思います! では女王様! お願い致します!》
「うむ! では紹介に預かった通りこれより女王決定戦の二回戦となる儀式! 美貌の儀の説明に移ろうと思う! なお前回と同じく別に難しい内容でもなく、これもそれなりに単純なルールであるから多少は聞き流してもらって構わんぞ!」
宣誓台の上で期を待っていたイザベラが発言。
そんなこれ以上無い程の熱気、盛り上がりを見せた所で彼女は改めて今回催す儀式について全員に届くように拡声器越しに響かせるのだった……。
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【美貌の儀】……女王決定戦二回戦の競儀。
【概要】
美貌の儀。
それは料理の儀に続く第二の競儀であり、内容もまた同じく『美貌』と冠する通りであり女王候補者達の美しさを審査するものである。
具体的には本人の美しさも無論含まれてはいるが、着用する衣服のセンス、立ち振る舞い、特技、己の美貌の魅せ方など『女性としての美しさ』『華やかさ』などといった部分が最重要視される。
【流れ】
1.服装のアピール《舞台をゆっくり一巡》
2.ダンスアピール《舞踏会同様の正式な踊り》
3.歌唱力のアピール《オペラ調の曲を歌唱》
4.フリーアピール《自由な手法での魅力表現》
そして……前儀と違う点として、今回の競技の審査は異世界審査員のみの判断に委ねられる為『緊急用の強制退場(※ページ下の注意書きの欄を参照)』等の権限も全て審査員の扱いとなる。
【規則】
1.この競儀に限り【得点】で勝敗を決する。
2.衣装は各々が申請した物を使用すること。
3.その為、衣装の変更等は一切認められない。
4.フリーアピールの時間は最大で5分とする。
5.様々な理由から強制退場を受けた者はたとえどんな理由があろうとも問答無用でその時点で採点中止となる。
……以上がこの美貌の儀においての規則であり、一部の例外等を除き、あくまで己が用意した衣装や装飾のみで魅了する事を義務付けるものとする。
以上。
~女王のみ引き継ぐ伝書『女王決定戦の詳細』19の項【美貌の儀における規則】より一部抜粋~
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……こうして。
「美しさとは何か! 美貌とは何か!」
また彼女は続けて観客へ向けていく。
「美しさとは一つの“強さ”だ! 先の料理が相手の心を掌握するのであれば『美しさ』もこれまた同義! 女にとって美を極めるとは単純に異性を虜にするだけではなく、“万物をも魅了し、己が意思で動かし操る事が出来る”という性別の垣根をも超える事すらありうる、人心を揺るがすカリスマに近い深く重要な要素なのだ!」
イザベラは大声で高らかにそう語った。
場の雰囲気、熱気を少しでも盛り上げるべく。
女性が持つ”美貌"という素質が秘める力の強力さ、圧倒的な美しさという武器を振りかざし、相手を魅了し自分の虜にするという部分が王と民の支配形態に似ているのだと発し……さらに!
「そして! 真の美貌の本質とは【相手の心を奪う】事にある! 料理の儀と根本的に違うのはただ“心を掴む”のではない! 今度はその緩んだ相手の心を強引に奪い取り、我が物……己が手中に収める事こそ統治者として! この国を支配する女王として必要不可欠な素質なのだっ!」
「「「きゃあああ! 女王さまあああ!」」」
「「「私達女性の長らしいお言葉ですぅ!」」」
「「「「流石はイザベラ女王様ですわ!」」」」
「「「やはり我が国の女性代表のお言葉ですわ! 美貌に対する重みが数倍倍違いますものっ!」」」
「うむ! そうだ! まさに今の発言通りだっ! 女王とは言ってしまえば国を代表する女! その気になれば男のハーレムを二つか三つくらい作れるくらいの【エロさ】も兼ね備えておかねばならぬのだ! 逆に一人の男すらも虜に出来ぬような者が女王などなれるか!? いや絶対になれぬ! だからこそ最後にもう一度断言してやろう! 美とは力なり! 美しさとは正義だ! 他者を惑わし狂わせる程の魅力を持つ者こそ強者なのだ!」
……と、多少行き過ぎた発言があったものの。
「「「「うおおおおおおおおおおお!」」」」
「「「「美とは力なりぃぃぃぃぃぃぃ!」」」」
「「「「美しさは正義なりぃぃぃぃ!」」」」
これまた見事に会場の観客を焚きつける堂々とした美貌についてのスピーチを残し終えると、
「では! これより第二の儀。美貌の儀の開始を宣言しよう! まず記念すべき初めを飾るは我が次女ヴィクトリアだ! それでは此度の儀も存分に楽しんでいってくれ! さらばだ!」
イザベラ女王は開会宣言と共に退場。
拍手と歓声の中で控室へと戻るのだった。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
次話は執筆が終わり次第投稿予定です。
筆が進めば平日の夕方(今くらい)、または週末の昼くらいを目安に投稿できればと思っているでやんす( ・ω・)
ではでは最後にもしよろしければブクマや評価であったり率直な感想等をお願い致します!!
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