第4話 水氷の女王
入学式の翌日、学園で孔雀院に誘われる真、そして夜に鈴華が遭遇する不気味な影、そして学園最強の人物登場
「彼が・・・何故・・・知ってるの」
授業が昼頃に終わり皆んなが帰る中、俺は白奈を探していた。登校時に校庭で俺から離れてから下校の時になっても、俺のところに帰ってこなかった。白奈を探し俺はあの神社に向かい歩みを進める。なぜかはわからないが、俺にはあの神社に白菜がいると確信があった。
神社の鳥居をくぐり境内の辺りをを探索する。すると桜の舞い散る中、周りの桜の木より一回り大きな桜の木下にいた。俺はその桜の木に近づき、気持ちよさそうに寝ている白奈を見て俺も少しその桜の木にもたれかかる。昼過ぎということもあり心地いい日当たりと撫でるような優しい風の中、俺はふと空を眺めた雲ひとつない快晴、寝るにはもってこいの条件だ。
白奈の隣で青い空を見上げる。こんな光景を見ていると、魔魂がいること、自分が陰陽師であること、それらをこの瞬間だけ忘れられる気がした。そんな時ふと隣から猫の鳴き声が聞こえ、その方向を見ると真っ白な姿、二本の尻尾、琥珀色の美しい瞳が俺を見ていた。
「白奈・・・」
俺がその子猫の名前を呼ぶと、子猫は俺の近くに歩み寄り、再び寝る体制になる。おそらく一緒にいたいのだろう。あまり俺は猫の感情などに詳しいわけではないがおそらくそんなところだろう。
「俺も少し寝るか。」
俺は白奈を膝の上に乗せ桜の木に背を預ける。心地よい風と暖かな日差しの中、俺は静かにその瞳を閉じた。
夢の中俺の見た光景・・・それは、焼けていく家屋、焼けて変形した日本人形、俺は両親を探した・・・焼けていく家の中を夢中になって探す。胃の中の物がすべて出そうになる不快感を覚えつつもそんなことが気にならないほど、俺には両親の安否が心配だった。焼ける家の和室に二人を見つける。二人とも血を流しており鮮血の血だまりが出来ていた。俺は二人に近づき体を揺さぶり意識を呼び起こそうとするが、返事がない焼けていく家屋の中、非力な俺は両親を起こす以外何の考えてはいなかった。
そして気が付くと俺は虫の息になっていた。それまで何があったか俺ですらわからなかった。
「は!!」
気が付くともう夕日が落ちかかっていた。赤く光る夕日が眩しく、手で目をこすり、白奈の方を見る。白奈はすでに起きており俺の起きたのを見ると俺の肩まで駆け上がってくる。俺は白奈を撫でながら立ち上がる。
「さてと・・・帰るか、鈴華も待ってることだし・・・・・」
俺は肩に白奈を置いたまま家への帰路につく・・・赤く光る夕日はもう沈みかかっていた。
私は家の要件を済ませていたため帰りが遅くなり下校最中に夕飯の買い出しで近くのスーパーに立ち寄りその帰路についていた、辺りは暗く人通りもない一本道を進んで行く。
「今晩はサバの味噌煮でいいかな・・・真喜んでくれるかな・・・」
暗い一本道を淡々と歩いていく・・・しばらくすると異変に気付く。違和感が直観的私の脳によぎったのである。
「この気配・・・」
全身を覆う不快な感覚、胸を締め付けられるような感覚・・・この感覚には覚えがある。魔魂、この現実世界と虚無世界が繋がり出てきた異形の存在・・・魔魂は霊力の高い人間を標的にし虚無世界に誘う、そしてその空間で誘った人間を食らい、力を増していく・・・私は持っていた食材の入ったトートバックを地面に置き、菊一文字に手をかける。すると地面や壁から黒く異形な人の形をしたものが何体も出てきた、この小規模の魔魂出現は魔障地域と違い要となる邪怨要を破壊するものではなく怨魔魂達を取り仕切る魔魂を倒すことにより空間自体は消滅する・・・見たところ出てくるのは怨魔魂ばかりでそれらを仕切る魔魂を見つけなければならない。その魔魂を倒さない限り、怨魔魂は永遠と沸き続ける。怨魔魂とはその空間に漂う怨念が具現化した姿
「(早くこの空間を作り出している魔魂を倒さないと・・・・・)」
私は菊一文字を鞘から引き抜く、軌跡を描きながら引き抜かれた刃を怨魔魂に向ける。怨魔魂達は走り出し一体が左腕の禍々しい刃を振り下ろしてきた。私はそれを菊一文字で弾き、空いた手を怨魔魂に触れるか触れない距離に置き、深く呼吸し・・・
「仙娥昇。」
声とともに手の平の霊力飛ばすと、怨魔魂一体の腹に大穴が開く、仙娥昇・・・霊力を手の平から短い距離限定に飛ばすことで威力を高める近接霊力術式。対人戦なら全力でも気絶がせいぜいですが怨魔魂はそこまで外殻が硬いわけではないので少し力を絞れば倒すことは簡単です。私は後ろに少し飛び、刀を構え直し苦い顔をする。
「数が多すぎる・・・・このままじゃこっちの霊力が先に尽きる。」
私は怨魔魂達に刃を向けながら、この状況だとたどる最悪の運命を打破する方法を考えるのであった。
俺は下校の途中で感じた不快感の原因の場所に向かい走っていた。それとそのすぐそばに感じる覚えのある霊力・・・この霊力の人物はわかっていた。鈴華だ・・・俺は走る足に一層の力を込めて走る、1秒でも早くその場所につくために。
「鈴華・・・無事でいてくれ。」
白奈はさっきから俺の隣を走っている。最初に気づいたのは俺ではなく白奈だった。下校中の俺の肩からいきなり降りて走り出したのだ。付いていくと不快感を感じ今に至るわけだ。場所は住宅街だがさっきから人通りが少ないどころか誰ともすれ違わない。
「クソ!こんな住宅街でなんで魔魂が・・・」
今は考えるより走ることに集中しよう。取り返しがつかなくなる前に・・・
俺は今にも破裂しそうな心臓を抑え、それでも全速力を維持して走る・・・体力がないわけではない、鈴華の状況を考えると急に胸が苦しくなり早くしなければと足を速くする。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」
「ウオォォォォォ」
怨魔魂の雄叫びをあげ、私を威嚇してくる。私は傷こそ負っていないものの、息は上がり、制服はうっすらと汗で湿っている。個々は強くないのだが、1人で捌くには数が多すぎる。私は腰につけてある。札のケースから数枚札を取り出し怨魔魂達に向けて投げる。
「光剣符・・・」
私が詠唱をして投げた札は光の剣に変わり怨魔魂達をことごとく切り払って行く・・・光剣符は、光の剣を霊力で操作し、敵をなぎ倒していく霊符のひとつ。
私は次の札をケースから出した瞬間・・・
「う・・・」
突然頭を金槌で殴られたかのような激痛が走る。突然の強烈な痛みに私は膝をついてしまう。
「う・・・頭が・・・」
「ウォォォォォ」
怨魔魂の一体がその大きな蟹の爪のような腕を振り下ろしてきた。私は頭痛のせいでまともに動くことができなかった。
「う・・・誰か・・・」
私は死を覚悟し目をつぶった。だが、襲うはずの痛みが私を襲わない、その代わり聞こえたのは鉄のぶつかる音の後に擦れる音、恐る恐る私は目を開ける。
「鈴華!大丈夫か・・・」
私の前には真が怨魔魂の歪な腕を刀で防いでいた。
私は唖然としたまま小さな声を発する。
「な・・・んで・・・」
その小さな声を聞いた真は怨魔魂の攻撃をはねのけた後言う
「最初に気づいたのは俺じゃない、白奈だ・・・俺はそれについてきた。白奈がいなかったら俺はまた失うところだった。大切なものを・・・」
そして真は私に向き直り手を出す。
「だけど、今度こそ守ってみせる。俺の大事なものを・・・」
私は口元を両手で覆い嗚咽を零し、涙を浮かべながら差し出された手に手を置く
「ありがとう・・・真」
俺はあの事件以来失わないために強くなってきた、だけどそれも間に合わなければ意味がなくなると知った。
俺は手のひらに置かれた手を優しく握り返すと優しく鈴華に告げる
「すぐ終わらせてくる」
「・・・・・うん、」
涙を浮かべていたがその顔は笑顔でいつもそばにいてくれる鈴華のものだった。
俺は立ち上がり怨魔魂の群れに刀の切っ先を向ける。
「俺の全てをかけて、お前らを切り捨てる。」
俺は鞘から刀を引き抜く・・・白い奇跡を描き引き抜かれた刀は淀みのない輝きを放っていた。
俺が刀を構え、間合いを図っていると違和感に気づく
「なんだ・・・」
感覚を研ぎ澄ませ、周囲の淀んだ気配の中からこの空間を作り出している魔魂を探し出そうとするが、見つからない。この一帯を離れた可能性も考えたがそう考えると不自然な点が次々と浮かんでくる。
「危ない真!」
叫ぶ鈴華の声ですぐに我に返ると怨魔魂がすでに目の前まで迫っていた。せってきた怨魔魂はいびつな腕を俺に振り下ろそうとしている。咄嗟のことに防ごうとした瞬間・・・・・
「・・・な!」
俺の目の前にいた怨魔魂の集団が一瞬にして轟音と共に氷漬けにされていた。中の氷漬けになった怨魔魂の集団を一瞥した後、上を向く・・・
そこには海の様な水色の髪が空になびいていた。月明かりに照らされた髪は光を放ち、雲に隠れていた月が徐々に姿を現すにつれ、その水色の髪の持ち主の姿がはっきり見えるようになる。
「な!・・・」
俺はその姿を見て仰天した・・・その人物は白奈と会ったときいた女性、氷蓮寺美久その人だったのである。
「美久さん・・・・・」
俺がその名前を口にし、その姿を見ていると彼女が空から降りてくる。風に揺れる巫女服・・・揺れる水色の髪・・・見間違うはずがなかった。
「大丈夫かしら・・・」
「ありがとうございました。美久さん・・・」
「誰ですか?その人」
「・・・え?」
俺が美久さんだと思い話しかけた女性はまるで別人みたいな反応をする。
「私は五行天・・・水の天・・・水仙院美姫」
五行天、五行のそれぞれの分野のトップに与えられる称号・・・その水の分野での最強の陰陽師、学園の生徒の中での最強と謳われる一人・・・しかも水仙院は陰陽十二家の内の一つ・・・範囲系の術の長けている家計と聞いている。
「貴方は確か・・・入学式の模範試合に出ていた生徒よね・・・」
俺が考えているところに水仙院先輩が話しかけてくる。
「あ、はい、そうです・・・誠に申し訳ありませんでした。」
俺は深く頭を下げる。だけど、容姿は美久さんにそっくりだ・・・もし隣に美久さんかいたのなら見間違えてしまいそうだ・・・
「気配を感じてここまで来たのだけど、魔魂は別の場所のようね」
「はい、自分が途中で駆け付けたときにはもういなかったと考えられます。」
すると遠くの方で轟音が鳴り、その瞬間淀んで空間そのものが消えていった。
「淀んだ気配が消えていく・・・」
「どうやら片付いたようね・・・」
淀んだ気配の消失を確認していると暗い夜道の奥から我体がかなりいい筋肉質の生徒が歩いてきた。
「ガッハッハ、姫よ・・・この空間を作っていた魔魂は我が撃破したぞ。」
体格のいい男子生徒は高笑いしたのちに笑顔で水仙院先輩に自分が魔魂を撃破したことを伝える。
「別にあなたと競ってはいません・・・打ち漏らしとかはありませんよね・・・」
「ガッハッハ、当たり前だ、我がそのような失態するわけなかろう。」
「それもそうですね・・・相変わらず暑苦しい人ですね。」
水仙院先輩は体格のいい男子生徒の言葉に冷静に対処するがその言葉には怒りと言うよりかは呆れなどがうかがえる。
すると体格のいい男子生徒は俺に話しかけてくる。
「我は五行天・・・土の天、金剛堂正幸だ・・・天鏡院、お前さんの戦い見せてもらったぞ・・・ガッツのある勇ましい姿だった、我はお前さんが気に入った。今度手合わせしたいものだな、ガッハッハ・・・」
俺より二回りぐらいでかい体格、筋肉質の四肢、制服の上からでもわかる圧倒的圧力・・・そんなこともおもっていると隣にいる水仙院先輩が冷ややかな口調で金剛堂先輩に話しかける。
「そういう暑苦しいのはやめて下さらないですか。ところで天鏡院さん、あなた私をどなたかと間違えていませんでしたか?」
俺は水仙院先輩に目線を移す・・・なぜだろう、この人の目からは冷たいものを感じる。
「天鏡院さん、聞いておられますか・・・」
「は、はい!」
俺としたことが、彼女の目に見とれて話を聞いていなかった。いや、見とれていたとはまた別の感覚になる。とりあえずすぐに返事を返す。
「い、いえ、俺の知っている人に似ていたのでつい・・・」
「・・・・・・そうですか・・・・・」
俺がそう答えると水仙院先輩は少し間をおいて答えた・・・
「では、我らは学園への報告があるのでこれで失礼するぞ・・・」
金剛堂先輩がそう言うと水仙院先輩と共に去っていく。霊障空間が消えたことにより周りはいつもの住宅街に戻っていた。この時、俺は初めて戦いが終わったことを実感した。
「俺達も帰る・・・か・・・」
俺が言葉を発し終わる前に鈴華が背中に抱きついてきた。突然の出来事に俺は固まる。すると後ろから鈴華の嗚咽と声量の安定しない声が伝わってきた。
「ごめん・・なさい・・・本当なら・・私がやらなきゃ・・・・いけないのに・・・う、うぅ」
これは恐怖からくる涙ではなく自分の無力を嘆く涙だった。分家は本家の身の回りのお世話と警備を家から言い渡される。そのことすらできない自分の無力さを鈴華は嘆いているのだろう。助けた時は恐らく恐怖からの涙だっただろう、だけど今は無力に涙している。俺はそんな鈴華に振り向かずに言葉を発する。
「帰って飯にしよう、もう腹減っちまった。今日も美味しい料理を期待してるぜ、鈴華」
するとすぐに後の感触は離れ、まだ声量は安定しない声で
「うん、今日も期待してて、うまいもの作るから」
俺は鈴華の方を向く、泣いた後が見受けられるがそこにはいつもの明るい鈴華がいた。俺達はそのまま自分達の家の方向にありを進めるのであった。
暗い夜道、私は隣にいる体格のいい生徒、私と同じ五行天の金剛堂に話しかける。
「私用事があるから学園への方向は任せていいかしら・・・」
金剛堂は少し不思議めいた顔で返事を返す。
「我は別に構わないが、姫が報告より私用を優先するとは珍しいではないか?」
普段私は私用は学園への報告を済ませてからやる。五行天が霊障空間などに関与した場合、学園への報告を義務付けられている。本来報告するのは一人でいいのだが、私は意識的に報告を欠かさないでいた。しかし今回は気になることができたので早く帰りたいと思ったのだ。
「少し気になることがあって」
「わかった、学園へは我が報告しよう」
「恩にきるわ」
私は裾から一枚、札を出しそれを正面に投げる。すると札が消え、大きな襖のようなものが開いた状態で出現してわたしはそのなかにはいる。
それをくぐり、ついたのは大きな屋敷に池まである大きな日本庭園風の庭、何度も見たことがある。私の家、私はすぐに書斎に向かった。何段にも重なった本棚を探し、取り出したのはアルバム・・・その適当なページをめくる。するとそこに出てきたのはこの学園に入ったばかりの私と、隣にいる私と瓜二つの顔をする女の子、私はその女の子の方に手を置き呟く。
「美久・・・」
私の頭の中に浮かんだのは彼、天鏡院さんの発言を聞いたからだ、なぜ彼が美久の事を知っている。彼が美久を知っているはずがない。美久は私が二年生の時に・・・そこまで考えて思考を止める。とにかく今するべき事を確認する。
「彼に聞かないと・・・」
私はそう決意しアルバムを戻そうとすると手を止める。私を中心に半径数メートルに凍っていた。
「あ・・・はぁ、またですか。」
私はその場で大きなため息をつく、私の霊力が大きすぎるせいで、少し心を乱したり制御を怠ると周囲に影響を及ぼす。そのせいで今私の周りは凍ってしまっていた。この力は小さい時から発現していて私の周りには誰も近付こうとしなかった。そんな中私の力に影響されなかったのが美久だった。美久は私にとって家族以上の存在だった。私は心を落ち着け力を抑えつける。そしてゆっくりとアルバムを戻し書斎を後にする。
私は自分のやる事を確認しながら長い廊下を歩いていく。
食事の後、ベランダで俺は物思いにふけっていた。美久さんと瓜二つの水仙院先輩、そのことがどうしても気になって仕方ない。美久さんと他人のふりをするような人には思えない。そうなるとやはり二人は別人で姉妹ってことなのか?二人は姉妹と言われた方が納得の行くまでそっくりなこと、だけど水仙院先輩は美久さんのことを知らないようだった。
「一体どういうことなんだ」
「何がどういうことなの?」
背後からの声に慌てて後ろを向く、するとそこには寝間着を着て湿った黒髪をタオルで拭いている鈴華がいた。
「鈴華か、びっくりさせんなよ・・・しかも何でそんな格好なんだよ」
俺は目をそらしながら鈴華の寝間着の格好を指摘する。本家と分家のしきたりを嫌う俺は鈴華に俺に気を使わずに自由にしててくれと言ったのだが、流石に寝間着姿はしきたり以前に男女である事を自覚してないといけないことである。鈴華の胸元が見えており首筋を伝って落ちていく水滴が自然と視線を男にはない魅力溢れる谷に誘導する。無防備にもほどがある状況だ。すると鈴華がこの状況がさも当然がのように平然と話しかけてくる。
「そんな格好って、真が家の中は自由でいいって言ったんだじゃん」
俺は再び空に視線を移し話す
「自由でいいって言ったけど少しは状況を考えろ!」
「・・・・?」
鈴華はいまだにこの状況がわからないのか不思議な顔をしている。幼い頃からこういう状況で無防備だったことはあるか流石にもうお互い高校生でお年頃なんだぞ、それぐらいはわかっててもいいだろうが!そんな事を心の中で思っていてもいう勇気が出てこない。すると鈴華が口を開く。
「・・・真・・・」
その声音から様子が違う事を察して鈴華の方を向く
「私って出来損ないだね、分家の言いつけは真を守れって言われてるのに逆に守られて、主に気を使わせる従者なんていらないよね」
その言葉を発している鈴華の声は震えていて涙が頬を伝っていた。こういう状態の鈴華は凄く心が脆くなってしまう、過去のトラウマとかも関連してるんだろう。そんな鈴華に俺は鈴華に問いかける。
「俺の従者を辞める気なのか、鈴華」
「だって、私は、」
返答する鈴華の声はさらに震えていた。俺はそんな鈴華に優しく問いかける。
「鈴華、お前が決まるといい・・・」
「・・・え?」
俺はそのままの口調で話し続ける
「俺は本家と分家のしきたりが嫌いだ、だから鈴華が自分のことをダメだ、自分は出来損ないとと思うのは俺にはどうしようもできない。俺が許してても鈴華が自分を許さないと解決しない。どうしても許すことができなくて俺といられないっていうんなら俺は止めない・・・鈴華・・・」
「・・真・・・」
依然として鈴華の声は震えているが返事をしてくる。そしては俺は少し真剣な表情で最後の言葉をつげる。
「自分で決めろ!どっちを選んでも悔いを残すな!俺から言えるのはこれだけだ」
いい終わりいつもの顔に戻る。どちらを選んでも鈴華を尊重するしそれで後悔をして欲しくないから・・・・鈴華は涙をタオルで拭き、いつも通りの明るい顔を見せる。
「私を側に置いてくれますか?」
俺はそのまま明るい顔に応えるため笑顔でいう
「あぁ、俺を側で支えてくれ」
俺が差し出した手に鈴華は手を置く、この返答は幼い時にもした。あの時の誓いを思い返すように俺たちはお互いに再度確認するように言い合った。春の涼しい夜風の中俺たちは手を取り合って思いを新たにしていた。
まずは投稿が遅れてしまい誠に申し訳ありません。これからこうなることがあるかもしれませんが頑張って投稿していくのでよろしくお願いします。ついに出ました五行天、その水の天、水仙院先輩!何か秘密がありそうで次回に期待です。




